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黄泉霊録  作者: ツアンサ
八柱:操りし者
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悪意の糸を刈り尽くせ!!

「………ふむ、ふふ九忌家と黄泉夜家の生き残りが対面するとはね」


モニターから霊夜の様子を眺めほくそ笑むイザナミ。

「黄泉夜霊夜にとっては、唯一憎いと感じられる人間達ですからね」


そんなイザナミに対し、九忌家に対する霊夜の考えを告げ、紅茶を差し出す冷淡。


「……ふふ、そうじゃろうのう。九忌家は、霊魂を人間に無理矢理に宿らさせる。そんな九忌家を憎まぬ筈がなかろうて」


其にあの少年も、九忌家の繋がりを持つ少女の手によって、霊魂の力を得たのじゃからな。


「イザナミ様、もしやその少年の名は」


意味深な言葉を漏らし不敵に笑うイザナミは冷淡からの問い掛けに、益々深い笑みを浮かばせるだけだった。


「お待ちしておりました、夜泉夜霊夜様」


車が停車に、屋敷の前に降りた霊夜の視線に映ったのは、九狐の像だった。


純金で作られたのだろう九狐の金の像はキラキラと太陽に反射し輝いている。


その純金九狐像が、屋敷の表玄関に通じる道まで、ズラッと並び置かれた光景に霊夜は、凄いと思う訳でもなく不快感を心に抱いていた。


(この純金の九狐像を作る為に何れだけの人間を、犠牲にしやがったんだ!!)


当然に純金は高く、しかも大きな純金で作るとなると、かなりの高価格を求められる筈だ。


その資金を得る為にしてきただろう悪を感じさせられ不快で堪らない霊夜だった。


「おや、来たんだね。昔は実験体だけの存在として扱われていた君がね」


屋敷に入るなり霊夜に、皮肉を浴びせてきたのは、九忌家のご子息だろう。


しかし霊夜は、皮肉を浴びせられた事よりも、ある単語の方が気になり驚愕していた。


(実験体だけの存在として扱われていた。誰が、夜泉夜霊夜が、しかも昔はだと!?)


