閑話 「2人はお腹の中」
ロリ神にされた2人は、老神の確認の元とある異世界に送り出された。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(………うん…あたたかい……。気持ちいいー………)
全身が何かに包まれているようで、心地良く
意識に靄がかかったようにまともな考えができない彼女―前世は麻木香奈―は、ただその気持ちよさに身を任せていた。
そして、青年―前世は狭間刀哉―は、
(ふぅ、あったかくて気持ちいいな。こりゃ、いくらでも寝れそうだ。)
寝続けるぐらいは、この状況を満喫していた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
どれくらい時間が経っただろうか…青年はある程度把握できてきた
(ふわぁぁ~……しっかし、まさか胎児を経験するとは思わなかった。)
青年は、自分のお腹あたりと繋がっている紐を触りながら思う
(しかも双子か。めったに動かないけど、ずっと寝てんのか?……いや普通はそうか…)
目を開けることはできないが、それぐらいは分かる青年は、動いて問題を起こさないようたまに寝返りをするぐらいでおとなしくしている。
そんなことを考えている青年のそばで彼女は
(ふふふ……イチゴパフェ~…バナナクレープ、ショートケーキ……お~いしい~)
口をパクパクさせながら手を何かをつかむように動かしている。
………幸せな夢を見ているようだ。
――現在2人が生まれるまであと少し
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ところ変わってお腹の外
「オルグ!!今、少し動いたわ!」
お腹が膨らんでいる青い髪の女性は、近くで子供たちの相手をしていた赤髪の男性を呼ぶ
呼ばれた男性と遊んでいた子供たちは女性の言葉にすぐ寄ってくる
「本当か、マリヤ!?もうそろそろだなっ。」
男性は、優しく女性のお腹を触る。
「いもうとできるのー?」
女性の左から2歳ぐらいの赤みがかった金髪の少女が、女性の服を握りながら聞いてくる。
「僕は、弟がいいなぁー」
少女の反対には、3歳くらいのうすい青い髪の少年が、男性の真似でお腹をポンポンっと叩く。
「ふふふっ。そうねもうすぐね。もうすぐライルとエリナは、お兄ちゃん、お姉ちゃんね」
女性は微笑みながら子供たちの頭を優しく撫でる。
「もうマリ婆さんも呼ぶか?」
「大丈夫よ。もうよんだから…あと2日ぐらいで来てくれるわ」
「それならよかった。あんまり動かないないほうがいいぞ。もうお前だけの体じゃないんだ。」
「わかってるわ。無理をするつもりはないわ。家事だってネマさんがしてくれてるわ。」
「そう言えば、メイドの本来の仕事ができるって張り切っていたな……メイドとして来ているんだから仕事は取らないようにしてやれ。」
「まぁ、そしたら私が暇になってしまうわっ」
そう言って「困ったわ」と言いつつ、手を頬にあてているが、まったく困っているように見えない。
そんなマリヤにそっと口づけするオルガ
子供たちも真似て母親の頬にキスする。
温かな家族にもうすぐ新しい命が生まれる。
アツアツな両親です
次話は、生まれた後です
カナは、お腹の中にいた時の記憶はほとんどないです。
トウヤが異常なだけです
感想お願いします
更新日は、主に土曜、日曜になると思います