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黄泉霊録  作者: ツアンサ
黄泉夜家
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黄泉夜家

「んんぅ……」


柔らかな朝の日差しが、霊夜の銀髪をキラキラと反射させ輝く。そんな中、霊夜は朝だから起き上がろうとしたのだが……。


「んんぅ……腕が動かせない。どうして?」


まだ眠いのか、目を擦りながら自身の動かせない腕を確認すべく顔を動かし……。


「……霊夜、愛してる」

「……っっ!!!?///」


絶妙なタイミングで、霊夜の腕を抱き締め眠る輪廻の寝言に急激に顔が熱くなる。


其だけじゃない。右腕も動かせない状況、まさかと、心臓の鼓動が高まっていくのを感じながら顔を向ける。


「霊夜……もっと傍に我の傍にいて」


ギュュウウウッ!!


「凍霊!?胸が当たって……しかも腰に抱き付いてるし!!//」


凍霊は、霊夜の予想以上に凄かった。そりゃあ凄かった。


起き上がれないので横になりつつ凍霊の方を見た霊夜の胸に確かに伝わってくる。あの弾力、そして身体を密着させ霊夜の腰に抱き付く凍霊。


ダイレクトな好意の表現に、霊夜の顔は首筋は、真っ赤に染まり激しく鼓動する心臓。色々な意味で霊夜は限界を迎えつつあった。そんな霊夜に……。


「私と永遠に一緒にいて、霊夜」


最早プロポーズでしかない言葉を霊夜の背から掛けて来た輪廻。そして背に伝わってくる、あの弾力。


「〜〜っっ///」


余りの展開に、霊夜の思考が耐えられず、限界を突破した霊夜は、何も考えられなくなり、サンドイッチにされながら再び蒲団に沈んだ。


「相変わらず、モテモテな霊夜だことね」

「修羅、何なら今日は霊夜を大人な部屋に誘おうか」

私も霊夜と一緒に寝たいわーと羨ましそうに呟く修羅に、畜生の意味深な問いに、賛同の意を示したのは言うまでもないだろう。


「……おはよ、霊矢に修羅に畜生に戦」


そろそろ起こしに向かいましょうか。等と話していた霊矢達の前に、霊夜が起きてきた。起きてきたのだが。


「あれー霊夜。何か顔がうっすらだけど赤いよ〜」

「本当だねー霊夜、寝室で何かあったんだろう。例えば、告白されたとか?」


修羅と畜生は明らかに知ってて初初しい霊夜を、からかう為に言っているのだが、修羅と畜生が知ってる事を当然分からない霊夜には気付ける筈がなかった。


まぁ知ってても、霊夜が反応しない訳ないのだが。


「べべ別に、俺は、その告白なんてされてねぇし!!///」


否定する霊夜だが、あからさまに顔が赤くなっていき動揺する姿を見ては、全く説得力はなく、寧ろ告白されました。と自ら言っている様な物である。


「ははは、そうか。そうか。霊夜は告白されて嬉しかったんだなー」

「真っ赤になって照れちゃう何て、霊夜、可愛い。可愛い。超可愛いー」


そんな霊夜の姿に、面白くなって来たのか。益々、冷やかしからかい始める修羅と畜生。


「だから告白されてねぇし!!ちち超可愛い……っっ!!///」


そんな畜生と修羅の言葉に、益々、顔を赤らめる霊夜な訳で暫く、そんな初初しい霊夜弄りは続いたのだった。


「もう止めてくれー///」



「あれ、霊夜はどうしたの」

「はよー霊夜はどうしたのだ」


霊夜弄りを修羅と畜生そして、何時の間にか弄っていた霊矢に戦が堪能し終えた頃、輪廻と凍霊が起きてきて、霊夜の様子に気付いた。


「俺は男なのに、俺は照れてなんかないってのに……俺は」


