その7
ボクはカメレオンをみに近所のペットショップへ行った。
ペットショップと言ってもホームセンターの中にあるペットショップだ。
まさかこんな所にペットショップがあるなんて、誰が思うだろう?
ホームセンターに入り、工具コーナーを抜けるとペットショップがある。平日の真昼間でも客がそれなりにいた。
ボクはまず犬と猫をみた。
ボクはペットショップに来るとなぜだか悲しくなる。なぜだかわからない。それっぽい答えを言うことはできるが、実際はもっと複雑な感情なんだと思う。
そしてボクは小動物コーナーに入る。
夜行性のハムスターやモルモットが気持ち良さそうに寝ている。その中で鳥がうるさく鳴いている。
とりあえずボクは決まりごとのように、ケースを指でたたいて小動物達を起こす。
うさぎがいた。
ボクは昔買っていたうさぎのことを思い出す。
うさぎは寂しいと死んでしまう。
カメレオンがいた。
思っていたよりもカメレオンではなかった。ボクはこんなものかとガッカリした。
カメレオンの横にカエルがいた。
大きなカエルだ。イエアメガエルという種類だ。ボクはなぜだかそのカエルに惹かれた。
ボクはカエルを見つめ続けた。カエルはどこか遠くを見つめてまったく動かない。
カエルは何を見ているのだろうか。
何を考えているのだろうか。
どうしてこんなところにいるのだろうか。
どうしてホームセンターにカエルがいるのだろうか。
ホームセンターでカエルは何を見ているのだろうか。