化野から⑮
気が付くと病院にいて横に美緒ちゃんがいた
「お帰りなさい」と美緒ちゃんは言った さっきまで両親もいたらしい
久しぶりに見た美緒ちゃんは綺麗だった
髪の色を明るくして綺麗に化粧をしていた
私は短大を出てすぐ働いてしまったけれど美緒ちゃんはまだ大学生のはずだ
「おばあちゃんにあったの?」自然に言葉が出た
美緒ちゃんは黙ってうなづいた
「あの人は死んだ?」
まだうなづいたがあいまいな笑みを浮かべて「悲しい」と聞いた
麻子はしっかりと首を振った
「あの人は自分の欲求しか見ていなかった 私のことも前の奥さんのこともだからあんなところに呼
ばれたのね」
「おばあちゃんに似たのは私だけではなかったのね」美緒ちゃんは言った
なんとなく笑った後に少し涙が出た
美緒ちゃんがテッシュを取ってぬぐってくれた
「やっぱり 悲しいわよね」
「違うわ 前の奥さんが可哀想なの」 綺麗に爪をネイルしている姿が浮かんだ
だんだんと帰りが遅くなる夫の為に わたしををみて わたしをみつけて
「それがね」 美緒ちゃんが言葉をきってうつむいた
「あの池に沈んだらしいの 二人とも 事故は車がガードレールを超えて水に落ちたことになってる
のあの人は事故であの池で死んで麻子ちゃんは車から投げ出されて助かった
前の奥さんはあの人殺されて沈められたらしいわ 死体が上がったって警察では言ってる
でも前の奥さんは殺されたって自覚がなかったのね
ずっと待っていたらしいのだから 今とても幸せみたい」
美緒ちゃんは淡々と言った
「そうなの死んだら性格は治るのかしら?」
「わからないけど どこにも行けないことは確かよ」
美緒ちゃんが笑った




