第45話
今日は8月21日。ひなの誕生日だ。
ひなの家に私、みづき、杏で集まり、ひなを祝福する。毎年このメンツではあるが紫苑も誘ってみようかと思っていたのだが遠慮されてしまった。
「ひなちたんおめ〜!」
「ひなちゃん、おめでとう」
「ひな、おめでとう」
みんなでお祝いのクラッカーを鳴らす。ひなはしきりに『ありがとう』と繰り返しており、かなり喜んでいる様子だ。
一通りお祝いしたところでひなにプレゼントを渡す時間だ。各々がちゃんと包装したプレゼントを用意している。ちなみに前回買った指輪は今度のデートに撮っておくつもりだ。
もとより2人きりになった時に渡すつもりだったので、みんなと一緒の時に渡すプレゼントを別で用意していた。なので問題はない。
ちなみに私達の間ではもらったらすぐ開けるというルールがある。なので指輪をこの場では渡さないようにしようと思っていたのだ。
「じゃ、私からね〜!はい!おめでと〜!」
「ありがとう!」
みづきが渡したのは小さな紙袋。中にはいくつかのキャンディと小さな箱。箱の中身は化粧水だ。そこそこ有名なブランドのもので素直にセンスがいいなと感心する。
「へへ〜ん!ひなち最近美容と興味あるんでしょ?それおすすめだから!」
「ありがとう!早速今晩から試してみるね」
みづきは化粧品とかに詳しいのでみづきらしいプレゼントだと思う。
「はい、おめでとう」
「ありがとう、杏ちゃん」
杏は綺麗に包装された箱を差し出した。ひなは丁寧に包装をはがし、箱の中身を取り出す。
「あ!これ、バスボム?」
「そう!ひなちゃん、お風呂好きって言ってたでしょ?」
いくらかの種類のバスボムだそうだ。ひなはお風呂が好きでいくらかのバスボムをストックしてある程だ。ひなにとってバスボムはかなり嬉しいものだろう。
「ん、じゃあ私だね」
私はトートバッグに入れていた紙袋をそっと取り出し、ひなに差し出した。




