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おとなこわい

視点が途中で変わります。


(キラキラまぶしい…)


金色に光る魔方陣が少しずつ消えていくと、リンの目には本、本、本、本、脚、本が見えた。


(ほんたくさん……)


本の多さに驚いていると、目の前に脚が2本あるのに気がついた。


『あし?』


ゆっくりと視線をあげると、キラキラと光を反射し柔らかそうな金髪を赤いリボンで束ねて片方に流し、宝石のような紫色の瞳、白いシンプルだが質の良さそうなシャツ、茶色のズボン、黒いブーツ、床につきそうなくらい長い黒いロープを着た10人が見たら10人が振り返る綺麗な顔つきをした青年がいた。


「……え?子供?けど、ケットシーの魔力を感じるし、きみ、ケットシー?」


青年の声に全身がビクッと震え、頭にある猫耳がペタんと伏せ、長い尻尾が自分の脚に巻き付いた。


(だれ!?おおきい…おとな?ここどこ?にゃんにゃんは?そうちゃんは?おとなはたたく?このひともたたく?)


目の前に知らない人、場所にリンはパニックになり全身が震えてきた。今までの大人は暴力をふるう両親しか知らなかったため、どんなに優しく声をかけられても自分を見下ろす青年が怖くてしかたがなかった。


『……にゃんにゃん?…そうちゃん?…』


リンはさっきまで一緒だったケットシーといつも一緒の弟を探すが、何処を見ても本しかなく悲しくなった。胸がドキドキして、息が苦しくなる。リンは青年がいつも自分や弟を傷つける大人にしか見えなかった。









か細い声で何かを探す女の子に青年は首をかしげた。自分はいつも部屋の掃除のために召喚慣れているケットシーを呼んだはずだが、間違えて召喚したのだろうか?しかし、女の子からは慣れたケットシーの魔力も感じるが、全く同じではなく違う魔力も感じる。それに、あの口うるさいケットシーとこの女の子が同じとは認めたくない気もする。召喚の間違えか確認しようとすると、女の子の右手に結んでいるリボンからいつものケットシーの魔力を強く感じた。


「ねえ、そのリボン…」


青年が確かめようと手をのばすと女の子は頭を抱えて座り込んだ。さっき以上に全身で震え、ぎゅっと目を閉じる。


「え?どうしたの?」


女の子が何に怯えているのかわからず青年は周りを見るも本しかなく、暫く考えると


「僕がこわいの?」


青年の呟きに女の子は更に震える。自分に怯える女の子にショックを受けるも、大丈夫だよー、なにもしないよー、食べたりしないよー、と色々声をかけるが女の子はかわらず震えている。


「困ったな、取り敢えず状況を確認したいからそのリボン貸してくれないかな?」


青年が再度手をのばすと、女の子は泣きそうな顔をして


『こ、れ、にゃんにゃんくれた……………だめ!!』


ぽんっと女の子が声と同時に消えると足元には小さな子猫が現れ、青年が驚いている間に半開きの扉から飛び出してしまった。青年が慌てて追いかけるもすでに視界から消え、子猫が何処にいるのか分からなくなってしまった。


「どうしよう……」


途方にくれるも、時間がたったら精獣界に帰るだろうと考えて、女の子を忘れることにした。





次はリンちゃんの冒険です。基本的にはリンちゃん視点の予定です。

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