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第116話

 ゲームが終わる頃にはもうすでにお昼の時間。


 今日は事前にピザの出前でも取ろうと話していたので、代表者としてそういうのに慣れてそうなみづきに注文してもらった。


 出前を待つ間に有名な対戦ゲームをする。


 私もひなもよくわからないが、杏の指さばきはすごかったし、みづきも意外とうまかった。弟がいるんだっけ。


 出前が来たらゲームを中断して食卓につく。


 皆お腹が空いているようで多く感じていたピザもあっという間になくなった。


「はぁ〜食べすぎた!ひなちのケーキはもう少し後だね!」


 みづきは少し大きくなった自身のお腹を擦りながらそういった。


 流石のみづきもひなの手作りケーキの存在は忘れていなかったようで、ピザが入っていた箱を潰しながら気づかれない程度にみづきを睨む。


 しかし、ピザはかなりお腹にたまる。


 皆先程までゲームに熱中していたにも関わらず、誰もダイニングテーブルから動かない。


 箱を片付け、シンクの中にある汚れた取り皿を見て見ぬふりして席に座る。


「さぁ〜お食事も終わったところで…」


 みづきはソファのほうに置いてあった紙袋を掲げて元気よく『プレゼント交換会だ!』と叫んだ。


 プレゼント交換会とは言葉のままだが、各々が各々にプレゼントを用意しているのではなく、各自一つだけプレゼントを選んでランダムに交換するというのが私達流だ。


「今年は極上品を持ってきたからな!くふふ…誰の手に渡るかなぁ…」


 怪しいことを言っているみづきを無視しながら私も用意していたプレゼントを自室から持ってくる。


 みづきはぐしゃぐしゃな袋を、杏は綺麗に包装された箱状の何か、そしてひなは小さめの紙袋を手に持っている。


 私自身が用意したのも箱状だが、杏と違って平べったい。


 四者四様なプレゼントを持ち、再びダイニングテーブルに座る。


「じゃあ今年も決め方はくじで!」


 そう言ってみづきはスマホのメモ帳を開いて適当な縦線を四本引いて上に各々の名前を書いた。


 決め方はあみだくじ。四人で縦線の間に適当な線を引いてよりランダムさを増していく。


 上がプレゼントを用意する人。下がそのプレゼントを受け取る人。


 いざ下に名前を書くとなった時、私は自前の知能を活かし、素早くひなのプレゼントをもらうことができるルートを計算し、右から二番目のところに名前を書いた。


 これでひなのプレゼントは私のもの。完璧だ。


「よぉ〜しみんな名前書いたね!それじゃ最後に二本千を追加して…っと」

「…………」


 今日ほどみづきのことを恨んだ日はないだろう。

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