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黄泉霊録  作者: ツアンサ
虚偽の愛を刈り尽くせ!!
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虚無なる愛を刈り尽くせ!!

「……黄泉夜霊夜か……」

とある屋敷の一室にて佇む男。その男の手には【TOP|Secret】トップシークレットと書かれた分厚いファイルが握られていた。


「……霊魂が霊魂を刈るだと。人間には醜い姫も貴様ら霊魂も同じだ……!!」


グシャと分厚い筈のファイルが男の腕力で激しく歪んだ。


その男の目には確かに深い深い憎悪の炎が浮かび上がっていた。


「……どうにも最近視線を感じるんだよ……。」


冥土の屋敷にて、凍霊から渡されたコーヒー飲みつつ霊夜はボソボソと呟いた。

「……視線ですか、霊夜」

その霊夜の小さな呟きに、確かに反応したのは霊夜の左隣に座りコーヒーを飲んでいた輪廻だった。


「あぁ……」


探っている様な俺を監視している様な視線なんだ……。


「……霊夜様を監視って、もしや奴等の配下が狙っているのでは!!」


「何だと!霊夜様を狙っているのか」


戦の口を荒く発した奴等の単語に霊矢が反応する。


「……其はないと思う。奴等の黄気は感じられないんだ。だいたい奴等なら、そんな回りくどい手段は使わねぇよ…。」


霊夜の何処か確信した様な言葉に戦と霊矢も納得した。其は霊夜が奴等を絶対に刈ると決意している故の確信。黄泉を監視し続けた選ばれし霊魂としての絶対の確信だった。


「……霊夜様を監視って!!大変ですわ!きっと霊夜様は変態デブ共にストーカーされているんですわ!!」


バン!!と机を強く叩くとまるで宣言するかの様に声を荒くするのは凍霊。


「……はっ?……」

「……はい……?」


凍霊の気迫溢れる表情に対し、ぽかーんと開いた口が塞がらないとはこの事か。そんな表情を浮かばせる霊夜達だが、


「……変態デブ共ですって!!」


輪廻は凍霊の宣言にぽかーんとする訳でも無く寧ろ、凍霊の考えに同意しているようだ。


以下、凍霊の妄想。


「……黄泉夜霊夜、良い身体してるね。ハァハァ」

「霊夜たん、ハァハァ」


ボロくさい廃ビル内で鼻息荒く霊夜を見詰める変態デブストーカ。


「……んぅ!!んぅぅーっ!!」


デブ共の視線の先には、服を破り捨てられ猿轡され大の字に縛られた霊夜の姿が。


「誰も助けに来ないよ、霊夜たん。ハァハァハァハァ」

「この事を誰かに知らせたら、この画像と動画を流しちゃうからね。ハァハァハァハァ」


涙を流す霊夜に見せ付ける様にデブ共は、ビデオカメラを霊夜の目の前に持っていく。


そのビデオカメラには、変態デブ共に服を破り捨てられる霊夜の姿が録画され、今の姿も録画されている。

「んぅぅ!!(嫌だ!輪廻に凍霊に嫌われちゃう!!)」

嫌われるかも知れない事が頭を過り、青ざめ絶望し涙を溢れさせる霊夜。その白く無垢な身体に、変態デブ共の手が伸ばされて……。

「……霊夜様!!初めては必ず守ってみせますわ!」

「安心して霊夜!何処の変態デブ共が、霊夜を狙おうと刈ってみせるからね!!」

輪廻と凍霊の頭の中には、変態デブ共に、あーんな事や、こーんな事を無理矢理にされている霊夜が居るようだが。


「……何を考えてんだよ……。ハァ……」


(俺は輪廻と凍霊と同じ選ばれし霊魂だぜ。なのに何で俺が好き勝手されるのが前提なんだよ……」


霊夜は選ばれし霊魂であり黄泉の死神という到底人間が好き勝手出来る筈が無いのだ……。そんな輪廻と凍霊の宣言に呆れの表情を浮かばせる霊夜。


「いや、きっと霊夜は優しいから軽く騙されて……」

『ねぇ君、道に迷っちゃったみたいでオジサン達を案内してくれないかな。ハァハァ』


明らかに変質者な変態デブ共。


『……ん、しょうがないな。オジサンを案内してやるから着いてきな』


そんな変態デブ共に対し、全く疑わず道を案内してやると言い出してしまう霊夜。


『ハァハァ、ありがとう霊夜たん。ハァハァ』


そして変態デブ共は、変態が集まる建物に霊夜を案内させて……。


「やっぱり霊夜は守らなきゃね!!」


「………………」


どうやら霊夜が逆に変態を絞める可能性は、輪廻と凍霊の頭には存在しないようだ。


「……霊夜様、気を確かに……」

「……霊夜、ドンマイだな……。」


二人して霊夜が好き勝手される事を確信した姿を見た霊夜は、


「……二人に聞かせた俺が間違いだった……」


そう何処か遠い目をする霊夜には修羅と畜生の声も届かず、呟くのだった。


「……じゃあ夕飯の材料を買って来ますね。霊夜、留守番任せましたよ」

「おう、任せときな」


あれから鴉が鳴き日が闇に沈む頃になった頃。霊夜の気も幾らか晴れたらしいので好物のステーキを買ってやろうと思い、修羅、畜生に戦は近くのデパートまで買いに行く事にしたのだ。

「……ねぇ戦は分かっているわよね!霊夜様を狙ってる変態デブ共を見付けたら刈るのよ!!」


そんな戦達に、凍霊と輪廻は何か言ってきたが軽くハイハイと返答しデパートまで歩いて行くのだった。


「……しかし輪廻様の妄想は凄い物だな……。」


買い物に向かう中、戦が先程までの輪廻の妄想という名の暴走を思い出したのか、妙に感心した様子で呟いた。


「……そうだよな!霊夜が好き勝手されちゃう。何てさ有り得ないのによ!!」

「全くだな、人間が霊夜を好き勝手出来る訳が無いってのにな」


修羅と畜生も思い出したのか、輪廻と凍霊の妄想発言に思わず笑みを浮かばせてしまう。


こんな風に、輪廻と凍霊が叫んで霊夜が呆れて…この平和な時間がずっと続いて欲しいと思ってしまう。


「……輪廻と凍霊って腐女子なのかもな!!」


そんな思い新たにしていた畜生と戦を修羅の身も蓋もない発言が刈る。


「修羅、何言ってんだよ!!」

「確かに…変態デブ男と言ってましたしね。」


修羅に、何言ってんだよ。と否定する様な声を出す畜生に対し、戦は冷静に輪廻と凍霊の言っていた事を思い出す。


「選ばれし霊魂の輪廻様と凍霊様が、霊夜様が、あーんなこーんな事をされる本を読んでいる……。」


思わず頭に浮かばせる修羅、畜生、戦。


冬の比良坂ドームに朝から向かい、あーんなこーんな本を売る輪廻と凍霊。


「……考えなかった事にしよう…。」

「……そうですね」

「……そうだな」


畜生のなかった事にしよう発言に、戦と修羅が迷わず同意したのは言うまでもなかった。

霊夜「……ぷい」


輪廻「許してよ〜」

凍霊「人間何かにヤられないもんな。許してくれー」

何時もの舞台裏。しかし霊夜と輪廻、凍霊の雰囲気は最悪だった。


「俺は二人が!!俺を元に薄い本売ってたのがショックなんだ!!」


バンと叩き付けられた机に置かれた薄い本。


さてさて、霊夜の薄い本デビュー編開始(嘘)

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