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28話


*****作者からの警告 ここから*****

未成年の飲酒はよくありません。ダメ絶対。

作中の登場人物が10代じゃないかって?

この物語は架空の世界が舞台なので、飲酒は18歳からできる設定です。

…。

ソーメンあげるから許して。

*****作者ゴミクズからの警告ヨマイゴト ここまで*****



「それじゃ…。」

「「カンパーイ。」」

「…乾杯。」


そう言って俺たちは手に持ったビールを軽くぶつけ合う。

ヒラガとカレンの呑気な声と対称にタジマの声はどこか控えめだった。

俺たちは一気にビールをあおるが、タジマは手に持ったビールを神妙な顔で見つめたままだった。


「どうしたんだよ、飲まないのか?」

「いえ、その…頂ます。」


そう訊ねた俺に触発されたのか、タジマは意を決したような顔になり、おっかなびっくりビールに口を付ける。

だが、すぐさまタジマは顏をしかめ飲むのを止めてしまう。


「どうしたの、タジマッち?」

「すみません…その苦くて。」

「なんだ、飲んだことないのかよ。」

「はい…すいません。」

「いや、謝る必要はないだろ。」

「すいません。」

「いや、だから…ああ、もういい気にすんな。」

「でも…。」

「そうだよね。初めて飲むとビールって苦いよね。分かるよ」


ビールが飲めないことに、タジマはなぜだか俺に謝ろうとする。そんなタジマの態度にどうしたものかと対応に困っていたらカレンが助け舟を出してくれた。


「ああ、僕も初めてビールを飲んだ時は、まずくて飲めなかったよ。」

「あったね。私たちが18歳になったとき、皆で飲みに行ったよね。あのときは帰るときヒラガ君が食べたものを、レジで全部返却して…」

「その話は止めろ。マジでトラウマなんだ。タジマ、飲みにくいなら無理して飲むな。こっちのチューハイとか飲みやすいからこっちにしておけ。」

「でも…残ってますし。」

「無理して飲んでも仕方ないだろ。残りは俺が飲むから気にするな。」


そう言って俺はタジマからビールを奪い取り、代わりにチューハイを渡してやる。


「あ、ありがとうございます。」

「おおっと、メノウ君たらもっともらしい理由で、女の子の飲みかけをゲット。彼女的にはマイナス10ポイントだけど、男らしい気遣いはカレンちゃん的にはプラス10万ポイント。」

「なんだよ、その値は。」

「スドウ君とカレンちゃんとのラブラブメーター。ちなみに現在値は…知りたい?」

「いいよ別に、お前の気分次第で激しく上下するパラメーターには興味ない。それより、タジマ。どうだ?ビールよりは飲みやすいと思ったんだが。」


俺に抱きついてくるカレンを適当にやり過ごすと、俺はチューハイをちびちび飲んでいたタジマにそう訊ねた。


「そうですね…甘くて飲みやすいです。まるでジュースみたい。」

「まあ、甘いチューハイだからな。ただ気をつけろよ。酒っての自分が思っているよりも回るもんなんだからな。タジマは酒を飲んだことが分からないみたいだけど、飲みやすいからって飲みすぎるなよ。」


俺がそう言ってタジマにくぎを刺していると、ヒラガの奴は突然笑いだした。カレンの奴も口を押えているが…笑っている?

俺そんな可笑しなこと言ったか?


「何を笑っているんだヒラガ。」

「いや、そうだね、スドウ、初めてお酒を飲んだとき分からないよね。さすが初めて酔っぱらった時に隣のサラリーマンと殴りあった男は言うことが違うね。」

「おい、ヒラガ何を言ってるんだ?俺はそんなことはしていな…。」

「ぷぷぷ、ダメだよ、ヒラガ君。本人は覚えていないんだから。」

「カレン何を言ってるんだ?初めて飲んだ時に、そんなことは…。」

「お前、ふざけんなよ。昭和ライダー以外はゴミ?オーズは面白いだろ。」

「お母さんが買ってくれた変身ベルトをバカにするな。」

「…おい待て。もしかしてマジなのか?実は不思議だったんだよ。初めての飲み会の後メガネのフレームが不自然に曲がっていたのが気になっていたんだよ。俺、マジで殴りあったの?」

「さあね?」

「どうだったかな?」

「とぼけんな!」


俺はヒラガとカレンに襲い掛かる。馬鹿どもはキャーキャー言いながら逃げまどう。


「はあ、そうだったんですね。」

「タジマ…どうしたんだ?」

「別に…バイトでクールキャラを気取った割には、だいぶやんちゃしていたんですね。」

「いや待てタジマ、俺は別にクールキャラを気取ったことなんて…。」

「そういうのはやめてくれません。俺バイトなんですよ。別になれ合いがしたい訳じゃ…。」

「おいタジマ、止めろ!」


まずい、なんかタジマがバイト始めたころにいろいろと尖っていたことの俺のセリフが、待ってマジでやめて


「なになに?カレンちゃんちょっと気になるなー。」

「スドウ、バイト先でそんな痛いこと言ったの?」

「違う。まて。これは前後の流れを切り取ったら痛い感じに聞こえるだけで別に…。」

「監視カメラは俺が見ますよ。だからアナタは好きなことをしていてください、俺だけで十分なんでかかわらないでください。」

「まじ?スドウそんなこと言ったの?やべ、ちょークール。」

「いや、まじで、いろいろあったんだよ。」


バイト中なのになのに遊びの話を始める先輩とかそういうのをいましめるためというか…いろいろあったんだよ。言葉尻を切り取るのは止めてください。


「タジマっちにはぜひ話を聞きたいことが増えてきたねぇ。ほらゲロっちまえよ。」


カレンがタジマの肩を抱きながらそんなふざけたことをのたまう。俺は慌てて彼女たちを引き離そうとはかない抵抗を試みるが、すかさずヒラガが、俺を後ろから羽交い絞めにしてくる。

それを見たタジマとカレンは大笑いをする、俺はヒラガから逃れようとするがヒラガは決して手を放そうとはしなかった。

そんなこんで俺たちの酒盛りは始まったのだった。


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