霊夜の中で驚愕と九忌家への憎しみが膨れ上がった瞬間だった。


「あら、九忌や。その餓鬼と話す暇があるなら、例の少女との件を話して来なさい」


「そうだぞ、その道具は私達に任せて貴様は話を付けてこい」


驚愕し固まっていた霊夜を、ニタニタ笑みながら見ていた九忌だが、奥から歩いてきた両親だろう者に言われ、不満そうに屋敷を後にした。


「さて、貴様は忘れてしまっているかも知れんから思い出してもらうぞ」


着いてくるんだと霊夜に言う父親に対し、今すぐにでも殴り掛かりたい衝動を抑え込むと


「分かった。着いて行けば良いんだろ」


父親に着いていき、ある部屋に入る霊夜だった。


「……ねぇ執事さん。霊夜を九忌家に行かせるって何を考えてるの!!」


凍霊達が歩いて来るのが見えた執事は、察したのだろう。自分の友人だと母親に言うなり凍霊達を招き入れた。


そして輪廻の叫びが上がった訳である。


「皆様には本当に申し訳ありません。明日には警官の説明が来るからと納得して頂いたのです」


怒りの視線を向ける輪廻、霊矢、凍霊に対して謝るしかない執事。


「……全く、最低な両親ですわ。嫌がる息子を夜泉夜君を欲の為に、何度も昔から九忌家に差し出しているとはね」


しかし凍霊のその言葉に執事は目を見開いた。まるで、何故其を知っているとでも言いたげな表情だった。

「我を誰と思いましてよ。貴方が飲み物を用意する際に部屋を離れた数分の内に、夜泉夜君の部屋を調べましてよ。そしたら随分と面白い物を見付けましたわ」

そう言って机にある物を投げた凍霊。その物は小さくレンズの様な物が設置されていた。


「……っ!!凍霊、まさか此は」


輪廻も驚きの表情を浮かばせ、霊矢は確認するかの様に凍霊に問う。


凍霊は、執事に人を殺せるのではないかと思える視線で問いに応えた。


「さぞや夜泉夜霊夜君は、怖かったでしょうね。自分が考えてる事を盗聴され、常に監視させられ助けを求める事すら許されず、道具として扱われていたんでしょうね」


凍霊の表情は今にも、執事を殺らんと怒りに溢れていた。


そう夜泉夜霊夜君の部屋に仕掛けられていた物、其は

「……盗聴器に監視する為の小型カメラって事よね」

輪廻の言葉が、其の正体を判明させていた。


「……執事さん。貴方は夜泉夜家の両親は最低な人間ですよ!!」


そんな執事に対し、霊矢の言葉が深く深く突き刺さった。


「申し訳ありませんでしたー!!」


霊夜は連れて来られた部屋で驚愕し絶句していた。


何だ、何なんだ。この映像はっ!!


霊夜の銀の眸に映り込む映像。


『ぐぁああああああっ!!』

四肢を機械の腕らしき物に拘束され、身体に突き刺さった管から入れられる液体に悲鳴を発する夜泉夜霊夜。


そんな夜泉夜霊夜を囲む様に立つ九忌家の者達。


『次は臓器の強化と、霊魂を宿らせろ』


新たな薬剤を打ち込み、心臓に何かを設置させ起動させる。


瞬間、夜泉夜霊夜の身体が跳ねた。そして激しく心臓が鼓動し始める。声すら発せずに目を見開いた状態の身体は、急速に傷を癒していく。


『成功だ。夜泉夜霊夜に霊魂を宿らせる事に成功だ!!』


そんな状態を見て歓喜の声を上げる九忌家の姿が映り映像は終了した。


「……お前の心臓に設置されてる霊魂提供器に、新たに得た霊魂を追加しようと思ってな」


そう言って霊夜を連れてく様に白衣の九忌家に命じ去っていく九忌家の男。


だが今の霊夜には、男の言葉等、何一つ耳に入っていなかった。今の霊夜にあるのは憎しみ、憎悪の怒りの感情が爆発していた。


「さぁ貴様に宿してやる。来るんだ!!」


そんな霊夜に白衣の九忌家の者が手を伸ばした。


ドゴォオオオ!!


地面が大気が轟音伴い震えた。


白衣の九忌家の者を霊夜が殴り飛ばしたのだ。


「……―――しやがる」


白衣の者が殴り飛ばされ驚愕すし霊夜を見る九忌家の者達。


「何て事をしやがったんだ!!」


怒りを燃やす霊夜の叫びに、九忌家の者達は、ヤバいと感じるなり手に握られた装置を操作し始めた。


「許さねぇ!!」


だが霊夜は、夜泉夜霊夜ではない。何を操作しようが意味はないのだ。


一気に別の九忌の者に狙いを定め駆ける霊夜。



「何故だ!?何故、霊魂提供器を操作しているのに向かってぎゃああああ」


動揺を隠す事すら出来ず、霊夜の飛び回し蹴りが、新たに九忌の者を壁に激突させる。


「通信何かさせるかよ!!」「ぐはっ……」

壁に設置された通信機を起動させようとする九忌の者を、駆け寄り手刀で気絶させる。


「旦那様!!夜泉夜霊夜が我々の制御を無視し」


しかし九忌の者が自身の通信機を使い、霊夜の行動を伝えてしまう。


(アレは小型の通信機か!!)


「黙れってんだよ!!」


其に気付いた霊夜が、一瞬で距離を詰め裏拳を顔面に叩き込む。


「がは……」


通信していた九忌の者は、口から鮮血を吐血し床に倒れ伏せた。



霊夜「……何だかんだで20話突破だな」


輪廻「……そうね、嬉しい物だわ」


凍霊「突破おめでとうですわ!霊夜様!!」


各自でグラスに注がれた液体を、ちびちび飲みながら過ごすのだった。久しぶりの舞台裏でした

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