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第75話

 今日はひなが急ぎの用があるとかで一緒には帰れなかった。そのため私はこうして一人寂しく帰っている。


「田代さ〜ん!」


 ふと後ろから騒がしい足音とともにクラスメイトの女の子が走ってきた。


「田代さんって今一人?よ、よければ私と一緒に帰らない?」

「…うん、いいよ」


 正直クラスの女子なんて信用してないし、一緒に帰りたいなんて思わないが同じ駅に向かっている以上断るとあとが気まずい。


「田代さんっていつも浜崎さんと一緒だよね〜。二人とも美少女だから絵になるっていうか!」


 この人…鈴木さんは何か目的があるのだろうか。やたらと褒めてくるので居心地が悪い。


「それでそれで、二人って彼氏とかいるの?」

「いない」

「わぉ…即答…」


 彼氏という二文字で反吐が出そうになる。私にはひなだけだし、ひなにとっても私だけだ。


「え〜…じゃじゃ!気になる男子とかは?」

「いない」


 気になる男子なんていないに決まってる。そもそもクラスの男子はほとんど名前を覚えていない。


「ふ〜ん…あ!そういえばこないだの雑誌見たよ〜!アイラさんとのショットなんて最高の一言に尽きるよ!」


 こないだ……あぁ、あのコラボ撮影のことか。


 しかもよりにもよってアイラさんとのショットを褒められるなんて…あんなに苦虫を噛み潰したような顔してるのに?


「そうそう!西口さんも出てたよね?」

「ん、わかるの?」


 こういってはなんだが、あの時の紫苑は普段とはまったく違う姿をしていた。


 ウィッグを被ってカラコンを入れて、いつもはしてない化粧もして。撮られた写真は紫苑らしさ0だったはず。


「うん!私、観察力はあるからね」


 鈴木さんはそう言ってニッと笑った。


「ねぇ田代さんさえ良ければ駅前のクレープでも食べに行かない?奢るよ〜」


 鈴木さんはおちゃらけたように笑っている。


 その表情には特に嫉妬などの感情はない。おそらく私のことは嫌っていないのだろう。


 いつものすり寄ってくる馬鹿女どもとは少し違うようだ。


「……いいよ」


 熟考の末、私は承諾してみることにした。


 少し利用されるぐらいならなんてことない。それに私自身も鈴木さんのこと、利用できそうだと思ったから。

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