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黄泉霊録  作者: ツアンサ
八柱 怨念狼
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学園潜みし厄なる者を刈り尽くせ

赤き満月が闇夜に浮かび、闇夜の中を鳥が舞う。


「貴様のその肉体を破壊してやるよー!!」


不吉な言葉を吐き霊夜に、その強靭な爪を命を奪わんと振り下ろす。


「当たらねぇよ!!黄泉霊刀」


霊夜は、その強靭な爪を、紙一重で避け怨念狼の急所と読んだ。胸に純白月嘩を地を蹴り振るう。


「怨念の咆哮をその肉体に受けるが良い!!」

「間に合わねぇ!!っぐ」


しかし霊夜の純白月嘩が、怨念狼の胸を斬り裂くより早く地の底から、禍々しき怨念が大咆哮と化し霊夜を襲う。


何で助けてくれなかったの!!

貴様が遅い所為で皆、喰い殺されたんだ。死ね死んでしまえ!!


その怨念は、霊夜の頭の中に浸透するかの様な苦しみを与え、地に着地し耳を押さえ耐える霊夜。


「止めろ!!止めてくれ!!聞きたくない!!」


必死に耐える霊夜は目を閉じてしまう。其は、怨念狼に決定的な隙を与えてしまう。


「貴様の所為で死んだ者の怨みは苦しかろう。今、楽にしてやる」


怨念狼が歪に笑み次の瞬間、その強靭な尾で霊夜を絞め上げた。


「しまっ!うぐっ!!」


霊夜も気付くが耳を怨念やられ状態な為に対処に遅れ、宙に浮かび上がらせられてしまう。


「抜け出せは出来ぬぞ!この怨念の尾からは」


ギシギシと霊夜の華奢な身体を寄り強く絞め上げ尾に、びっしり並んだ刺が霊夜の身体に突き刺さる。


「ぐぁぁあああああっ!!」

皮膚を貫き骨が軋みミシミシと悲鳴を上げ、襲い来る激痛に悲鳴を上げる霊夜。

「良い良い悲鳴だ。黄泉夜霊夜。その苦しみの悲鳴を、苦しむ顔を!!もっと味合わせてくれ!!」


苦しむ霊夜の姿に怨念狼は歓喜し、より苦しむ姿を楽しむ為に新たな技を発動させる。


「良い肉が悲鳴を上げる。喰らう。その身を喰らう。」


「その皮を、その身の臓器を千切り出してやる」


禍々しい魔方陣が無数に、次々と描かれ其処からは、人狼が生み出されていた。

「うぐっ、校長だと!?ぐあっ」


しかも霊夜が刈り消滅させた筈の、校長までも生み出されていたのだ。


「あの時は良くも刈り消滅させてくれたな!!」


校長は、一気に魔方陣から霊夜を拘束する尾を駆け上がり、その白きしなやかな腕に獰猛な視線を向ける。

「お前のこの憎き腕は、さぞかし美味しいのだろうな」


そう呟く校長の姿は、霊夜に刈り消滅させられた時を思い出しているのだろう。

酷く感情的に血走る目を、ギラギラ輝かせ、その牙を霊夜のしなやかな白き腕に向けていく。


「止め……ろっ!!」


腕に近付いて来る校長の牙に、拘束を解こうともがくが、逆に刺が深く身体に食い込み苦しむ事になる。


「憎き腕を今、喰らってやろう」


ガブリッ!!


