表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黄泉霊録  作者: ツアンサ
八柱 怨念狼
12/37

学園潜みし厄なる者を刈り尽くせ

薄暗く人気がなくなったとある学園の教室。


「俺に逆らうつもりか……」


其処には、黒い学生服を風にたなびかせる一人の少年。


「はぁーお前が俺達に金差し出すんだろ」

「あはは何、生意気言ってくれてんのーお前の携帯返してやんねー」


そんな少年を囲むのは、ボタンを乱れに外し、ピアスや刺青を彫り込んだ不良達。


そんな不良達の、馬鹿にする様な笑い声も少年は無視し続ける。


「お前ら愚民が、俺の言う通りにすれば死なずに済んだのにな」

「っ!!てめぇ調子に乗りやがって」


少年の見下した様な酷く冷たい声に、不良達の怒りが爆発し一斉に少年に殴りかかった。


その瞬間、少年の口に大きな牙が見えた気がした。


「あぁ、美味しい肉が沢山並んだな」


教室内に漂う血と脂が混ざりあったような独特で不快な臭い。


その臭いの発生する教室の中央で獰猛な笑みを浮かばせているのは、顔を学生服を返り血に染め上げた少年。


「うっあ……誰か」


助けてと言う前に、床に倒れ伏していた不良少年の一人は、ぐちゃぐちゃと狼の様な獣に肉を臓器を喰い千切られ、無惨な姿に変わっていく。


「美味しかった……人間。もっと喰いたい」


そして、今喰い千切られた筈の不良少年が、少年に仕える様に後ろに立っていた。


「あぁ……化け物……来るなぁぁあああ……」


一人、また一人と不良達は、少年の放つ狼の様な使い魔に喰い千切られ生まれ変わっていく。


「旨かった、人間」

「ウルフェン様、人間をもっと喰いたい。喰わせてくれ」


不良達の断末魔が消え、骨だけになった本当の人間の亡骸を、踏み砕くと、少年、ウルフェンは言った。


「少しずつ人間を喰い殺し生まれ変わっていこう。そして、我等が君主、イザナミ様の為に、選ばれし霊魂を殺すのだ!!」


赤き月が浮かぶ闇夜の比良坂町に、狼の遠吠えが響き渡るのだった。


「……この間、イザナミの使い魔であろう蝿が、比良坂署の人間達を、喰い殺し生き残ったのは二人だけだったそうだ」


冥土の屋敷の報告室で、最初に報告し始めたのは霊夜だった。


その顔は、裏切った人間とは言え、イザナミに殺されるのを防げなかった事を悔しくて堪らないと言った表情だった。


「……霊夜、我の卷族である霊矢が言うには、あの蝿は人間の肉体から飛び出して来たと、生存者である佐鳥警部と言う名の男から聞いたそうだ」


因みに、もう一人の生き残りの藻部と言う男は、耐えられなかったらしく、後日、首を吊り自殺したのが発見されたそうだ。


そう霊夜に報告する凍霊に、何かに気付いたのか声を荒くする輪廻。


「凍霊っ!!」


その死んだ事を何で霊夜に言っちゃてるのよ!!


自身の名を呼ぶ声の裏に隠された物を、凍霊も気付いたのか。心配そうに霊夜を見つめる。


人間を守ると監視し続けていた霊夜が、心を痛めてしまっていないかと。


「……ありがとな輪廻。気を使わせて、凍霊も俺は大丈夫だ。だから悲しそうな顔をしないでくれよ」


凍霊と輪廻が、俺の悲しむ顔を見たくない様に、俺も輪廻と凍霊の悲しむ顔を見たくないんだ。


そう言って微笑する霊夜に、二人は場違いながらも、ときめいていた。


「(……霊夜が、私の笑顔を見ていたいって//)」「(霊夜が、我を必ず守るから笑っていてくれ。だなんて///)」


実際、霊夜は、そんな事は言っていないのだが、霊夜に想いを抱く二人には関係ないようだ。


「……おい、輪廻、凍霊!!」


そんな輪廻と凍霊を、霊夜の必死に呼ぶ声で、トリップから戻って来たようだ。

「はっ!!ごめん霊夜。考え事をしてたわ」

「我とした事が済まんな、霊夜。少し精神集中していたのだ」


そんな輪廻と凍霊の弁明に、霊夜は怒るでも呆れるでもなく、話し始めた。


「其と、こないだだがイザナミの配下に落ちたであろう。何者かの気を感じ取った」


「……霊夜、其は本当か!!」

「霊夜、其は何処で!!」


霊夜の気を感じ取った。と言う報告に輪廻と凍霊も表情に強い思いを感じさせる。


其もその筈。霊夜達と同じ様な力を持つイザナミは、既に人界の何者かを取り込み、その身を自身の身を隠す器として使っていると見て間違いない。


だがイザナミの配下に落ちた者から有力な情報を聞き出す、或いは手に入れれば、イザナミの居場所を見付け出せるかも知れないからだ。


「……あぁ、俺の霊気感知の優秀差は、知っているだろう」


霊夜の霊気感知は、霊気を宿す者が現れた時に何処に現れたのか瞬時に感知出来る性能なのだ。


「……あぁ、昔は霊夜の霊気感知の所為でかくれんぼしても見付かってしまったからな」

「あの感知能力は、チートだと良く言った物だ」


そんな昔を懐かしむ輪廻と凍霊。その顔には、あぁ、楽しかったなーと昔を思い出してる様子が感じられた。


「ケホッ、昔話は今度な……」


霊夜の咳払いに輪廻と凍霊は我に帰る。


そんな輪廻と凍霊を見て、霊夜は、確かに楽しかったな。と一瞬だけ思い出し微笑むも直ぐに話を戻した。

「例の霊気、奴等のは、黄泉気としよう。其を感知したのは、とある学園だった」


そう言って霊夜は、術で展開された比良坂町の地図内の有る場所を差した。


「なぁ、霊夜。だとすれば私達はこの学園に」

「はぁ、選ばれし霊魂である霊夜様も、我も、こんな人間共の学園に入学するしかないって事かよ」


霊夜にとって見事な迄に予想通りの反応を示され、苦笑いするも霊夜は言った。

「この学園、比良坂第壱高等学園に入学しイザナミの配下に落ちた者を刈り情報を手に入れてみせる!!」


霊夜の強い言葉に、輪廻と凍霊が否を申せる訳もなく、霊夜達の比良坂第壱高等学園への入学が決まるのだった。


「……へぇー霊夜と一緒に学園侵入か。楽しそうだな〜」

「侵入……霊夜様。下調べ位なら、我が行いますのに、見付からぬように気を付けてな」


上から、教師役として俺も侵入しようかな〜何て言っているのが修羅であり、何を思ったのか。侵入は排気管からが基本ですよ。と言ってくるのが戦。


「違うーっての!!何処のスパイ映画の人間だよ。其に修羅は来なくて良い!!」


霊夜の怒鳴り声と、修羅のそんなー酷いよ、霊夜。と叫ぶ声が冥土の屋敷に響き渡るのだった。

霊夜「遂にアイツの配下に、落ちた奴の黄気を感知したぜ」


輪廻「必ず刈ってみせましょう」


凍霊「霊夜様なら刈り尽くせますわ!!」


霊夜「次回は、学園に入学するぜ。応援宜しくな」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