第5話
ついに今日はお泊まりの日。ひなの着替えを私の家に置くとその足で電車に乗り、ショッピングモールへ向かう。
ひなは袖口や肩にフリルのついた白のワンピースを着ており、薄くではあるが化粧をしていた。
髪はいつも通りのおさげ髪だが、今日はゆるく三つ編みにしており、清楚さに拍車をかけている。
ひなのそんな姿に思わず、家に連れ込んでそのまま何処にも行かないように閉じ込めてしまいたいと思ってしまったものだ。
電車を降りるとまずはお昼を食べに行く。事前に調べておいたオムライスの美味しいお店へ向かう。
ひなはオムライスが大好きなのでふわとろなオムライスに大喜びだった。あまりのおいしさに顔がふにゃふにゃになっており、私も食べたいと思ってしまう。もちろんひなを。
食事が終わると目的地であるショッピングモールへ向かう。ショッピングモールといえばやはり映画鑑賞かと思うがつい先月ひなと見たばかりで見たい映画がない。
そのため今日は猫カフェへ行くことにした。
「わ!みてみてあやちゃん!この子たち、毛繕いしてるよ!仲良いんだねぇ」
ひなは動物全般大好きで猫の動きに目が釘付けだ。かわいい。
しばらく猫たちを眺めていると私の足元に1匹の三毛猫が擦り寄ってきた。
「ふふっ、あやちゃんったら猫ちゃんにもモテモテなのね」
「なにそれー、単に人懐っこいだけでしょ」
そう言って三毛猫の額を指で撫でた。すると三毛猫はグルグルと喉を鳴らし、今度はお尻を足元に押し当ててくる。
「…こう言う時って尻尾の付け根、トントンしたら良いんだっけ?」
あまり動物と触れ合う機会がない私はどうすれば良いのかわからずにいた。
ここは素直にやたら暖かい目で見てくるひなに聞いてみる。
「うん!そうだよ〜」パシャパシャ
「ちょっ!なに撮ってんの?!」
ひなはあろうことか私と猫の写真を撮っているようだった。消してくれとは言ったがあの様子だと消していないのだろう。ほんと…あとでお仕置きしてやるんだから。