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睡眠

作者: 木場アサト

「しまった、また寝過ごした……」


 枕元の時計の針を見て思わず呟く。短針は一と二の間、長針は六の位置。一時半――もちろん、昼。

 今日は早く起きようと思っていたのに、とため息を吐きたくなったが、どう考えても自業自得なのでそれを呑み込む。この時点で貴重な休日はすでに半日過ぎてしまったというわけだ。看護師という不規則な勤務スタイルのため――それだけでもないが――休日は昼過ぎまで眠りこけてしまうことがよくある。夜勤のあとは仕方ないと自分を納得させられるのだが、今日の場合は普通に寝過ごしただけだ。

 自分が怠け者だということはとっくに自覚済みであるが、だとしてもこの時間というのはどうなのだろう。睡眠時間は約十二時間。世のロングスリーパーの皆様はどれくらい寝ているんだろうか、とどうでもいい疑問が浮かんで消えた。

 別に自分はショートスリーパーというわけではないが、かといってロングスリーパーというわけでもない。はずだ。昔は七時間くらいで充分だったはずで、なら今だって大丈夫なはずなのだが。年を経ることでそういう体質が変わった、というわけでもあるまいに。

 と、そこまで考えたところで腹の虫がなった。そうだ、まだ朝食も昼食も食べていない。そう思い至ったところで急に空腹を自覚する。


「あー……何かあったっけ。うどん食いてぇな」


 この前、安かったから麺を買い置きしておいたのがまだ残っているはず。そうだ、うどんを食べよう、そうしよう。麺類を食べたい気分だ。ラーメンでも可。

 さっきまで自分の睡眠について考えていたことなど頭の隅に追いやり、腹を満たすことに意識を移す。また今日と同じように寝過ごすことになるのは、そう遠くないだろう。


正月は十五時まで寝ていたことがあります。

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