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黄泉霊録  作者: ツアンサ
八柱 怨念狼
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学園潜みし厄なる者を刈り尽くせ

「……ふふ、そろそろ人狼の玩具も終りを迎えそうですよ。イザナミ様」


比良坂学園の校長室。其処では、霊夜と輪廻の戦闘する姿を映し出すモニターを、愉快気に見詰める者が一人いるのだった……。


「貴様に刈られた同胞の恨み!!今晴らさんで何時晴らす!!」

「今でしょ!!」


そう何処かで流行してる様な、フレーズを発しながら飛び掛かる人狼。


四方から飛び掛かられ逃げ場のない霊夜に、勝ちの笑みを浮かばせる人狼達。


「甘いんだよ!!黄泉喚霊刀《ヨモツカンレイトウ》」


だが、霊夜の呼応に応じ、床に霊夜の霊気が漂うと同時に、黄泉霊刀・純白月華が霊夜を中心に突出した。

「ギャ…インッ!!」

「床から突き出てくるとは……」


霊夜に飛び掛かっていた人狼達は、霊夜を喰らう前に刀に偽りの身を貫かれ消滅していく。


「まだまだ仕掛けるぜ!!黄泉霊刀・純白波刃」


霊夜の攻撃は止まらず、直ぐに純白の刃が、斬撃と同時に厄を刈らんと放たれる。


その純白の刃は正に、瞬刃。避けるも放たれし刃を気付く事すら……その狙われし身には叶わず。


その霊夜の姿は正に、選ばれし霊魂の他になかった。

「くそー怯むな!!奴を仕留めろ」


霊夜との余りの実力差に、身を引くも直ぐに霊夜に襲い掛かって行く人狼。


「……まだ来るかよ!!頼むぜ、純白月華」


目の前で爪を突き刺して来たのを、伏せて避けつつ純白月華を、的確に突き刺しその場で回転し、回転斬りとなりし刃は次々と散らしていく。


「全て刈ってやるよ。黄泉夜家の生き残りとしてな」

「貴様の憎き、その腕を封じれば終わりだ!!」


左右から霊夜を挟み、攻撃手段の腕を封じようと腕を伸ばす人狼。


「ちっ!!卑怯な」


目の前の人狼を、斬り下ろし一刀両断した瞬間に、伸ばされた腕は霊夜の腕を拘束した。


「何て言うと思いやがったか?人狼共」


しかし、霊夜の攻撃手段は刀だけではなかった。


不敵に紡がれた言葉に、握る力を強める人狼だが、その鳩尾目掛け放たれた上段蹴りに霊夜の腕を握っていた為に避けれず、ドゴォと轟音と共に壁に蹴り飛ばされ消滅した。


「さぁ……どうする。お前ら、俺にアイツの居場所を吐いて貰おうか」


そう冷たく霊夜の眸が輝いた。


「輪廻選択・獄火炎《リンネセンタク・ゴクカエン》」


銃身に一と浮かび上がり、灼熱の銃弾が、次々と放たれていく。


銃弾の弾幕の厚さに、避ける事叶わず、撃ち抜かれ焼かれていく人狼。


「ちっ!!無闇に突っ込みやがって脳無し共」


そんな中、突っ込み焼かれていく同胞を、脳無しと吐き捨てウルフェンは避ける事に集中していた。


何て連射能力に速度をしてやがる。無闇に突っ込まずも、下級の人狼共じゃ只の的だ。


避ける事に集中しつつも、輪廻の戦闘能力の高さに、驚愕し時間の問題だなとも感じ始めていた。


「ちっ!!知らなかったか」

最後の人狼に、問い詰め知らないと知り斬り捨てた霊夜。


「お疲れ様ー霊夜。ワォ、流石は選ばれし霊魂。此処に無数に散乱してる服は、全て霊夜が刈ったんだよね」


「相変わらず、恐ろしいまでの強さだな。霊夜」


そんな霊夜に体育館から、やって来たのか。修羅と畜生が感想を述べつつ話し掛けてきた。


「あぁ、俺が全て刈り殺してやった。だが、アイツの情報は得られなかった」


そう言って悔し気に顔を歪ませる霊夜。必ず情報を手に入れる気でいたのに、何の一つも情報は得られなかったのだ。


