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第10話

 しばらくするとひなは静かになった。でも私は知っている、これが狸寝入りであると。抱きしめるたびに耳がピクリと動いていて、とてもわかりやすい。


「ひな…眠っちゃったの?」

「…………」


 試しに話しかけてみるも答えは返ってこない。大方予想通りだった。


「…ひな、大好きだよ」


 なので私はあえて寝ていることに気づいていないふりをすることにした。思いきって愛を囁くとひなは耳を真っ赤にしていた。


「…んっ…ひな、好き…」


 私の胸に顔をうずめるひなの頭に軽くキスをする。何度か頭や耳にキスをしてみるとひなは更に耳を真っ赤にさせていて、ひな自身は気づいていないようだが私の服をギュッと握っていた。


 ひなにもプライドがあるのか、それとも恥ずかしいからなのかひなは起きようとはしなかった。むしろ嬉しくてもっとしてほしいのかもしれない。


 今日はここまでにしようと思っていたが、予想していたよりも抵抗をしなかったので、次のステップに進む。


「…ひなぁ……かわいいよ…」

「…っ!」


 狸寝入りを続けるひなの耳をぺろりと舐めた。ひなは流石に息が漏れ、驚いているようだった。


 耳を舐め、色づく頬を軽く喰む。しばらくそれを続けると最後に強く抱きしめる。


「好き…大好き…愛してるよ、ひな…」


 果てしない愛を最小限で伝える。ひなの腰からお尻にかけてのラインをそっとなぞり、軽くくびれた腰を優しく抱きしめなおす。


 流石のひなも私の気持ちに気づいてくれたことだろう。明日の朝からは私の顔もまともに見れなくなるだろう。私の予想だと1週間もあればひなも自分の中の気持ちに気づくだろう。


 だけどゴメンね?ひな…もう少しだけ我慢してね♡後少し我慢したら、目一杯かわいがってあげるからね♡

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