「止め…ぁぁあああああっ!!」


校長が、獰猛な笑みを霊夜に向け遂に腕に噛み付いた。


深く腕に噛み付かれ、牙は腕に食い込み霊夜の銀の双眸が見開かれた。


自身の腕を、ガブリッガブリッと喰われ想像出来ない程の激痛に声が渇れるではないかと思える絶叫を発する霊夜。


だが霊夜の悲劇は、まだ始まったばかりだった……。

「美しい。痛みに顔を歪ませるその痛みを私も加えられる何て堪らないな」

「その拳には、牙をへし折られたからね。逆に今度は拳を噛み砕いてやるよ」


校長の一噛みが合図だったかの様に、人狼達が一気に駆け上がり次々と、霊夜の身体に噛み付いてきたのだ。


「ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!」


両腕を両足を、左右の脇腹を喰い千切らんとばかりに噛み付いてくる人狼が加えてくる。更なる激痛に霊夜は悲鳴を上げるしか出来ない。


「……おい、一度牙を抜いてやれ」


何を思ったのか、霊夜の腕に噛み付いていた校長の言葉に、残りの人狼達も霊夜の身体から牙を抜く。


噛み付かれ筋肉が見える霊夜の負わされた噛み傷から、真っ赤な霊力、人間で言う血液がドクドク流れ出ていたのだ。


「……ぁ゛ぁ゛」


人狼達が霊夜の顔に、視線を向ければ霊力を体外に出し過ぎたのか、顔色は白く眸が焦点を合わせていなかった。


「……おやおや、黄泉夜霊夜。随分と霊力を体外に出されて苦しそうじゃないか」


そんな弱った霊夜を、愉快そうに見詰めながら話し掛けて来る怨念狼。


「……誰の所為で、苦しんでると思ってやがる」


噛み付かれる痛みから、解放されたからか、弱りつつも悪態付く霊夜。


「そのまま霊力を体外に出され続けたら貴様は消滅してしまうな」


だが霊夜の言葉を気にしてないのか。霊夜に冷たく笑み消滅するな。と告げる怨念狼。


「……っ!!消滅何かして堪るか!!」


消滅と言う単語に一瞬表情を恐怖に歪めるも、睨み付ける霊夜。


だけど、どうすれば拘束を解ける。純白月嘩は、腕を使えないから尾を斬り落とすのは無理だ。どうすれば良い!!


強気な態度は崩さない霊夜だが、追い詰められてる現状は違いない。必死に打開策を考え始める霊夜。


「奴の強気な態度は崩れてない様だ。再び噛み付いてやろうぞ」


だが考え始める霊夜を、邪魔するかの様に、再び人狼達が霊夜に一斉に噛み付いた。


「ぁ゛ぁ゛っ………」


一斉に噛み傷を再び、噛み付かれ霊夜の双眸が見開かれ、身体が痙攣し始めてしまう。


痛い。全身が噛み千切られる様に痛い。意識が、はっきりしなくなってきた。視界も霞んで良く見えない。もう俺は死ぬのかな。黄泉夜家の仇を目の前に死ぬしかないのかな。皆、ごめん。


「……最後に、輪廻と凍霊に会いたかったな」


そう小さく呟き、霊夜の霊魂が消滅しかけた瞬間!!


「霊夜を離せ!!獄火炎弾」「何っ!!しまっ」


輪廻の怒りを燃やし、灼熱の火炎弾が怨念狼の目に放たれた。


怒れる火炎弾は、霊夜に気を取られていた怨念狼の目を的確に撃ち抜いた。


「ぐぁぁあああああ!!貴様、後少しで殺せたのを邪魔しやがって」


目を撃ち抜かれ、顔を業火が襲い、激しく暴れ回る怨念狼。その際に、霊夜を拘束していた尾を放し解放してしまう。


「大丈夫、霊夜!!此を飲んで」


投げ飛ばされる形で地面に激突した霊夜に直ぐ凍霊が駆け寄り、霊夜に純白の錠剤を握らせる。


「……あれ、校長が人狼がいない。其に噛み傷もない。まさか、あの人狼達は」

其を口に含み、ゴクリと飲み込んだ霊夜は、ある事に気付いた。


そう、拘束され動けない霊夜を噛み付いた人狼が存在しないのだ。そして腕にも足にも、刺が突き刺さった刺傷は負わされてるが噛み傷は何処にも存在しないのだ。


まるで幻。幻覚を見させられていた様だ。


「まさか!!俺を噛み付いていた人狼は全て幻覚」


「……えぇ、そうよ。霊夜は、怨念やられ状態の所為で、幻覚を見破れなかったのよ」


そうよ。と霊夜を襲ったのは幻覚と判明した所で、暴れ回っていた怨念狼が、輪廻と凍霊を睨み付けた。


「貴様、良くも我が目を潰してくれた挙げ句、幻狼怨念から霊夜を解放したな!!許さん、貴様ら全員喰らってくれるわ!!」


霊夜への幻覚攻撃を解かれ、方目を焼かれ失った怨念狼が怒りの叫びを上げたのだった

霊夜「黄泉霊録がゲームになったらどうなるか?作者の野郎が考えたらしいぜ」

八柱・怨念狼。


使用技。


怨念の咆哮。(三回受けると、発狂の状態異常になり自殺してしまう)


怨念の尾。(拘束)


幻覚攻撃。


突進。


状態異常


怨念やられ。

(どんなに可能性が低い技を受けても確実に状態異常になってしまう。状態異常の効果上昇)


発狂

(精神が耐えられなくなり自身から命を断つ状態異常。)


輪廻「うむ、怨念やられって言うのが独特だな」


凍霊「発狂は、霊夜様の精神発狂でも可能ですわね」

霊夜「まぁ想像は楽しいしな。次回も宜しく頼むぜ」

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