1話 「何事も経験」
今回は、ユーグとユリエの立場で書きました。
とある異世界の大陸の北半分が領土の大陸最古の国にして最大の大国―ドラコニス国
『龍が統べる国』とも呼ばれるその国の最東端に広い領地(といっても8割は未開の地)を持つ侯爵家―アルトリューチェ家
そこの当主であるオルグと妻のマリヤに珍しい白銀の髪と、透き通るような澄んだ黒い瞳の双子の子供が生まれた。
1人は、男の子。もう一人は、女の子だった。それぞれの名前は、ユーグとユリエになった。
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ユーグ(狭間トウヤ)side
「ユーグ。お腹はすいたかしら?」
そう心配しながら、俺を下から持ち上げて抱っこしてくれているのはサラサラとした青い髪に宝石のような綺麗な青い瞳の綺麗な若い女性………ぶっちゃけ自分を生んでくれた母親です……
すごく綺麗な人です。はい。
少しおっとりとした雰囲気もある癒し系な美人さんだ。
そんな人が気づいたら母親
……とても複雑な心境だ。
「やっぱりお腹はすいてるわね?ほらいっぱい飲んで大きくなるのよぉ~」
そして俺はとてつもない試練にある。
赤ちゃんのご飯と言えば?
「ほ~ら。いっぱいお乳飲みましょうね~」
はい。わかっていると思うが母乳です。
俺に若い美人な女性のおっぱいをすえと?
体は赤ちゃんだが、精神はもう18だぞ?
初回からハードルがものすごく高いです……
「どうしたの?いらないの?」
そんなわけはないお腹はすいている。
どうする?どうすればいいんだ俺!!
あっ!ちょ!
押し付けないで!
頬に当たる女性の肌はとても柔らく重みがある
そしてその先に食欲を注がれるものが………
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「ふふっ、もうお腹はいっぱいかしら?」
そう言って女性が俺を逆さにして背中をとんとんっと叩いてくれる。
「ゲップ。」
女性―もう母でいいや―に暫く抱いてもらった後、寝ていたベッドに戻してくれる。
結局、飲みました。赤ちゃんだからかはわからないがとてもおいしかった。
この世界にはどうやら粉ミルクなどは無さそうだ。
早く離乳食にしたい
他にも色々ありそうだが……慣れるしかなさそうだ。
赤ちゃんの時に自我があるのがここまでキツイとは想像以上だ。
1からの第2の人生……何事も経験か……
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ユリエ(麻木カナ)side
私、神様に会って異世界に転生しました!!(たぶん……)
老神さんに会った後から気づいたら赤ちゃんって言う超展開だったけど……
赤ちゃんいいね!!
お母さんの母乳を飲んで寝て、起きたらまた飲んで、たまに寝る前に子守唄歌ってもらえて………
とても幸せな日常です!!
まぁ、おしめとか変えて貰うのは恥ずかしんだけど……
流石に18にもなって自分の排泄物をみて「今日も快便ね」って笑顔で言われるのは……
食べては寝て食べては寝て
とても幸せなんだけど……たまにすごく暇です。
分かりますか?
話せない。(ほとんど)動けない。
意思疎通はほとんど動物と人間のコミニケーション程度(動物が私です)
お母さんも一緒に生まれた横の銀色の髪の目がクリクリとした赤ちゃんの相手をしたり、他の子供達(たぶん私の兄弟)の相手をしたりと忙しいので、
眠くなくて、相手をしてくれる人がいないので暇です。
……たまにメイドらしき人がいる時もあるけど、私や横の赤ちゃんの相手をしてくれる時間は短いです。
あぁーいい方法ないかなぁ……
次回からはこんな感じで書くと思います。
感想どしどしお願いします。