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最強の賢者と言う称号を得る為、俺は今日も童貞を守り続ける  作者: 病床の翁


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第四話 初報酬を得る

 冒険者ギルドへと到着した俺は教えられた通り、受領カウンターへと並んだ。時刻は夕方を越えて夜に近い為か、同じように依頼達成報告をしにギルドへとやって来た冒険者が列を成している。

 暫し待つとやっと俺の番になった為、カウンターの中の受付嬢へと声をかける。

 受付嬢は牛系の獣人族らしく頭の上に角と牛の耳が乗っていた。依頼窓口の受付嬢よりもさらに主張が激しい胸元をしており、目のやり場に困る。

「依頼達成の報告に来たんだけど。」

「はいはぁーい。ではまずは冒険者プレート見せていただけますかぁ?」

「冒険者プレート?」

「冒険者証明のドッグタグの事ですよぉ。」

「あぁ。これか。」

 俺は首から提げていたドッグタグを外して渡す。

「はいはぁーい。ヴァイス・シュナイダーさんですねぇ。あぁ。サリファが言っていた新人さんですねぇ。」

「サリファ?誰だ?」

「依頼窓口の受付嬢、サリファ・カンザスですよぉ。貴方の冒険者登録を担当した。あれ?あの娘自己紹介してなかったんですかぁ?」

「あぁ。名前は聞いてない。」

「そうでしたかぁ。ちなみに私はマリア・グランダルですぅ。気軽にマリアさんって呼んで下さい。いやぁ、ヴァイスさん、結構ギルド内では有名人ですよぉ。期待の新人さんだって。」

「まだなんの実績もないんだけどな。」

「ふふふっ。ギルマスに条件突きつける新人さんなんて初めてですからねぇ。えっと依頼はFランクのビックマウス討伐と。依頼人の家で対応されたんですよねぇ?依頼人に達成確認はされましたかぁ?」

「あぁ。地下室にビックマウスが出ていたと言うので終わってから残りが居ないことを確認して貰った。」

「はいはぁーい。依頼人確認済みっとぉ。では依頼完了証明書と一応討伐証明部位の提出をお願いしますぅ。」

「あぁ、それなんだが、討伐証明部位が、どこだったか忘れてしまってな。丸々持ってきたんどけど、ここで出していいか?」

「へ?丸々持ってきた?どこに?」

「あぁ。ストレージに仕舞ってある。出すぞ。ストレージ。」

 俺は受付カウンターの上にまずは1体のビックマウスの死骸を取り出す。

「ひぇ!ちょっ!止めて下さい!仕舞って下さい!」

「あ?ストレージ。」

 取り敢えず出した死骸を仕舞った。

「丸々ってそう言うことですかぁ。なるほど、では倉庫の方で出して下さい。裏口に回って貰えばすぐ倉庫ですからぁ。そこで討伐証明部位だけにしてきて下さい。ビックマウスの討伐証明部位は尻尾ですよぉ。」

「あぁ。わかった。裏口に回ればいいんだな?」

「はぁーい。行ってらっしゃい。」

 手を振られたので俺は受付カウンターの横を抜けて裏口に移動した。


 裏口の扉を開けるとだだっ広い倉庫になっていた。

 買い取った素材や素材の剥ぎ取りを請け負っているらしく、あちこちにモンスターの死骸やら素材の山が出来上がっている。

 しばらく眺めていると虎系獣魔人に声をかけられた。

「どうした少年?」

「あ、ビックマウスの死骸を丸々持ってきてしまってな。証明部位だけにするのに倉庫を使えって受付で言われて。」

「そうか。新人か。オレは倉庫番兼素材回収係のラッセル・マーティンだ。少年は?」

 手を差し出されたので握り返す。

「あ、あぁ。俺はヴァイス・シュナイダー。今日冒険者登録した。」

「ヴァイス、ヴァイス。あぁ。ギルマスと約束したって奴か。早速Gランクの依頼を達成てきたってわけか。」

「あぁ。ビックマウスを狩ってきた。」

「そうかそうか。で、そのビックマウスの丸々の死骸はどこにあるんだ?」

「あぁ。ストレージに入れてある。」

「ほう。その歳で亜空間収納魔法が使えるのか。いいぞ。この辺に出しちまって。」

 適当な場所を指差されたので、その辺りに移動してストレージからビックマウスの死骸を全て取り出す。

「ストレージ。」

「おぉ!本当に亜空間収納魔法だな。2、4、6、16体か。よく1人で倒せたな。ビックマウスの討伐証明部位は尻尾だ。根元から切っちまえ。」

「あぉ。わかった。」

「で、知ってるかもしれんがビックマウスについては皮も肉も雑菌だらけで売り物にはならん。魔石も小さすぎて買い取りはない。だから残りはこっちで焼却処分するがいいよな?」

