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黄泉霊録  作者: ツアンサ
虚偽の愛を刈り尽くせ!!
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虚無なる愛を刈り尽くせ

「・・・・冥土の邸を確認した・・・・。・・・霊魂は三人のみ」

「・・・突入しやすか・・・陰陽鬼様・・・。」


冥土の邸を遠くから覗くは、陰陽鬼の忠実なる僕にして退魔士である陰陽村正|<おんみょうむらまさ>に陰陽鬼切|<おんみょうおにきり>。


その手には何時襲撃しても良いとばかりに黒光する凶器、拳銃が握りしめられている。


「・・・・そうだな、先ずは使い魔を放ち動揺させ分断させろ・・・。・・・その後は期待しておるぞ、村正、鬼切・・・」


暫しの沈黙の後に発せられた陰陽鬼の声には、先程までとは違い静かな声だが尋常じゃない怒りが含まれているのを村正と鬼切は感じ取っていた・・・。


「・・・・必ずや霊魂を消滅させてみせましょう・・・・。・・・陰陽鬼様の為に・・・」

「・・・我々が仕えし陰陽鬼様の為に必ずや霊魂共を消滅させます・・・。」


・・・其は忠実なる僕として長く陰陽鬼に仕えていたからこそ分かるのであり、故に失敗は絶対に出来ないとヒシヒシ感じていた。

そして、二人は行動を開始する・・・・。・・・全ては、陰陽鬼の為に・・・・。


「・・・・暴れて来るが良い! 陰陽鬼蜘蛛!!」

「・・・・ズタズタにしてやれ!! 陰陽鎌切!!」


二人の手から投げ放たれた護符が禍々しい煙を立ち昇らせ、鬼の顔に強靭な肉体を持つ巨大な鬼蜘蛛と巨大な鎌を構え飛翔する蟷螂が産み出され襲撃しに突撃する。


「・・・!?何か来る!!?」


リビングで、紅茶を飲みながら談笑していた霊夜達だが、霊夜の背に禍々しい悪寒が襲い咄嗟に黄泉霊刀・純白月華を後方に直感を信じ振るう・・・!!。


「ビィィイイイ!!・・・・」


霊夜の直感は正しかった。その手に握られし純白月華の刀身には、体を一刀両断され禍々しい液体を噴き出させ消滅する陰陽鎌切がいた。


「蟷螂・・・!?いや、サイズが大き過ぎる!!」

「霊夜様、もう一匹何か来る!!」


消滅していく陰陽鎌切を見て驚愕の声を上げる輪廻と、陰陽鬼蜘蛛の気を感じ取った凍霊が表情を険しくさせ、根国虚無拳を構え臨戦体勢を整える。


「グォォオオオオ!!」

「ギシャァアアアア!!」

正に地獄の鬼の様な咆哮を発しながら鬼蜘蛛と鎌切が冥土の邸に遂に侵入した。

「気持ち悪い蜘蛛に用はないですのよ! 輪廻選択 獄火炎弾!!」


ズドォオオオ!!


直ぐ様輪廻の技、輪廻選択 獄火炎弾が発動し鬼蜘蛛目掛け地獄の業火なる銃弾が襲う。


「ギシャァアアアア!!」

「なっ!?・・・獄火炎弾が切られただと」


だが、肉体の巨大差故に避けれぬと思っていた鬼蜘蛛への銃弾は、間に割って入った鎌切の鎌が切り裂き無力化したのだ。


「グォォオオオオ!!」


驚愕する輪廻の一瞬だけ生み出してしまった絶対なる隙に鬼蜘蛛が見逃す筈も無く、そのおぞましき口を開き輪廻に放つ。


「しまっ・・・!?」


攻撃が自身に向けられていた事に気付き対処しようとするが間に合わない。


「輪廻ぇえええ!!くそ邪魔だ!!」


輪廻に向かって放たれた攻撃を阻止しようと駆けようとする霊夜だが、陰陽鎌切が分裂し無数の小型陰陽鎌切と化し霊夜の周りを囲み先に行かせない。


純白月華で斬り捨てるも次から次へと霊夜を合流させぬ為に陰陽鎌切が囲んで来る。


「冷たき力、全て凍らせ溶け消える! 凍溶結無!!」


絶対絶命かと思われたが、激しき吹雪が冥土の邸に突如吹き荒れる。


「凍霊!良くやった!!」

「ありがと!凍霊」


その吹雪は衣服が白い着物に変わり、無数の霊陣を展開させた凍霊が放った新たな技、凍溶結無 暴嵐が起こしたのだ。


「・・・全く数が多くて目障りですわね。霊夜様、私にお任せして貰えませんか」


凍結した鬼蜘蛛を殴り割り粉々にしつつ霊夜に問う凍霊。その背に見えるは雪を扱う筈なのに紅蓮の業火が霊夜には見えた。


「・・・あぁ任せるが、危なくなったら援護するからな」


そんな霊夜の思いに穏やかに微笑み返すと、直ぐに表情を一変させる。


「我の霊夜様との愛しの紅茶タイムを台無しにしよって許さん!!」


凍霊の感情に反応するのか、より激しく吹き荒れる嵐のごとき吹雪。


「ギシャァアアアア!!」

「グォォオオオオ!!」


鬼蜘蛛と鎌切も殆どが凍結されるも、残った強化種だろう数匹が激情の攻撃を仕掛けてくる。


その攻撃は、先程までとは比べられない程に重いだろう一撃。


「・・・無駄なんだよ、我の前ではな」


そう言った凍霊の言葉の意味に直ぐに気付いたのは霊夜だった。


「吹雪の剣か・・・。」


そう、吹き荒れる吹雪が細かい雪の一つ一つが剣として吹き荒れているのだ。まさに剣の吹雪。


無数の剣は鬼蜘蛛と鎌切の身体を次々と斬り時に突き刺さる。


「グォォオオオオ・・・・」

「ギシャァアアアア・・・」


その怒濤の攻撃に流石の強化種も耐え切れず消滅した。


「・・・ふぅー終わりましたわね。」


そして凍霊のホッとしたようなスッキリした様な声が冥土の邸に響いた。


霊術を解けば、あれ程に吹雪いていた雪は全て無くなり何も起きて等いなかった様に思えてくる。


「……しかし、使い魔か…。」


霊夜は、近くに落ちる札、霊符を手に取る。その霊符は既に宿る使い魔が失せただの紙だが、用心するに越した事は無いと霊力を送り燃やし上げた。


「……使い魔は人間でも霊力を扱える者、退魔士が扱うと言われていますわ。」

「……その使い魔と共に霊魂を滅するのが退魔士の仕事……。」


凍霊の使い魔についての説明に補足する様に続けるのが輪廻。


「・・・良く分かってるじゃないか!霊魂共」


怒鳴り声と共に冥土の邸に入るなり霊夜目掛け銃を発砲するは陰陽村正。


「消滅しやがれぇぇえええ!黄泉夜霊夜!!」


悪意込もりし凶弾が霊夜の胸目掛け迫り来る。


「……悪いな、俺は消滅する訳にはいかないんだよ。」


アイツを消滅させないといけないからな。


「……っく!?」


そう冷たき表情で言うと、正に一瞬で銃弾を斬り捨て村正の目の前に接近していた。


「……何で俺達を襲撃したのか教えて貰うぜ」


霊夜の威圧感伴う声が、冥土の邸に響いた。

霊夜「……今回は人間の能力者だったな」


輪廻「でも何とか追い詰めたわ」


凍霊「反撃開始ですわ!!」

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