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第115話

 終業式から2日。今日はクリスマスイブだ。


 待ち合わせは私の家。うちの両親は今日からいない。なので使いたい放題。


 綺麗好きな父のお陰で家中綺麗だし、モダンな雰囲気で父らしいこだわりを感じる一軒家。


 チャイムが鳴って玄関の扉を開けるとそこにはサンタの格好をしたみづきがいた。しかもミニスカサンタ。


「メリクリィ〜ブ!」

「…寒そ。さっさと入ったら?」


 変な挨拶をするみづきを適当に受け流しながらみづきたちを家の中へと招く。


「今日は手作りのケーキ作ってきたんだ!あとで食べよっか」


 ひなは手に持っていた箱を掲げてそういった。


 ひなからケーキを受け取ると大切にしながら冷蔵庫にしまう。このまま全部私が食べたい。


「今日はゲームとコントローラー持ってきたんで人生ゲームですよ〜」


 杏はリュックの中からメジャーなゲーム機、スウォッチを取り出し、色違いのコントローラーを皆に配る。


 四人で家の中で遊ぶといえば、ひなの持ってくるアナログゲームか杏が持ってくるデジタルゲームのどちらかだ。


 今日は最近発売されたばかりの人生ゲームをやるようだ。


 我が家にはあまりこういったゲーム機はないので少し特別感がある。


 渡されたコントローラーを拙いながらに操作する横で更に拙い操作をする人がもう一人。ひなだ。


 ひなはスマホを持ち始めたのも高校生からでパソコンも高校で必要になって買ったものが初めてと、デジタル機器に疎い。


 頻繁に決定ボタンとキャンセルボタンを押し間違えているが、運がいいので負けてはいない。むしろ1位を維持している。


「あ、私この人にプロポーズしてみようかな」


 そんなひなのつぶやきが聞こえた。ゲームの話なんだけど、情けないことにこんなことでも嫉妬してしまう。


「……その人フリーターだし、やめとけば?」

「う〜ん…確かに」


 みづきには『妨害だ!』と非難され、杏からは生暖かい目で見られる。


 クリスマスデートを事前に聞かなかった私が悪いのだが、自分が思っている以上に動揺してしまっているようで、今は結構心の余裕が少ないみたいだ。


 自分の幼稚な嫉妬心を抑えながらも、プロポーズの選択肢をキャンセルしたひなの選択に胸をなでおろした。

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