「あ、焼いてくれるのか。助かる。頼む。」

 ラッセルは親指輪を立てて言う。

「おう。任せとけ。」

「素材回収係って事は売れるモンスターの死骸なら丸々持ってきて解体してくれるって事か?」

「あぁ。解体料はかかるけどな。買い取れる素材なら皮でも肉でも爪でも牙でもなんでも回収するのがオレの仕事だ。」

「そうか。なら俺がランクアップしたら頼らせて貰うかもしれない。その時はよろしく頼む。」

 ラッセルはピースして返す。

「おう。そん時は任せとけ。」

 そんな会話をしつつビックマウスから尻尾を切り取っていき、残った死骸はラッセルに任せる事にした。

「じゃあ、また。」

「おう。頑張れよ少年。」

 手を振られたので軽く振り返すと俺は受付カウンターへと戻っていった。


 戻った時にはすでに報告者の列も少なくなっており、すぐに報告用窓口に辿りついた。

「あ、ヴァイスさん。討伐証明部位の取得出来ましたかぁ?」

「あぁ。おかげで尻尾だけ切り取って来れた。これが達成証明書と討伐証明部位だ。」

 俺は依頼主から受け取った書類とビックマウスの尻尾16体分をカウンターに置く。

「ほぇ。16体ですかぁ。初めての依頼で結構な数を相手にしましたねぇ。はぁーい。達成証明書も完璧ですぅ。じゃあこれが報酬の銀貨2枚ですぅ。20体超えだったら追加報酬があったんですが、残念でしたねぇ。」

「追加報酬とかあるのか?」

 俺は牛系獣人のマリアに問い掛ける。

「えぇ。あまりに数が多かったりした際にはギルドから追加報酬という形で支払いがあります。だいたい1.2倍の報酬になりますかねぇ。」

「そうか。わかった。次は20体超えを狙おう。」

「狙えるもんでもないですけどねぇ。はぁーい。では受付しましたぁ。早速1件達成おめでとうございますぅ。あと9件ですねぇ。」

「あぁ。明日からまた依頼を受けるよ。」

「ふふふっ。Fランクになったらお姉さんが色々と教えてあげますよぉ。」

「親切だな。」

「ふふふっ。期待の新人さんですからねぇ。今のうちにツバ付けておきたいんですよぉ。」

「ツバ。そ、そうか。まぁこれからもよろしく頼むよ。」

「はいはぁーい。よろしくお願いしますぅ。」

 手を振られたので軽く振り返すと俺は踵を返してカウンターから離れた。


 神聖法魔教会付属高等学校は全寮制で、卒業後も2週間は寮生活を続けられる。これは実家に帰る者や教会に就職する者以外、つまり冒険者になろうと言う者からしたら宿屋の宿泊料金の節約になるから随分とありがたいことではある。

 しかしながら宿屋を探すタイミングに出遅れる事で格安の宿屋は埋まってしまい、結果高めの宿屋しかとることが出来ずに生活が逼迫する。

 その事に気付いている俺は卒業後、すぐに格安宿屋を見つけてチェックインを済ませていた。

 1泊4800リラと言う価格で普通の宿屋なら倍近くすることから格安加減がわかるというものだ。

 今日の収入銀貨2枚は2万リラの為、これだけで4泊出来る。ちなみに貨幣は鉄貨が1リラ、大鉄貨が10リラ、銅貨が100リラ、大銅貨が1000リラ、銀貨が1万リラ、大銀貨が10万リラ、金貨が100万リラ、大金貨が1000万リラ、白金貨が1億リラ、大白金貨が10億リラだ。一般人では金貨を見る機会もほぼないため、普通に流通しているのは大銀貨までくらいだろう。

 取り敢えず宿屋に戻った俺は1食700リラの定食、黒パンと肉の入ったコンソメスープと野菜サラダを注文。宿屋の1階は食堂になっている為、必要時には金さえ払えば食事が出来る。

 明日からもGランクの依頼を受けるとして、1日2、3件はこなしたい。となれば朝から冒険者ギルドに向かうべきだろう。

 食事を終えた俺は自分の借りている部屋へと移動する。

 シングルサイズのベッドと簡易的なテーブルセットが置かれたシンプルな部屋だ。

 だがまだこれでいい。まずは装備品の更新が先決だろう。見た感じGランクの依頼は報酬が1万リラから3万リラ程度。Fランクになれば5万リラ程度の依頼もあった為、いち早くランクアップする必要がある。

 まずはミスリルのロングソードが欲しいな。40~50万リラくらいで買えたはずだ。金を貯めるのが第一目標だな。

 さて、明日も早起きだ。さっさと寝よう。


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