プロローグ2 「暇つぶしで転生」
「………ん?」
青年は誰かの気配を感じ目を覚ます。
「あ?………誰だお前?」
「あっ!やっと、目、覚ました~。」
倒れている青年の顔を上からのぞいているのは、金髪の小柄な少女
「うん?俺、なんで寝てたんだ?ってかここ、どこ?お前の部屋か?」
起き上がった青年は周りを見て見覚えのない部屋であることを確認し、少女に聞く
「うーん……部屋創ったのは私だけど、この空間は君のだし……どうなんだろう?」
青年は逆に問われ困る
「はっ?ここお前の部屋じゃないのか?じゃあ誰の部屋なんだ?」
「しいて言うなら君の部屋?」
「俺は、こんな少女趣味の部屋じゃねぇーーー!!!」
青年は可愛らしい人形やハートのクッション等が置かれた部屋を自分の部屋だと言われ憤慨する。
「ねぇ君は、今自分がどうなっているか、わかってる?」
「あ?何が?」
「やっぱ気づいてないのか……いや、そりゃそうだよね。」
「おい、聞こえねぇーぞ」
「じゃあ君に衝撃の事実を発表します!
なんと!君はもう死んでいます!!」
なぜかババーン!!という効果音付き
「…………」
青年は無言で、体のあちこちを見る。
「どう?驚いた?驚いた?」
少女はなぜか楽しそうに青年に聞く
しばらく体をあちこち触った後、深いため息をつく
「はぁー………。寝言は寝てからいえチビ。」
ゴンっ。
という鈍い音とともに少女が頭を押さえて蹲る。
「~~~っ!?いた~いっ!!」
ちょっと涙目だ。
「う~~。なんで私に攻撃を加えれるのよ~。あんな世界でこんなに成長する普通?下位神位じゃ触れもしないのに……」
何やらぶつぶつと独り言をしだして、青年はちょっとやりすぎたかな……?と頬を掻……こうとしたところで、青年の手が止まる。
見渡す限りの真っ白な空間そしてなぜか刀が一振り………
「…………」
急な変化に思わず絶句する。
「これでどうよ!!あなたは死んだのっ!ここは君の精神世界!!」
そして少女は無い胸を張りながら仁王立ちする
……それでも青年は見下ろす形となるので、威厳は微塵も感じられなかった。
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「はぁ……?俺の前世であんたにあったと………」
「そうなの!前は私を見たら即座に土下座したのに………おもしろくない成長」
「つーか俺に言わせれば、あんたが神だとか全然見えないし」
「私は最上位神よ!!もうっ!………それで面白半分で君にいくつかの能力を与えたの」
「面白半分って……」
「それで、まぁ君はしばらくしたら寿命で死んで、あそこの世界の輪廻の輪に入り、君に生まれ変わった。私があげた能力はてっきり輪廻の輪に入った後に削れて消えたと思ったのに
なぜか混ざり合って1つの能力になったの」
少女―ロリ神―はそう言い、刀を手に取る
「これは、あなたの能力のイメージ、空間はその人自身の器の大きさよ」
「どんな能力なんだ?」
「必然の運命に逆らい新たな運命を切り開く能力……今回は無意識で使ってたから大変なことが起きたんだけど」
「ふーん」
いまいちわかってない様子の青年
「君この能力の凄さ分かってる?君はホントだったら一月前に家で焼け死んでたのよ」
「は?あの時にか?」
「そうよ。しかもそのあとも運命を元に戻そうとする世界のせいで、周りにも影響が起きてあの老神もてんてこ舞いだったのよ。あっ、ちなみに君を殺したのも老神ね」
「あぁーちょっと待ってくれ…………よし大丈夫だ。それで?」
青年は一度、頭の中を整理する
「で、君は死んだんだけど、元はといえば私のせいだし、お詫びに、君に他の世界にだけど記憶と私から新しい能力を与えるから転生しない?」
「お詫びにチートで異世界転生……小説みたいだな」
「どうするの?」
「本音のところはどうなんだ?」
「見てて面白かった。もっと見たい」
「………わかった。お願いする。だが、すぐ死なないようにはしてくれよ」
「もちろんよ!………神に匹敵するほどの魂にやりたい放題好き勝手できるなんて世界創造より楽しみよ」
光に包まれてきた青年の耳に最後に最後に聞こえてきた言葉は、
「そこらの神より万能な人間創るわよー!!」
やたらハイテンションになったロリ神の声だった
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真っ白な空間が荘厳な神殿に変わり、青年のいたところに薄く赤く光る魂が1つ
「さーてまずは、何から加えようかな?ほとんど制限なんてないし、こんな魂早々ないわ」
「………やっと来たか」
「ん?老神?なんで私の神殿にいるの?……っ!?この魂!!」
ロリ神は老神の持っている魂を見て目を輝かせる。
「相談に来たのじゃが……この魂にお主から与えれるだけ能力を与えてくれまいか?儂にはうまくできん。頼めるか?」
老神がロリ神に頭を下げる
しかし、ロリ神の視線は老神の持っている魂に釘付けなのだが………
「ホントにこれを好きにしていいの?」
「うむ。ただし身を滅ぼすような危険な能力入れてみろ………暴れるぞ」
老神の鋭い眼光がロリ神に向けられる
まるで冷水をぶっかけられたように表情を青くさせる
「わ、わかったよ。」
「そうか。では頼んだ。転生させる世界はあそこの世界じゃ。儂も干渉がし易い」
「は、はーい」
そう言い残して老神は消える
「もと最強の破壊神が言うとシャレにならないわよ………」
「うーん……でもどうしよ?こんな容量大きいと何入れようか迷うな……いっそペアルックみたいに一緒にしちゃおうかな………」
ロリ神は先ほどのことはもう忘れてどうしようか楽しそうに悩んでいた
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とある世界のある国の侯爵家に双子の次男次女が生まれた。
白銀の髪に黒い目をした双子は、それぞれユーグ、ユリエと名付けられた。
その双子が元狭間刀哉と麻木香奈であることはまだ本人達と神しか知らない………
これでプロローグは終わりです
次は赤ちゃん編です
次の投稿が遅くなるかもしれません
すいません
今後もよろしくお願いします