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第123話

 しばらく二人で無言で座っていると30分も経ってしまった。


 我に返ったひなにより、おやつの時間に入る。なんとひなはクッキーを用意してくれていたのだ。お礼に紅茶を淹れて一緒に優雅なおやつの時間を過ごした。


 ここで、私は1つ悩んでいることがある。


 私とひな、実は付き合ってもうかれこれ四ヶ月ほどになる。


 キスは何度もしているし、ハグや膝枕といったスキンシップは日常的に取っている。


 ちょっと調べてみたりもしたんだが、いわゆる…えっち、というやつは付き合って一ヶ月以内ですることが多いらしい。三ヶ月以内というのがほとんどだとか。


 つまりは私とひなは比較的スローペース、ということになる。


 もちろん、他のカップルは他のカップルだし、私達は私達なりの進み方をすればいいとは思っている。


 だが、最近のひなは自分からくっついてきてくれるようになり、私のほうがドキドキさせられることが増えた気がする。


 体を寄せてくれているということはそういうことも許してくれている、ということなのだろうか。


 私は隣りに座って紅茶をすするひなを見やる。いつも通り可愛らしいひなだ。


 でも、なんだろう…その………む、胸に目が行ってしまう。


「?…どうしたの?あやちゃん」


 私の視線に気がついたひながこちらの顔を覗いてくる。


 ここは言うべきなのだろうか?と思いつつも、そんな煩悩は消し去るべきと自分に言い聞かせて『なんでもない』と返事する。


 ………ただ、少しからかうぐらいなら良いんじゃないか?


 私は隣にピッタリと座っているひなの手を握る。もちろん恋人繋ぎで。


 そのまますりすりと指を絡めながら、ひなの指を私の指で形を確かめるようになぞっていく。


「ふふっ…どうしたの?くすぐったい」


 ひなはくすくすと笑いながら私の行動を止めるわけでもなく眺めている。


 私はひなと繋いだ手を自分の膝のほうへと引き寄せる。


 すると必然的にひなの二の腕も私の方へと引き寄せられ、私の平均的サイズの胸にあたった。


「!!あ、あやちゃん?」


 今日はノンワイヤーブラを着用している。きっとひなの二の腕には柔らかい感覚が伝わっているはず。


 ひな自身も言い出しづらいのか、もじもじとするだけで、指摘はしない。


 私の狙いは当たった。ひなのそういうほうの意識を引き出すことに成功した。


「………」

「………」


 ただ、1つ問題があるとするなら…この行動、想像以上に恥ずかしいかもしれない……。

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