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Infection World-死者が闊歩するセカイ-  作者: 水無月四日
第一章 崩れゆく日常
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第一話 最後の日常

ずいぶんと更新が遅れてしまって申し訳ないです。

細かいことは後書きで書きます。

それでは、どうぞ!

20XX年04月06日AM6時00分……



 私、日下部二葉(くさかべふたば)はこの時間から始まる。今日から学校が始まるお兄ちゃん(私は明日から)の朝ごはんを作るために、この時間に起きないといけない。

 モゾモゾとベッドから抜け出しカーテンを開け放つ。


「始業式から曇りって……お兄ちゃん、哀れ」


 今日の天気はあいにくの曇り空。分厚い雲が空一面に広がっているうえに、始業式なんてテンションが下がる行事をこなさないといけないお兄ちゃん、なんて哀れ。

 などと思いつつベッド脇にかけておいたカーディガンを羽織る。四月になったばかりとはいえこの時間帯はまだ寒く、上着を一枚着ないと風邪を引いてしまいそうだった。


「今日は……何にしようかな」


 朝食のメニューを考えながら自室を出て二階のキッチンに向かう。トントントンと階段を降りる音が響くほど静かなのは何時ものことでお兄ちゃんはまだ寝ている。

 ちなみに両親は海外に出張で不在なため、この家はお兄ちゃんとの愛の巣と化していた。


「えーっと……目玉焼きとサラダと……フレンチトーストでいいかな」


 冷蔵庫の中身を確認し、あるもので簡単に作れるバランスの良いメニューを決めたら早速調理に取り掛かった。


同日、AM6時20分


ピピピピピピピッ!


「………むぅ………」


 まだ意識が覚醒していないであろうその男は、妙に気の抜けた声を出す。モゾモゾと布団から腕を伸ばし、携帯のアラームを止める。


「もうこんな時間か……」


ぼんやりとした意識は冷えた部屋の空気に晒されて段々と覚醒していき、ひとつ大きなあくびをしたところでその男、日下部雄一(くさかべゆういち)は完全に目が覚める。

 起き抜けの身体に部屋の冷気が沁みる。春先になったばかり故、まだ寒い。手をこすりながらリビングに向かうとすでに完成された朝食がテーブルに並べられていた。


「あ、おはよう、お兄ちゃん」

「おはよう。いつも悪いな」

「いいの、私が好きでやってるんだから。さ、顔洗って歯磨いて来て。そしたらご飯にしよ」

「わかった。少し待っててくれ」


 返事を返した俺は洗面所に向かい手早く歯磨きと洗顔をすませてサッパリしたところでリビングに向かう。


「待たせたな」

「ううん。それよりも冷めちゃう前に食べようよ」

「あぁ、そうだな。それでは……」

「「いただきます」」


 二人揃って手を合わせる。食物を提供してくれている農家や食べ物になってくれた生き物に感謝、というのもあるが俺の場合はまず二葉に感謝だ。父さんと母さんが出かけてからというものの俺の代わりにほとんどの家事をしてくれている。そのおかげで俺は何不自由することなく生活できているし文明的な食事も摂れている。

