第13話
地獄の採寸を終え、解放された時にはもうお昼の時間を過ぎていた。遅めの昼食を食べながら今後の活動について話し合う。
「田代ちゃんは露出どこまでいける?」
「どこまでって…うーん、ヘソ出しくらいなら大丈夫ですよ。でも水着とかは嫌ですね」
正直言ってヘソ出しも嫌だが、お金を貰う以上妥協する。しかしそれ以上はひなにしか見せたくないのでキッパリと断りを入れておく。
「おっけー!じゃあこのあとなんだけどこちらで用意した服を着てもらって数枚撮ってもいいかな?」
「わかりました」
昼食後、通された更衣室で用意されていた服に着替える。
「…着替えましたよ」
着替え終え、2人の待つ撮影スタジオへと赴く。2人は私の姿を見るとほぅっと感嘆の声を漏らす。
かくいう私も自分の姿に驚いている。
色は全体的に白黒でセパレーションとして明るい赤いベルト、アクセントに赤いイヤリングを身につけている。
普段は着ないような黒のショートパンツにベルトだらけのロングブーツ、黒に白のラインが入ったシャツ。
ファッションに疎い私でも分かるくらいにかっこよく、おしゃれな姿だ。
「うわー!めっちゃ似合ってるよ!」
「え!すごいです!田代さんすごい大人っぽくてかっこいいです!」
興奮した様子の2人に撮影スタジオの端に追いやられなされるがままに椅子に座らせられる。
そのまま紫苑に化粧をされる。
普段、化粧っ気がない紫苑だが化粧の腕前は凄まじく、みるみるうちに出来上がっていく。
十数分後にはもう完成していた。
鏡を改めて見ると、韓国風メイクを施され、普段の数倍大人っぽくなった私がいた。
本当に自分なのか正直、信じられなかった。
「めっちゃいいじゃん!いいねいいね!早速撮ろうか!そこの真ん中に立って」
言われるがままに立ち、指定されたポーズをとっていく。撮影自体は数分で終わり、撮れた写真を3人で確認する。
「うん!よく撮れてる!表情もいい感じ!今日は3人で撮ったけど今後はもう何人かのスタッフとやってくからね〜」
純恋さんの言葉を聞き流しながら私は1枚の写真を見続ける。
「この写真、くれませんか?」