第1話 うちの妹はメスガキ
うちの妹マヤはメスガキだ。毎朝、決まって言うことは「おねぇちゃん、おはよ〜! 少しはおっぱい大っきくなった?」と中学生になったばかりのくせに発育の良い身体を見せつけるのが日課となっていた。なぜ二歳違うだけなのにこんなにも差が出るのだろう。
私は「ふん」と冷たい態度を取ってパンを食べていた。本当はそのおまんじゅうみたいにプルプルした可愛い頬にキスをして挨拶を交わしたいが、その気持ちを知られたらマヤに何を言われるのか分からないので、グッと堪えていた。
「んもう、そんな顔をしていると、いつまで経っても彼氏できないよ〜!」
マヤは厭味ったらしく言った後、椅子に座った。妹は食パンに練乳をたっぷりかけて食べるのが最近のマイブームで、こぼれ落ちたのを指先ですくいとって舐めている。
「マヤ、ちゃんと食べなさい」
私はお姉ちゃんらしくビシッと指導した。すると、妹は「クラスの男子が読んでいた本はこういうことしてたけど」とニヤッと見てきた。私は危うくお茶をこぼしかけたが、どうにか寸前で止めると、あえて何も言わずに食事を続けた。
本当は練乳でベタベタの指や口周りを舐めた――いや、朝から止めとこう。