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黄泉霊録  作者: ツアンサ
八柱 怨念狼
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学園潜みし厄なる者を刈り尽くせ

「ねぇー頭痛いよ」

「何か、お腹が急に痛いよ」


体育館では身体の不調を次々と子供が漏らし始めていた。


そんな子供達に対し、保護者達も身体の不調を訴え始めていた。


「ええ皆様、理科教師の奈美と申します。先ず、皆様の身体に起きた異変ですが……」


そして壇上に深い深い闇の様な笑みを浮かばせ、今から広がるであろう惨劇に心を振るわせる奈美が現れた。


そして紡がれる惨劇の言葉を。


「蝿共よ!人と言う名の宿を突き破り、イザナミ様の使い魔に成るのよ!!」


瞬間、地獄の様な断末魔が体育館に響き渡った。


「はぁはぁ……あの女教師!!」


霊夜は必死に息を切らせつつも、比良坂第壱高等学園を目指し駆け抜けていた。

あの霊信器に打ち込まれた情報以外を何故、奈美が知ってるのか。


「あの女は、間違いない!!アイツの配下の者だったんだ」


答えは簡単だ。奈美は、アイツの即ちイザナミ様の配下の者として知っていたんだ。


あの蝿は、イザナミの使い魔である以上、奈美がイザナミの配下なら、蝿が使われた事も皆、死んだ事も知ってて当然なのだから。


「……良し見えた。比良坂学園だ。早く配下の女から情報を」


胸の霊魂の鼓動が強まっていくのが分かる。人狼が知らないなら、配下の女から情報を聞き出せば良い。


霊夜は、高まる気を押さえもせずに学園に突入した。

ゴオオオオオオッ!!


瞬間、体育館が弾け飛んだ。そう弾け飛んだのだ。


「……なっ!!アレは」


学園に突入した霊夜の高まっていた気が急激に、不安感に変わって行く。


地鳴りの様な轟音を発しながら、空に向かい浮かぶ一本の漆黒の竜巻。


其の正体を霊夜は知ってる。人の身に寄生し突き破りイザナミの使い魔として放たれし存在。


漆黒の死の竜巻に見えし蝿が空を舞っていた。


「……っ!!」


全ての蝿が体育館から離れて行き、霊夜は、不安感が恐怖感が高まっていくのを感じながら体育館だった場所に駆け付け絶句した。


広がる肉片の山。突き破られボロボロな臓器が転がり血と脂と体液が混ざりあった様な海が広がっていた。

其は正に地獄絵図。比良坂署とは比べられない惨劇が広がっていた。


「……やぁ、黄泉夜霊夜。一足、遅かったね。学園の生徒や生徒の保護者は、肉片に変わったよ」


絶句し固まる霊夜に対し、肉片の山を、さも当然の様に奈美は歩き霊夜に声を掛けてきたのだ。


コイツが惨劇を生み出した。せっかく人間を守れたと思ったのに、コイツが、コイツが!!


「……っ!貴様ぁぁあああああ!!」


抑え切れない怒りが爆発し、奈美に激昂の叫びを発する霊夜だった。


「どうしちゃったんだろ、霊夜。あんな敵でも見付けた様な怖い顔して」

「そうですわね。霊夜様が、あそこまで感情を露に飛び出したのなら、何か理由がある筈よね」


不思議そうに、霊夜が飛び出して行った屋敷の表玄関を見詰める輪廻と、何か理由がある筈と、考え始める凍霊。


「……霊夜君には、奈美が比良坂署の警官が蝿で死亡したんだ。って言ってた事を聞いただけですが、何か?」


霊夜が飛び出す直前に三奈と話していたと知り、三奈から話を聞いて、輪廻、凍霊も表情を険しい物に変えた。


「……霊夜の端末の情報でしたわよね。確かに、比良坂署の事は打ち込まれてます」


険しい表情のまま聞いてくる凍霊に、何かあったのか不安になっていく三奈。


「見て下さい。霊夜様の端末には、蝿なんて打ち込まれてないんですよ」


そんな三奈に対し、霊夜の霊信器を操作し見せ確認させる凍霊。


「なのに何故、彼女は奈美は知っていたんでしょうね。死の原因を!!」


深く否定を砕く様な強く怒りを、その全身から問う声から滲ませる凍霊。


「……っ!!そんな奈美が」

確かに、霊夜の端末には蝿の字は存在しなかった。自身の目で確認させられ、其と何故、奈美が知ってる!!と強く問い掛けて来る凍霊の姿。


認めたくない。認めたくないのに反論材料が出て来ない。


反論材料が出ない以上は、どんなに非情な真実でも認めるしかない。


奈美は、奈美は、霊夜君の黄泉夜家を殺した者の一員の一人だって事を。


「うわぁぁああああ!!奈美ーどうしてよ!どうして奈美が一員の一人なのよ!!」

同期で親友だと思っていた奈美に裏切られ、三奈は絶望の涙と悲鳴を上げた。


「……おい、霊矢。彼女を頼む。我は霊夜が心配だ。我も学園に向かう」

「私も霊夜の向かった学園に向かう。修羅、畜生、戦。急いで向かうわよ」


話を聞いてなかった畜生達が、霊夜が心配だ。の一言に何か起きたと察し屋敷を飛び出した瞬間!!


「アレは!?イザナミの使い魔」

「学園の方だ。急ぐぞ輪廻」


体育館を吹き飛ばした蝿の竜巻に、危機感を覚えた凍霊は、学園の方だと言って、皆は急いで学園に向かう。


(お願い霊夜!!無事でいて)

(霊夜!!死ぬでないぞ)


皆、霊夜の身を心配しながら祈りながら駆けるのだった。


「貴様達が、俺の黄泉夜家を許さねぇぇえええ!!」


霊夜の怒りの霊気は、荒ぶる龍神の如く凄まじい破壊力を含ませていた。


奈美に向かい、地を蹴り純白月嘩を振るう霊夜。


「ぐっ!!何て力だ」


荒ぶる霊気は、刀身も鋭利に放たれし斬撃は正に怒りの破壊力を含み圧倒的な力を生む。


同じ様に刀で身の前の圧倒的な力を弾こうとするが、怒りの霊夜を前に押され始める。


「黄泉夜家の俺の恨みだ!!消え失せろぉぉぉおお!!」

一旦鍔競り合いから身を引き、地を蹴り今度は一瞬で三奈の目の前に飛び込み、純白月嘩を振るい刃も放つ!!


再び受け止めた奈美だが、怒れる霊夜の霊気を前に、遂に刀が砕け、その胸を斬り裂いた。


「ぎゃぁああああ!!」


胸を斬り裂かれ絶叫する奈美だが、その絶叫は一瞬て再び闇の様な笑みを霊夜に向ける。


「妾が、こんな軟弱な人の身で黄泉夜家を襲撃したと思うなぁぁあああああ!!」

そう叫ぶ奈美の身体が変わっていく。漆黒の刺々しい体毛を生やし、強靭な尻尾を生やし、強靭な四肢と血走る目を持った。真の姿を、怨念狼を現した。


「黄泉夜霊夜!!貴様のその肉体を破壊してやるよ!!」


霊夜「くそ!!俺は守れなかった」


輪廻「霊夜、余り自身を責めないで。霊夜のお陰で救えた命もあるから」


凍霊「しかし、怨念狼か。随分と酷い事をしやがるわね」


霊夜「あぁ、怨念狼は俺が必ず刈り消滅させる!!次回も宜しく頼むぜ」

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