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番いの楽園

番う朝

作者: 破竹

「おはようございまーす。配達っすー」


「おはようー。いつもありがとね。そこに置いといて大丈夫だよ。後で私あたしが運ぶから」


「そっすか。んじゃ…よっこいしょっと…ん?なんすかこれ…なになに『しばらく出前はお休みさせていただきます』ってえええ!出前しなくなるんすかー!?」


「え!?何それ!?あ…もー!また勝手に決めて!ちょっとー!ねー!降りてきてー!ねーってばー!」


「…何だ?朝から。まだ開店には早いぞ?ん、おう。配達ご苦労さん。俺に用なのか?」


「違います!用があるのはあたしです!何これ!?勝手に決めたでしょ!あたし聞いてないし!お客さんも困るでしょ!」


「そっすよー。何か事情があるかもしんないっすけど、急に出前なくなるって言われたら困るっす。うちもちょくちょく頼んでますし」


「そうは言ってもな…まぁ…なんだ。その…危ないし駄目だ」


「なんすか?危ないって」


「あ!何!?あたしが妊娠したから?もー大丈夫だよ。まだ三ヶ月だよ?過保護すぎだよ。お腹大きくなるまでは行けるって」


「いや…しかしだなぁ」


「え…え…妊娠って…え?奥さんが…っすか?」


「あたし以外に誰がいるの?」


「マジっすか…これはビッグニュースっす。配達のついでにみんなに報告しなきゃっす」


「あ?おい…やめろ。そんな広める話でもないだろ」


「いやいや、めでたい事はみんなで祝わなきゃっすよ」


「いや…いいから。落ち着け。な?そんな…は…恥ずかしいだろ…わかるよな?おい…」


「あたしはみんなに『おめでとう』って言って欲しいけどなー」


「決まりっす!任せて下さい。今日中に知らない人なんていなくなりますから!『リザードマンとハーピーの年の差夫婦、熱い夜の末に子宝に恵まれる!』って感じっすね。あ、もう行くっす。じゃ」


「まてまてまてまて!!言い方!言い方考えろお前!!」


「ご心配なくー喋るのと広げるのは得意っすからー。何せオレ、ネズミっすからー」

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