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二人の出逢い

 早朝、まだ霧が辺りを支配している時間帯。だがこれが俺の生活リズムだ。

 『魔法』を使えない俺は、こうして己の身をただただ鍛える。だが、ただ筋肉をつけるのではなく、きちんと自分に合ったペースで、だ。

「……二九八、二九九…………三○○、っし。本日の準備運動終了……」

 今までやっていたのは、木に足を引っ掻けて腹筋を曲げる動作のあと、スクワットの要領で足を曲げる動作、これで一回。

 まあとりあえず身体動かしてりゃ鍛えられるだろ、とおもっていたので、これがいい方法なのかは知らない。

「次は、っと…………ん?」

 たまたま見上げた空に、ポツンと一点だけ黒い部分があった。

 木にたてていた二つの剣を腰に差して、その黒い部分をよぉく、じっくりと見る。それは何故か? それは……


 人が落ちてきたようにしか見えないからだ。










「マァァァァァァンホォォォォォォルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」

 現在、私、落下中。


 ここに至る、十分前の回想は確か、寝坊して食パンを一口で平らげてみせたという荒業をやってのけ、普段十分で着くバス停まで走っている最中のことだ。

 そう、私には工事中と書かれた柵が見えなかった。

 おかげで色々と見事にマンホールにホールインワン! ……言ってて恥ずかしくなるこの内容、くすん…………。


 だが、一番のイレギュラーはマンホールの下にある世界はネズミが蠢く地下水道などではなく、『空』にでてしまったことだ。

 上を見上げても、マンホールなんてない、青く、そして夜明けの日射しが横から見える。そう、一つの『世界』だ。

 私は今度こそいってやろうと思う。


「なぁぁんでぇぇわぁぁたぁぁしぃぃばぁぁかぁぁりぃぃこぉぉなぁぁのぉぉ!! 不幸すぎるぅぅぅぅ!!」


 パクリじゃない。うん、あたしは、悪くない、悪いのは、決めつける人よ、そうに決まっている、うん。

 頬に当たる風がどんどん痛くなるのを感じながら、先週辞書で不幸というものを調べたことを思い出した。なんでも、不幸というのは運がないことをさし、不運というのは運が悪いことを言うらしい……まあ私の自己完結は、どっちでもいいでしょ? である。どっちの意味でも結果は変わらないし、なによりあたしが不幸体質気味なのは治る見込みなしなのだから。


 ってそんないままでのあらすじを語るなんて暇あたしには無いわ!


 どうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよ!!

 詳しく言うなら最初に言った落下中。高度なんてわかるわけがない、だって本当に高すぎて地面に着くのが三十分以上必要な気がするもの。


 ………………高いね。


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