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その6
夢を見た。
ボクは空を飛んでいた。
そんなボクをカメレオンが狙っている。
長い舌を使ってボクを捕まえようとしている。
ボクはそれを楽しんでいるようだ。
時々舌がボクに触れる。
でもボクは食べられる心配をしていない。
それは初めからの決まりごとのようだった。
ボクはカメレオンの伸びた舌を捕まえた。
するとそのままカメレオンの体がボクの方に来た。
ボクはカメレオンの背に掴まる。
加速した。
とても速い。
カメレオンの背からは
香りとデオドラントのソフランのアロマソープの匂いがした。
時々カメレオンが楽しそうに聞いてくる。
「どこに行きたい?どこにもでも行けるんだよ」
ボクは何も答えられない。
カメレオンは悲しそうな顔をして
「じゃあおいらの行きたい場所に行くよ」
カメレオンはそう言う。
ボクはただ頷く。
これは夢だ。
ボクはベルの目覚まし時計で起きた。
近所のペットショップでカメレオンを観に行こうと思った。