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職業 刑事です。

強行犯係の日常

作者: 奈羅

「ゴラ、尾崎!お前また漢字間違っとるやないかっ!」


「え?マジで?」


「お前同志社出て、漢字出来ひんって暴挙やぞ!?」


「や、やめてー!暴力反対ぃぃー!!」


「………はぁぁ…」


尾崎と草壁のやり取りを見ていた篠田は、溜め息を吐いた。

報告書を上げるのに、この上司2人は一体何日掛けるつもりだろうか…。

もう泣きそうだ。泣いてもいいか?


「篠田ぁ〜、お茶どうぞぉ〜。」


「ああ、有り難う。」


丁度、お茶を淹れに行って居た山崎が篠田のデスクに湯呑みを置いた。

胃が弱い篠田は、1日に何杯もコーヒーが飲めないので、午後からは緑茶を飲むようにしている。


「今日は茶柱4本立ててみた!」


湯呑みを見ると、確かに茶柱が4本立っていた。しかも綺麗に。

一体、何処でそんな技を身に付けて来るのか…。


「…はぁ〜、上手い。」


「刑事たるもの、茶の一つぐらい淹れれんようにならなあかん!ってウチのオトンの口癖やったからなぁ〜。」


山崎の父親は警察OBだ。現役時代、かなりのやり手刑事だったと、先輩や上司から聞いた事がある。

成る程、だから上手いのか。って事は、山崎の茶柱何本も立てる技は父親からか?


「茶柱はオカンや。」


篠田の心の声を聞いたのか?山崎は未だにここが違う、そこが違うとやり取りしている尾崎と草壁の元へ向かった。


「お二人さ〜ん、ここらで休憩どうですか?」


尾崎のデスクにコーヒー(ブラック)を、草壁のデスクにもコーヒー(ミルクとシュガーかなり多目)をそれぞれ置いた。


「どうですか?報告書。」


「アカン。こいつの漢字出来なさに頭痛するわ。」


「係長の漢字能力、小学校の低学年ぐらいですからねぇー。」


「ちょい!俺、上司やぞ?酷ないか?」


「ここまで出来んの、ホンマ暴挙ですよ?どないして、昇格試験合格出来たんですか?」


毒舌の山崎が草壁の肩を持ったため、報告書作成にはまだまだ時間が掛かりそうだ。


(はぁ…転職しよっかなぁ〜…)


結局、報告書は痺れを切らした草壁が作成する事になったとは、この強行犯係のいつもの日常となっていた…。

草壁「ああ…やっと報告書出来た。」


尾崎「ホンマごめんなぁ〜。」


草壁「お前はちょっとは反省せんかいっっ!!」


尾崎「ぎゃぁぁぁあ!!!」


山崎「あ、係長殴られた。」



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