3話 「暇潰し」
やっと1話を書ききりました。
ユーグside
もうかれこれ半年近くもミルクです。
赤ちゃん生活にいろいろと慣れてきた自分がいる。
体は赤ちゃんなのだから仕方ないと自分に言い聞かせてきた。
最近隣の赤ちゃんが物凄く元気だ。
横でゴロゴロしていると思ったら、今度はベッドから身を乗り出そうとしたり、やけに俺のことガン見してきたかと思うとベッドでハイハイをしだしたりと非常に落ち着きがない
この前までお腹一杯になるとすくまでずっと寝ていた赤ちゃんと同じだと思えないほどの腕白さだ。
これが本来の赤ちゃんの姿のだろうか?
まぁ最近暇を弄ばせてきたので、いい暇潰しとして観察させてもらっている。
今日もいつものように母親がいなくなると
ゴロゴロ………ボフンボフン!……ゴロゴロ……
赤ちゃんの一人運動会が始まっている
楽しいのか?俺には分からないな
そういえば、赤ちゃんの名前なんだっけ?
俺はユーグだとは覚えているけど……
あれ?母親も父親も男の子も女の子も巨乳メイドさんも猫耳メイドさんも白髪執事さんも名前知らないぞ?
てか一度でも名乗ったことあったか?
あっ。でも赤ちゃんは俺みたいに母親に名前呼ばれてたような……思い出せない(いつも先に飲んでたので、それどころではなかったのが理由)
俺、もしかしてここに生まれてから異世界ということ(髪の毛、猫耳判断)と、裕福なこと(メイドや執事がいる)と、双子として生まれたこと(赤ちゃんが隣にいる)と、家族が6人(父、母、兄、姉、双子)ぐらいしか知らない?
結構重要な名前が自分の名前しか知らない?
えっ?俺半年も何してたんだろう………
俺はなぜかそのことに深く落ち込んだ。
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ちょっと落ち込んいると、気づくと赤ちゃんが、俺を見ながら手を振っている。
「あー!あい!おうぇ?」
盛んに手を振りながら喋っている。誰かの真似か?
「うーあううーあい!」
赤ちゃんは何が楽しいのか笑顔で喋っている。
勿論俺には、何を言っているのか分からない
ただ、笑顔なので楽しいのだろう
「ぅあい?(楽しいのか?)」
伝わるわけ無いのだがつい、声に出して聞いてみてしまった。
しかし、それがいけなかったのか
赤ちゃんは、途端に笑顔を歪めて、目が潤んできた。
今にも泣き出しそうだ。
ヤベッ!
「たぃー……」
そんな風に泣きそうになる赤ちゃんを慰めるために、咄嗟に手を伸ばして頭を撫でてあげる。
手を頭にのせた時ビクッと赤ちゃんの体が震えるが、撫でてあげるとこちらを笑顔で見てきた
よかった。これで大丈夫。
そう安心した俺に突然赤ちゃんは抱きついてきた。
さっきは笑顔だったのに、また顔を歪めて目から涙をポロポロと流しながら、俺の胸に顔を埋めてくる。
正直胸が苦しい。
『い、いきなりどうして泣き出したんだ!?あれが嫌だったのか!?』
戸惑いが起きる。そんな俺に更に
『ありがとう~!!赤ちゃん大好きだよ~~!!』
よく響く女の子の声が聞こえてくる。
『ん?この声どっから聞こえているんだ?』
疑問に思い周りを見るがメイドさんも誰もこの部屋には近づいてきていない
『誰か来たのかな?』
また聞こえてきた
耳から聞こえていると言うよりは、頭に響いているようだ
気づいたら、息苦しさが消えている。
抱きついてた赤ちゃんは、しきりに周りをキョロキョロしている。
泣いていた痕はあるが、その顔に悲しそうな表情ではなく不思議そうな顔だ。
赤ちゃんにも聞こえたのか?
一瞬とある自称最高神の美少女を思い浮かべたが、声が違うので除外した。
周りには誰もいない。
あの自称神でもない。
だとしたら………
『『この赤ちゃんがしゃべってるの(か)?』』
………どうやら当たりだったようだ。赤ちゃんの方は何故かこちらを嬉しそうに見ながら
ガッツポーズ?をしていた。
もしかしなくても、この赤ちゃん俺と同類か?
なにやら、いい暇潰しになりそうだな……
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異世界に生まれてから約半年
一緒に生まれた赤ちゃんも転生者だということに気づきました。
感想待ってます。
最近、ユーグが初めから持っている能力に名前をつけた方がいいんですかね?
その場合は、どんな能力名がいいんでしょうか?
名前付けるのが苦手なので、教えてくれたら助かります。