魔法でお悩み解決します
15歳春 中学校を卒業し今日から高校に行く、新たな環境で不安もあるが、幼なじみで大親友の勇仁がいてくれる。こいつのおかげで何度立ち上がることが出来たものか。
不安と期待を胸に新しい門をくぐり、1年間お世話になる教室の扉を開け光に包まれる。
勇仁「おー!ひでお!一緒のクラスだったのかよ!!よろしくな!」
勇仁が俺に声をかけクラス全員から視線を向けられる。それはそうだ、勇仁の格好が厨二病全開の漫画から抜け出てきたような勇者の格好をしていたからだ。
英雄「おっ、おう…、おはよう。お前どうした?その格好?」
勇仁「ん?あぁこれのこと?いやー新しい場所ってことで気引きしめて行かないとなって思ってさ」
英雄「気の引き締め方間違ってるからな!!」
そして周りからの刺さるような視線入学して早々高校生活終了の鐘の音が鳴った
勇仁をそのままの格好にさせておくわけにも行かず制服に着替えさせたが…、そもそも制服持ってきてるのであれば最初からそれを着てこいよ!!
先生「今日から1年間このクラスを担任する桜真だよろしく。じゃあ早速だけど出席番号1番から自己紹介してもらおうかな」
生徒A「はい!どこそこ中学校から来ました。愛野 藻武英です。趣味はパチンコで…」
自己紹介が進んでいく中ひとつ疑問が浮かんだ、
英雄「なぁ勇仁、その頭についてる輪っか取ってくることできなかったのか?」
勇仁「それがさぁ〜、どう頑張っても外れる気がしないんだよね、、一応レントゲン撮って貰ったんだけど骨にめり込んでるらしくてさ…」
英雄「お前それ痛くないの?」
勇仁「痛くないよww、なんなら気持ちいいぐらい」
それはそれで気持ち悪いが外れないのであればしたがない、俺はやってみたいことがありスマホでお経お調べる。
英雄「南無妙法蓮華経………」
勇仁「いっででででぇぇぇぇぇぇえぇ!!!!!!!!」
なんとなくそれっぽいと思い実行に移したが思いのほか上手くいった。なんならお経っぽければなんでもいいらしい…
桜真先生「そこ!うるさいぞ!今日は見逃してやるから次は無いからな」
勇仁 英雄「「はい」」
勇仁は何か不服そうであったが、こっちは勇仁の弱点をみつけ満足である。
順番が巡ってついに勇仁の番になる。
勇仁「へんな中学校から来ました。継野日 勇仁です!趣味は鍛錬で、ここに来るまで色んな修行をしてきました!よろしくお願いします!!」
確かになかなか治らない病にかかりやばい輪っかをつけてるし、なんかムキムキだし…。修行してきたには間違いないけど…
自己紹介が終わり教材を受領し早めに昼食を取る。勇仁は筋肉が着いたことにより先生の荷物を運ぶのを手伝ったり第一印象は最悪だったが、ノリの良くて力がある面白いやつという認識になり初日高校生活終了になることは回避された。
勇仁「今日一緒に帰るよな?」
英雄「当たり前だろ?今まで通り一緒に帰ろうぜ!一時はどうなるかと思ったけど何とかなったな」
勇仁「??? まぁいいけどちょっと話したい事もあるし前に8人で作った秘密基地に行かないか?」
英雄「別にいいけど、どうした?そんなにかしこまって」
何時に無く悩む勇仁、いつも元気で悩み事なんてないやつのここまで悩むってことはとてつもない悩みということになる。
英雄「大丈夫だって!何が起きても受け入れてやっから」
その言葉に少し安心した勇仁、昼で学校が終わり新しく出来た友達モブAと別れを告げる。
秘密基地に入り2人で話をする。
勇仁「英雄、笑わないで聞いて欲しいんだ。」
英雄「どうしたんだよww、まさか!お前!異世界に転移してたとかかww」
勇仁「…….」
英雄「…まじかよ、ちょっと証拠とか見せてくれよ…」
勇仁「火は危ないから水出すからちょっと離れてくれ」
勇仁から少し距離を取り勇仁の人差し指を凝視する。すると突如として空中に水の塊ができて宙に浮いている。
英雄「…まじかよ、」
勇仁「やっぱり引くよな…」
英雄「さっ…、さっ…、」
勇仁「ん?」
英雄「最高じゃねぇーか!!!!!!!」
「なぁ!他にはどんなことできるんだ!?火とか回復魔法とか使えるのか!?」
勇仁は思っていた言葉と違う返答が来て驚いていた。
英雄「テレポートとか使えるのか!?」
勇仁「使えるけど、1度行ったところにしか行けないぞ?」
英雄「めちゃくちゃ最高の能力じゃねぇか!なんならこっちからお願いだ!」
「これからも俺と友達でいてくれないか?おこがましいかもしんないけどさ」
勇仁「いやいやこちらこそだよ!…僕って頭悪いしさ、英雄に助けてもらってばっかりだったしこれからもよろしくな!」
勇仁は厨二病になった訳じゃなくて新学期になって友人が勇者になって帰ってきたんだ!
勇仁(僕は小学校の頃周りの人が怖くて一歩踏み出すことが出来なかったけど君が手を差し伸べてくれたからここまで頑張ることが出来たんだ。君は僕のえいゆうだったんだ、だからこそ今度は僕から恩返ししたい)
こうして、ひでおとゆうじの不思議な青春が始まった。
っとその光景を木の影からこっそり覗いている人物がいた。
そいつは英雄のことを恨むように睨みつけていた。