隅に座って、拗ねている様子な霊夜に、何となく理由が二人は分かった気がした。


「……初初しくて可愛い霊夜を弄りたくなるのは分かるけど、拗ねるまで弄るのは我とてしてないのにのぅ」

「まぁ、確かに霊夜は、変な餓鬼より超可愛いが、私達より先に拗ねさせるのは、認められんなぁーなぁ畜生、修羅」


そう言って、圧力を加えてくる輪廻と凍霊。その表情は、冷たく笑っており非常に恐ろしいのだが、修羅達の頭の中では別の事に頭が集中していた。


「拗ねるまで我とてしてないのにのぅ。ってさぁ」

「私達より先に拗ねるまで弄るのは認められんなぁ。ってさぁ」


お互い、頭の中で浮かび上がった結論に頷いた。その結論は。


輪廻と凍霊が、まだ霊夜に対して拗ねるまでの弄りをしてなくて、先にされたのが気に入らない!!つまり嫉妬って事だな。


その結論に達してしまえば、冷たい笑みを向けられても全く恐くなくなってしまった。


「そうかーあの時に拗ねた霊夜は、そりゃあ可愛いかったぞー」

「残念だったな〜先に拗ねて、何だっけ?限界が来たのか。途中から、ツンデレになったからな」


嫉妬していた事に気付かれた所為か。自慢気に言ってくる修羅達だが、二人が冥土と根国の選ばれし霊魂だと忘れていた為に、纏う雰囲気が変わった事に気付けなかった。


「……そう、其は其は、楽しかったでしょうね」

「ねぇ霊夜。仕返ししたくないかしら。弄られたままで終わらせる霊夜じゃないでしょう」


霊夜の傍に行き、仕返ししましょうと囁いてる二人の死神に、霊夜の雰囲気も変わっていくのを感じ、今更ながらに雰囲気の変化に気付いた修羅達。


「えっ!?ちょっと」


悪かったよーと代表し(突き出され)謝る生け贄、もとい修羅。


「散々、俺を弄って楽しんでくれたようだな。なぁ修羅」


「……あははは、霊夜君。目が笑ってないよ。ほら、可愛くにっこりしないと」

背筋を大量の汗が零れ落ちていく。ヤバいヤバいよ!!と警鐘が鳴り響くが動けない。霊夜の威圧感に、一歩も動けない為に必死に弁明する修羅だが。


「可愛くにっこりしないとか。じゃあ、可愛くにっこりして殺るよ」


「ぎゃぁあああああ!!」


可愛くにっこりした霊夜の顔は、其は其は可愛くて怖かった。と断末魔を発する修羅を見ながら、残りの面々は思ったそうだ。


「……さて、昨日は情けない姿を見せて悪かったな」

隅にいる、亡骸(死んでない)修羅を余所に、頭を深々と下げる霊夜。


「いや、霊夜は悪くないよ。悪いのは霊夜を裏切りやがった人間共に、冷淡だろ」

「そうだ、霊夜は微塵も悪くない。我が悪くないと言うのだから悪くないのだ。悪いのは、全ての元凶、奴の所為なんじゃからな」


深々と頭を下げる霊夜に対して、悪くないと優しく言ってくれる輪廻と凍霊の姿に、霊夜の心は少し、本当に少しだけだけど救われた気がした。


「ありがとな凍霊、輪廻」

そう言って微笑み返す霊夜の微笑みは素敵だった。

霊夜「……///」


輪廻「霊夜、どうしたの。そんなに照れて」


凍霊「相変わらず可愛いな。霊夜は」


霊夜「……嫌だって言ったのに修羅に服を無理矢理に脱がされて」


修羅「はいー!?」


輪廻「……どういう事かしらね。霊夜の服を無理矢理脱がすなんてね」


凍霊「許せませんわね」


修羅「ちょっっ!!ぎゃあああああ」


霊夜「(嘘だけどな。弄りの仕返しは倍返しだ!!)次回も宜しく頼むぜ」

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