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黄泉霊録  作者: ツアンサ
八柱:操りし者
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悪意の糸を刈り尽くせ!!

「夜泉夜霊夜………この少年に霊魂を宿らせて頂けないかしら」


九忌家の屋敷に訪れ夫妻に写真を手渡す希美。


その写真には無邪気に笑っている少年、夜泉夜霊夜の姿があった。


カメラ目線じゃない感じからして盗撮だろう。


「ふむ、我等は構わないよ。実験体は少しでも多い方が良いからね」


「えぇ、新たに製作した霊魂を心臓に宿らせる装置を試すのに良い機会だわ」


希美の申し出に、狂気の笑みを浮かばせ応じる九忌家。


実験体は、大半が霊魂に拒絶され弾け散っていたのが現状だった。


そんな九忌家にとっては新たな実験体を提供してくれた。希美の申し出に了承する事に迷いはなかった。


「じゃあ成立しましたし、後程に金は振り込まさせて頂きますわね」


では宜しく頼みましてよ。そう言って希美は、九忌家の屋敷を後にした。


「なぁ、夜泉夜君。私と今日来て欲しい所があるの」

「ん、俺が希美と一緒に来て欲しいか。別に俺は良いけどさ」


夕焼け色に染まる中、二人並んで歩く夜泉夜と希美。

「良かったー夜泉夜君の事、私は愛してるよ」


嬉しそうな表情を浮かばせ、夜泉夜を抱き締める希美。


「なっ!?希美、いきなり何を言ってんだよ」


愛してるよ何て言われ、顔が熱くなり心臓がバクバクと煩く鼓動する夜泉夜。


そんな希美を抱き返しつつも狂気の色が、その希美の瞳に宿っていたのを夜泉夜は気付けなかった。


「此所だよ、夜泉夜君」


希美に案内される形で連れて来られたのは、九狐の像が並ぶ豪華な屋敷だった。

「凄いな…外に並んでいたのも純金だろ。あれ、希美?」


屋敷内も高級品に溢れ感動を語り合おうと思った夜泉夜だが、希美が居ない事に気付いた。


可笑しいな…何か部屋から出る時は俺に言って出るね。って言ってたんだけどな…


不安になった夜泉夜は希美を探そうと、椅子から立ち上がろうとした。


ガシャン!!


瞬間、何かが飛び出した様な機械音が聞こえた。


「なっ!!何だよ。くっ、離せよ!!」


だが夜泉夜は立てなかった。椅子から突然伸びた機械の腕が、夜泉夜の足を腕をギチギチと握り締め拘束していたのだ。


「誰か誰か助けてくれ!!むぅぅ」


助けを求める夜泉夜の口を封じ込めるかの様に、新たな機械がテープで口を塞いだ。


「ううっむぅぅ(助けて、お願い誰か俺を助けてよ。助けて、希美)」


銀の瞳から、計り知れない恐怖から涙が止めどなく溢れ始める。


「夜泉夜霊夜だな。実験室に運ぶぞ!!」


そんな恐怖に涙する夜泉夜に、更なる恐怖が襲い掛かってきた。


九忌家の実験班が、夜泉夜を地下の実験室に連れて行き始めたのだ。


「……うふふふふ怖い助けて。そんな風に怯える夜泉夜君を見れる何て最高」


別室では、希美、九忌、夫妻が実験室に運ばれて行く夜泉夜をモニターから見て笑っていた。


「お前も恐ろしい女だぜ。友達だと思ってる女が、実は実験体に自分を提供していた。何て知らないだろうよ」


九忌の素直な感想に、夫妻が口を挟む。


「えぇ、ですが九忌。覚えときなさい。此が我等、九忌家の在りし姿」


「人間を利用するのに必要なのは、金、権力、友情でも何でも良い。利用し使い捨てれば良いのだからな」

その思考は正に悪。人の道から外れた闇なる者。そんな雰囲気が包み込んでいた。


「良し、テープを外してやれ」


薄暗く様々な薬品が無数に積まれた地下実験室に、運び込まれた夜泉夜の口を封じ込めていたテープを外す。


「助けてっ!!誰かお願い助けてー」


口が解放され最初に発せられた言葉は助けて。


その顔は、恐怖に侵食され涙を溢れさせ必死に助けを求める。


「煩いぞ、実験体は黙ってろ!!」


そんな夜泉夜を実験班の者は黙らせるべく、近くの棚からメスを取り出し腕に突き刺した。


「あぁ゛ぁ゛ぁ゛助けて、助けて殺される!!死にたくない、誰か助けて」


腕に深く突き刺さるメスの痛みに目を見開き絶叫し、泣き喚きながら助けを求める。


そんな夜泉夜を実験班は、楽しそうに見つめ、次々と各自でメスを突き刺した。

更なる肉を切り裂かれる激痛に目を見開き絶叫する夜泉夜。


其は明らかに人道を掛け離れた行為。闇、いや違う闇その物だ。


「管を設置しろ。その後に薬剤投与。霊魂提供器を設置しろ」


ハッと研究班のリーダーらしき男に指示され、メスで身体の肉を切り裂かれ臓器が露な夜泉夜の身体に新たに突き刺さる管。


「良し、霊魂提供器を心臓に設置する!!」


そして遂に夜泉夜の心臓に霊魂提供器が設置された。

(ふふふ新たな宿主ってこの少年の心臓かしら)


(バクバク鼓動する心臓。もっとバクバクから、ドックンドックンと激しく鼓動させてやるわ)


意識を飛ばしていた夜泉夜に直接語り掛けてくる霊魂。


(何だ。身体が熱い。心臓が破裂しそうな位鼓動してる……其に誰だ。俺に語り掛けて来てるのは)


声を発する事すら出来ない夜泉夜は、身体中の異変に気付くも心の中で思うしか出来ない。


(ふふふ私達は、所謂お化け。貴方の心臓に私達は宿らされたのよ)


(貴方の心臓は私達が宿る事で強くなったわ。自己治癒能力すら得られたのよ)

そんな夜泉夜の心を読んだかの様に、夜泉夜の頭に心に直接語り掛けてくる無数の霊魂。


「……良し成功だ。夜泉夜霊夜に霊魂を宿らせる事に成功したぞ!!」


そして夜泉夜霊夜は、霊魂を九忌家が得る度に心臓に霊魂を宿らされたのよ。


その後は私の前に来てくれた。ある人が力を与えてくれて、そして夜泉夜君を人形にしたのよ


「どう素敵な話でしょう。黄泉夜霊夜君」


希美が冷たく笑いながら霊夜を見詰めてくる。


素敵な話何かじゃない。一人の少年の生命を弄り回し最後は人形にした。怒りが湧いてくる。目の前の希美にも九忌家にも。


「ふざけるな……夜泉夜霊夜を、彼の霊魂を好きに弄り回し人形何かにしやがった貴様の話の何処が」


素敵な話だと言う筈の霊夜の口からは再び声を封じられた。


「黙りなさい。私の力を前に貴方は無力なのだから」

感情を消したかの様な冷たい声と共に希美から発せられた霊気。


「貴様……その力はっ!!」

その霊気は、イザナミの配下の者の証。


その黄気を感じ取り強く睨み付ける霊夜に、希美は笑い告げた。


「我はイザナミ八柱、希美!!貴様に合間見えて嬉しいぞ。黄泉夜霊夜……」


霊夜「……良し連携成功!!」


久しぶりな控え室。ソファーで、ゴロゴロしながら遊ぶ霊夜達。


凍霊「流石は霊夜様ですわ」


輪廻「ひたすら、斬り捲れますからね」


ゲームを楽しむ霊夜達でした

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