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第3話 満員電車はもっと油断できない
満員電車は敵だらけだ。満員電車では色んな人達と密着してしまう。妹はわざと中年のサラリーマン達の背後や正面にまわろうしていた。私はそれを防ぎたかったが、最悪なことに距離が離れてしまった。
このままでは妹が痴漢プレイされてしまう。そんなのさせてたまるか。
なので、小声で呪詛を唱えた。すると、妹を卑しい顔をして見ていた中年男性の顔がみるみるうちに青ざめていった。急に頬を膨らませたかと思うと、ドアが開いた瞬間、人混みを押し退けるように出て行ってしまった。
(よしよし、うまくいった)
私はマヤの膨れっ面を見ながら奴らの監視を続けた。