相川は言った
幼馴染の相川は我儘だ。俺の持ってる物は直ぐに欲しいと言うし、俺が誰かと話していると私も混ぜろと乱入してくる。休み時間になれば俺の膝の上に陣取り、お菓子をねだる。小遣いが無いと言ったら、代わりに頭を撫でろと来たものだ。その事を妹に話せば「うざっ、死ね」と言われてしまった。
「うざっ、死ねばいいのに」
クラスメイトに愚痴った結果、この返事が返って来た。どうやら俺に味方は居ない様だ。やれやれ系男子は今更流行らないらしいので、ため息をつくことすら許されない。
学校からの帰り道、公園のベンチに腰かけ、空を見上げて黄昏れる。相川が俺の太腿をぱっぱと払うと上に座った。向かい合わせに座って来たので、落ちないように腰を支えてやる。抱っこの体勢になった。
俺はオレンジ色に染まる空を見上げながら、変な形の雲でも流れてこないかなと考えていた。
「私、迷惑かな」
相川が言った。視線を落とすと相川は更に下を向いている。ズビズビという鼻音が聞こえるので泣いているのかもしれない。俺は相川の頭を撫でながら言う。
「迷惑だったら、とっくに突き落としてるよ」
相川の手が俺の服を強く握るのが分かる。若干引っ張られているので首が痛い。ああ、上着のポケットに隠してた飴が見つかってしまった。はいはい、食べていいからあんまりこっち見ないで下さい。
潤んだ瞳と夕日に照らされた顔があまりにも綺麗だから。




