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第103話 焦土作戦と対策

 次々と連戦連勝を続けていく辺境伯軍に対して、流石の人類至上派も多少の焦りを見せ始めていた。

 だが、まだ焦る時ではない。進軍速度が速くなればなるほど、距離が伸びていけば伸びるほど人間は疲労していく。

 それは人間である以上避けることができない事である。

 そして、奥深くまで侵攻して疲弊し切ったところをミストルティンで根こそぎ殲滅する。それが彼らのプランなのではあったのだが……。


「ううむ……。予想以外に侵攻速度が速いか……。おまけに我々の息のかかった中立派連中も足止め程度もこなせないとは……。役立たずどもめ!!」


「最後の最後の我々が勝つから問題はない。ないが調子に乗られるのは困る。ここは我々優れた人間ががつんと鼻をへし折ってやらなければなるまい。」


 その彼らの言葉と共に、少数の人類至上派の軍が辺境伯軍を打ち破るために派遣させることになったのである。


「燃やせ!燃やせ!!食料を奪い全てに火をつけろ!!あらゆるものを焦土にするのだ!!住民どもだけは生かしておけ!!あいつらに対しての重しにするのだ!!」


 そして行われたのは、少数の兵士でもできる極めて簡単な行動。

 すなわち、焦土作戦である。村々の家や食料を焼き尽くし、奪いつくし、住民だけ生かして敵軍への盾とする。

 お優しい彼らは困り果てた住民を見捨てることなく足手まといを増やす事になる。

 そこで困り果てているをさらに苦しめて襲い掛かる。

 それこそが彼らの行うべきことだった。だが……。


『うおぉおお!!唸れ我が魔力!!我が魔力と代償に小麦を生み出せ!!』


 エルのその叫びと共に、魔力が籠ったシュオールの杯から大量の小麦がまるであふれ出すほどに出されてくる。

 そして、それは次々と麦粥となって焼きだされた農民たちに振舞われていった。

 焦土作戦を受けた村なら酒保商人の事も関係ない。

 ガンガン何のためらいもなくその力を全開にして食料を作り出していた。

 さらに、補給基地を作る資材を使用し、ワイバーンたちの空輸によって次々と資材が運び込まれ、あっという間に簡易的な補給基地が出来上がる。

 これに焦ったのは、人類至上派の一部隊だった。これでは何のために焦土作戦を行ったのか分からない。焦った彼らは簡易的な補給基地に攻撃を仕掛けていた。

 そして、それを迎撃するのは辺境伯ルーシアの砲兵部隊である。

 彼女は、兵科を歩兵・騎兵・砲兵に3区分して運用した三兵戦術を運用し、砲兵の野戦法も軽めの軽量な3ポンド砲を多量に採用したためお互い連携的な運用ができる。

 砲兵が敵兵士たちを蹴散らした後で、銃を持った騎兵、竜騎兵たちが銃を発射した後で抜刀突撃を行う事によって、敵軍はいともあっけなく殲滅させられることになった。

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