 もちろん、俺も手伝おうとは言っているのだがかたくなに遠慮し、自分ひとりでやってしまう。兄としてはもっと頼ってほしいがな……


「買ってきてほしい物とかあるか?帰りに買ってくるぞ」

「あー……うん、今日は大丈夫だよ。特に何も無いし。それよりも早く帰ってくることを所望します」

「善処するよ」


 故に俺にできることは、こうやって買い物の荷物持ちをしたり使いっ走りになることだけだ。


「「ごちそうさまでした」」


 二人、手を合わせて合掌。


「美味かったよ、毎朝は大変だろう。たまには任せてくれよ」

「お兄ちゃんは前科者のためダメです」

「まだ憶えてたのかよ……もう同じ失敗はしないぞ?」

「それでもダメなものはダメなのです」


 前に一度だけ、二葉に料理を振舞おうとして作ったことがあるのだがその時にやらかして以来、俺が料理をすることは禁じられている。

 どこぞのテンプレ主人公のように料理が上手いわけでもないから、料理本は見ながらやってたのだがな……


「今どき、料理をしてるはずなのにいつの間にか焦げと炭屑を錬金してるのはお兄ちゃんだけだと思うよ?」

「なかなかにグサっとくるものがあるな……」


 そんな何気ない会話をしつつ俺は投稿の準備を進める。寝癖は……無いな、歯も磨いたし顔も洗った。制服はしっかりと着こなしてるし、荷物も持った。完璧だ。


「それじゃあ、行ってくるよ。昼までには帰って来れると思うから、家のことは頼んだぞ」

「うん、いってらっしゃい。早く帰ってきてね」


 はいはい、と軽く返事をしながら家を出る。もちろん鍵をかけることは忘れない。

 我が家は一階部分が車庫になってて二階からが住居の三階建てだ。車庫の中に放り込んでおいた自転車を引っ張り出してきて漕ぎ始める。

 いつもと変わらぬ街並みだが、今日は何かが違う。何か、嫌な匂いがする(・・・・・・)。ここ最近では物騒な事件が多い。

 猟奇的な事件や暴動が多いせいか、ネットではゾンビだの死者が蘇っただの米軍の極秘開発していたウィルス兵器が漏れ出したなどと騒がれていたが馬鹿馬鹿しい。だいたい、現実味に欠けるしそんなものは空想の産物だ。

 今だって大方、そんな意見に触発されて無意識に過敏になっているに過ぎない。


「おーーい、雄一ー!」


 その時、誰かが俺を呼んだ。聞き覚えのある声の主が俺に追いつき並ぶように並走してくる。

こいつは崎守才斗(さきもりさいと)、俺の親友兼悪友だ。


「おう、俺に追いついてくるとは早いな。いつもギリギリで教室に駆け込むくせに」

「いやな、今日は課題を徹夜でやってたもんだからそのまま来たんだ」


 またか。こいつ、冬休み明けも同じこと言ってたな。


「お疲れ様だな。そして自業自得だ」

「ひでぇ……まぁ行こうぜ」


 二人とも自転車のため、気がつけば校門まで到着していた。

 そこからは、毎年代わり映えのしない退屈で憂鬱な始業式だった。幸いにも、才斗とは同じクラスになれたため、無駄に緊張はしなかったしこれから一年、退屈はしなさそうだ。

 メインの式で校長と教頭が長ったらしいあいさつをし終わり開放された。

 長かった式も終わりHRが終わったところで才斗と一人の男子生徒が集まってくる。


「おい日下部」


ぶっきらぼうに呼ぶのは同じクラスになった友人?の宍戸龍之介(ししどりゅうのすけ)だ。こいつは昔、痛い勘違い野郎だったのだがとあることで手痛い制裁を喰らったおかげでだいぶ丸くなった。偉そうな言葉遣いは相変わらずだがな。


「よう、龍之介。オマエも一緒のクラスだったんだな」

「ふん、僕は別のクラスになりたかったよ」

「素直に喜べよ、オマエ俺ら以外につるむ奴いないだろ」

「うるさいっ!それよりだ、今日は日下部の家で溜まる予定なのだろう」

「オマエら泊まるなよ。あと……ん?待て二葉からのメールだ」

「お?愛しの妹からのメールは俺らよりも大切なのかな??」


こいつ……


「ふん、早くしろよ。それと、日下部妹にお邪魔すると伝えておいてくれ」

「才斗は後で殺すから覚えておけよ。あと、んなことはすでに伝えてあるから安心しろ」


好き放題いってくる才斗と龍之介に返事を返しながらメールを開くと


【差出人】二葉

【件名】急いで!

【本文】ニュース見た!?急いで帰ってきて!!今大変なことになってるの!!


「……ん?どういうことだ?」


二葉からのメールは緊迫したものだった。何気なく、携帯のニュースアプリを開くとそこではとんでもないことが報じられていた。


はい、いかがだったでしょうか?

バイトに追われなかなか書く時間が取れませんでした。申し訳ないです。

さて、次回の更新なんですが、現在、第六話までのプロットを書き終えたところですのでまた近いうちに更新します。それでは、読んでくださってありがとうございました!次回もよろしくお願いします!



(……すか……聞こえますか、私はこれを読んでくれている読者の皆様に直接語りかけています。作者のモチベーションを上げるためにぜひとも、感想、批判、罵倒をどしどし書き込んでください……)←古い

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