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第41話

 花火の時間がだいぶ近づいてしまったが、2人はまだ戻ってこない。連絡が来ているかとスマホを見るが、あまりに人が多いので繋がらない。


「2人ともどっかで迷いましたかね〜?」

「ん〜…みづきはわりと方向音痴だけど、ひななら大丈夫だと思うんだけどなぁ…」


 迷っているのかと思いつつ、人並みを眺めているとふとドンッと大きな音があたりに響いた。次の瞬間暗い空が明るく輝いたことから花火が打ち上がり始めたのだと気がついた。


「あちゃ〜…間に合いませんでしたね」


 人が一気に花火の方向に引き寄せられていったのであたりは少しすきはしたが依然2人は見つからない。唐揚げは人気な屋台だから結構混んでいるのかもしれない。


 しかたないので杏と2人で花火を眺める。案外、花火を眺めるだけでもぼーっとできるものだ。

 花火も段々とラストスパートへと駆けていく。


「やっぱりひなちゃんと一緒のほうが良かったですよね…あたしがみづきさんに付き添っていれば…」


 ふと花火が静まりだしたあたりで杏がぼそぼそとなにか言っているのが聞こえてきた。どうやら一人反省会をしているようだった。


「杏、私は別に今回の祭りでひなと特別になろうだなんて最初から思ってなかったよ。たしかにひなと2人きりで過ごす時間も欲しかったけれど、最終的にひなが私のものになればいいんだから、杏が特に気にすることはないよ」

「あ、あやさん…!」

「これは私が好きだからやったことなんだよ。なら杏は私の好きに無理に沿う必要はないからね」


 杏には今まで幾度となく協力してもらっていた。だから杏のせいでなにが起ころうとも恨みっこない。それは杏を巻き込んでしまった結果だからだろう。


「あ、あやさん!ならばあたしだって好きでやってることです!だからそんなこと言わないでください!」

「…うん、じゃあ…ありがとう」

「こ、こちらこそです!」


 私達は話に夢中になっていたようで、花火は既に終了しており、あたりは人混みとしての騒がしさを取り戻していた。


 ふと目線を人混みの方へ移すとひなとみづきが立っていた。なにか2人とも驚いたような顔をしており、立ち尽くしていた。


「?どうしたの?」

「どうしたって…そりゃお前…」


 みづきが何かを話し出そうとした瞬間、ひなはなにも言わずに走り去ってしまった。

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