「……霊夜、焦るな。焦ってもアイツの情報は逃げやしない」


「そうだよ。霊夜が無理して倒れたら大変なんだからね」


そんな姿の霊夜に、優しく掛けられる修羅と畜生の言葉。その言葉は、焦る霊夜の心に優しく浸透していく。そして霊夜は、軽く微笑み……。


「……修羅、お前、マトモな事も言えたんだな」


「なっ!?霊夜を励まそうとしたと言うのに」

「ぷふっ!!霊夜、真実でも言っちゃ駄目だよ〜」


修羅に対して爆弾な発言を投下していた。


そんな霊夜の言葉に、修羅は驚き畜生が笑う。そんな光景に不思議と、先程までの焦りが消え失せていく様な暖かい様な気がした。


「……さて、残る人狼は、ウルフェン様だっけ。貴方だけのようね」


「……っく!!」


輪廻と、人狼との戦闘も終焉を迎えようとしていた。

至る所の壁や床からは、獄華輪廻の撃ち込んだ獄火炎弾の技に寄る物か、激しき業火が噴き上がっている。

「さぁ……どうするのかしら?避ければ業火に身を焼かれ、避けずは獄火に寄って塵すら残らずに焼かれ……選びな!!」


チャカと獄華輪廻の引き金に指を掛け、何時でも撃ち殺せると暗に示す輪廻。


辺りは火柱。目の前には、自身に銃口を向ける。選ばれし霊魂である冥土輪廻の姿。


どっちを選ぶか。だって、そんなの決まってんだよ!!

「……お前を殺してやる!!冥土輪廻ーっ!!」


最初から、逃げる等は選択肢にない。死を覚悟して殺らないと駄目なんだよ!!


ウルフェンは、死を恐れずに輪廻の銃口が向けられる中、駆け出し襲い掛かった。


「良い覚悟だったよ!!」


ゴオオッ!!


そして、獄火炎弾は獄火を纏わせながら轟音と共に、ウルフェンの胸を撃ち抜き焼き尽くした。


その場には、一人獄華輪廻を戻す輪廻の姿だけがあるのだった。


「……ねぇ、霊夜君。比良坂署の警官蝿死亡事件も、やはり君の言うアイツが今回の奴が絡んでるの?」


人狼は全て刈られた。風紀委員室からは、人狼に入れ替わられてしまったのだろう。無数の白骨遺体が発見された。


そんな中、全てが終わり冥土の屋敷にて、一息付いていた霊夜に、三奈が聞いてきた。


「っ!!何で其を知ってる。誰から聞いた」


その問いに霊夜の顔が驚愕に染まる。


「えっ、奈美だけど。霊夜君の変わった端末の情報を読んでだよ」


驚く霊夜に対し、何を驚く必要が有るのか。わからない三奈は、霊夜の端末、霊信器からの情報だと言う言葉に更に驚愕した。


「……そんな事は書いてない。俺が書いたのは、アイツの使い魔が殺したで、蝿とは一文字も書いてないんだ」


何故、奈美は知ってる。あの件は一般には知られない情報。奈美は一般人じゃない、関係者……っ!!


三奈からの返答に対し霊夜は、ある可能性が浮かび上がった。最悪な可能性。


「おい、皆。奈美は何処に行ったか分かるか!!」


「どうしたの霊夜。怖い顔して、奈美なら、保護者に説明会するとかで学園に戻っ……ちょっと霊夜!!」


輪廻が霊夜への、コーヒを入れ戻って来る際の返答で向かった場所が学園と知り、屋敷を飛び出して行く霊夜。


「ふふっ、蝿は私達には宿ってないけど、生徒達に宿ってないとは言ってないのよね」


そう闇の様な笑みを浮かばせ奈美は体育館に入って行った。


人間を守れて、ハッピーエンドにはさせないよ。黄泉夜霊夜

霊夜「あの女が、アイツの配下の者だった何て!!」


輪廻「急がないとヤバそうだよね」


凍霊「ハッピーエンドにはさせない。不吉な予感がしますわ」


霊夜「くそ、守れた筈の命を奪われて堪るかよ!!次回も宜しくな」



八柱・奈美「……惨めな物だな。守ると言うのは難しい事よ。奪うのは楽なのにのぅ。精々、間に合わせてみせるんだな」

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