秘密
結婚の報告に向かった二人が迷った道は暗く寂しくそして無限に続く
この道はどこに向かう
赤すぎる口紅を塗り終わった女が振り返って言った
「私が好き?」笑っているのがわかるが顔はよくわからない
そこで目が覚めた
車はまだ同じような道を走っている 暗くさみしい道
「目が覚めた」隣で運転していた彼が言った
「ごめん いつのまにか寝ていた」私は答える
私は今これから結婚する人と車に乗って彼の家に行こうとしている
彼から聞いていたが遠すぎる
一体何時間車に乗っているのだろう 時計を見た出発してから5時間近く立っている
二人ともひどく疲れていた
隆さんは自分のもと上司だった 年が離れているので両親はあまりいい顔はしなかったが
何とか結婚まで取り付けたのは彼が何回も家に来て説得を続けたことに限る
自分自身ですらこんなことになるとは思わなかった
そんなに激しく愛されてるという実感はなかったし今もない
彼は15歳年上で5年前に奥さんを事故で無くしている
それ以外は結婚相手としては文句のつけようがなかった
学歴とか社会的地位とか財産とかそれにルックスも年の割にはよかった
すらりと背が高くジムに通っているせいか余分な贅肉もない
両親は話すうちにどんどん懐柔されて行ってそれから自分の心も少しずつ傾いて
会うときには踊るような気持ちになって行った
いつも紳士的だし穏やかだし感情のぶれを見せなかった
完璧な大人に見えた
そして今彼の実家に行くために二人で車に乗っている




