05 初遭遇
「そういやアイツなんかステータスボックスがどうのっていっていたな。」
歩きながら俺はそう言ってステータスを開いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
七条彩葉 ♀Lv619 | 齢17
Next10 | limitsー
HP 87256929
MP 88922393
魔力 88922393
物攻 692515
物防 599139
魔攻 5912332
魔防 6681297
<スキル>
《話術Lv10+》 《弓術Lv10+》 《体術Lv10》 《剣術Lv10》 《投擲術Lv10》 《状態異常耐性Lv8》 《収納Lv10+》
<称号>
《異世界転生者》
[スキルボックス]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
改めて見ると年齢の下にリミットと書いてあるがその横には横線が引かれていた。これはつまり寿命が無いということだろうか?アイツの部下の趣味で俺が女になった事を考えるとありそうな感じだなと思った。
俺はため息を一つ吐いてスキルボックスをタップした。
少し待ってみたが力がみなぎってくるという様な事は起きなかったためもう一度ステータスを開いてみた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
七条彩葉 ♀Lv619 齢17
Next10 limitsー
HP 87256929
MP 88922393
魔力 88922393
物攻 692515
物防 599139
魔攻 5912332
魔防 6681297
<スキル>
《収納Lv10+》 《全能Lvー》
<称号>
《異世界転生者》 《人神》
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ステータス版にはスキルボックスというボタンやほとんどのスキルが消え、代わりに全能というスキルが記載されていた。しかし、全能とは?なんでも出来るのだろうか?などと考えていると
《全能》・・・膨大な量のスキルの集合体。《全知》系統以外のスキルを無条件で使用する事ができる。《全知》系統のスキルはMPを消費して使用する事ができる。
という文が頭に浮かんできた。MP欄を見るとMPが5消費していた。成る程、これは凄いスキルを習得したみたいだ。しかし、これはこの世界のスキル限定なのだろうか?そうでなければ色んな漫画やゲームに登場するスキルだって使えるのではないか?....試しにやってみるか。
俺は装備していた矢を一本取り出して矢を見た。すると、持っていた矢と同じ矢が現れた。
どうやら、《全能》のスキルは自分がスキルを使って何かしたいと思った時、それができるスキル、又はその行動を補うスキルが発動するようだ。ってことはコレを使えば男に戻ることも可能なわけだ。しかし、俺はそんな事はしない。一度女になってみたかったからな。
俺は称号欄に書いてある気になる称号を鑑定してみた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
《人神》 人族にして人外のステータスを所持し、特定の条件を満たした者に贈られる称号。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
なるほど、ステータスは兎も角、特定の条件ってことは《全能》を取得したことがトリガーになったって事だろう。
「さて、と。それじゃあ行きますか。」
さっきからずっと歩いてきていたが、気分を変えるためにそう口にした。
「お?なんだあれ。」
歩いていると草むらから狼男が現れた。向こうはこちらに気づいていない様子だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ワーウルフ ♂ Lv35 齢29
HP 68622
MP 1293
魔力 1293
物攻 5151
物防 4391
魔攻 1321
魔防 1901
<スキル> 《剛腕》 《鉤爪》
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「視た感じそんなに強そうじゃないな。」
魔物のステータスを視た俺は弓を取り出し、矢を番えた。番えた時にまったく力を入れずに弦を引くことができたのはステータスのお陰だろう。
「そうだ。せっかくだし電撃を浴びせてみるか。」
俺は番えた矢に力を込めて放った。放った矢は超速でワーウルフの頭へ突き刺さり、バチィッ!という音とともに強力な電撃を浴びせた。
そのあとも何度かワーウルフと遭遇し、同じ攻撃を繰り返した。途中で音がうるさいなと思った俺は電撃とともに消音も付与して放っていた。
遭遇した魔物を次々に屠っていると3時間程で高い門が見えてきた。
「止まれ。何か身分を証明できる物は無いか?」
「これを預かっている。」
門番に止められた俺はアイツから貰った手紙を見せた。
「こ、これは!...失礼しました!しばらくお待ちください!」
「わかった。」
しばらく待っていると馬車の音が聞こえてきた。
「お待たせしました。どうぞこちらへ。」
「ご苦労さん。」
俺は馬車に乗った。俺を乗せた馬車は城へと真っ直ぐ向かった。城へと着くまでに周りを見渡してみたが、街にはビルが建ち、ビルの屋上を通るように道路が敷いてあり、上には車が、下には馬車が走っていた。文明がごちゃまぜになっていて、見ていてとても楽しいものであった。