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ハチャメチャ!!  作者: 神楽 弓楽
プロローグ(改稿版)
36/41

「不幸な青年」

トウヤのプロローグです。


内容は、少々変わってます。

「ハァー……何でこんなことになってんのかなぁ~?俺」


そんな呟きを重たいため息をつきながらいったのは、路地裏のゴミ箱の裏に隠れているボロボロの制服姿の青年だった。


「糞!!狭間の奴どこに隠れやがった!!」

「手分けして探せ、あいつのことだ。どんな手段で逃げるか分からないぞ!下水道から屋上まで注意して探せ!!今日こそあいつを生きて神楽さんに会わせるな!」

「おお!今日と言う今日はあいつを血祭りに上げてやる!」

「お姉さまの家で寝泊まりだけでも許せないわ!」


青年のすぐ近くでは、目が血走った青年と同じ制服姿の大勢の人達が、青年の名前を時折出しながら探していた。

青年は、息を殺して恐ろしい追手が過ぎ去るのを待つ。


しばらくして多くの足音が遠くに消えていくと、青年は再び深いため息をついた。


「ハァー……マジでどうしてこうなったんだよ………」


青年は、そう呟きながら、最近の出来事を思い返した。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


青年――狭間(トウヤ)刀哉(トウヤ)――がこんな状況に追い込まれるようになる一か月前


その日は、トウヤの育て親である一緒に暮らしていた叔父が、家の食材を全て持ってふらりと消えたのが始まりだった。

トウヤは、命がけの朝練がしばらく無くなったことに歓喜し、起きてから何も食べずに一日部屋に閉じこもって溜めていた漫画や小説を読んでいた。

夕方になり、家に食料がないことに気づいたトウヤは、山を下りた一番近くのコンビニに食料を買いに行った。

そして、カップラーメンや、お弁当やお菓子や飲料水を買い込んだトウヤは、コンビニを後にして山の中にある家に帰ろうとした。


が、夕方の紅葉してきた山をさらに赤く染めるような綺麗な夕焼けの中、トウヤの家があったはずの場所が赤い炎と灰色の煙を出して盛大に燃えていた。


どこからか聞こえる消防車のサイレンを耳の片隅で聞きながらトウヤは、長年暮らしていた家が燃えるのをただ茫然と眺めていた。


こうして家が全焼して住む家を無くしたのがトウヤの不幸の始まりだった。


住む家がなくなったトウヤは、道場を経営している幼馴染の神楽(カグラ)香奈枝カナエ家に居候させてもらうことになった。


これが、トウヤが多くの生徒に追いかけられるようになったきっかけだった。

幼馴染の神楽カナエは、トウヤの通う学校で大規模なファンクラブが創られるほど絶大な人気を誇っていた。そして、その神楽カナエの幼馴染であるトウヤは何かとファンクラブの人達に敵視されていた。


そんな状況なのだから、トウヤが神楽カナエの家に居候しているという情報は、ファンの多くが動揺した。

しかも追加の情報で、朝起こしてもらっているや毎朝手料理を食べているや毎回一緒に登校しているなどなど噂の域を超えない情報から多くの人が目撃している情報などが錯綜した。

そして、ついに今日一部の過激派が暴走し、今に至るわけだった。



実際の所は、

朝、稽古の時間が来ても『起きないトウヤをカナエが』ドロップキックという乱暴な手段で『起こしたり』

『朝食は、幼馴染』の母親に『毎朝作ってもらっており』、幼馴染は手伝っておらず

登校に関しては、カナエが無理やりトウヤについて来ていたのだ。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「どうやって誤解解けばいいんだよ……」

トウヤは、疲れた声音で呟いき、思わず頭を抱えてしまう。


そして、その拍子に横のゴミ箱に肘がゴミ箱に当たってしまう。


――ガタタッ


大きな音を立てて倒れるゴミ箱にトウヤは、やってしまったという表情になる。


「あ……」

そして、人が行きかう外を見て声を漏らす。

偶然学校帰りの知人と視線が合ったのだ。


「トウヤ……」

大柄な青年は驚いたように目を大きく見開く。


トウヤは、一本指を立てて口に当てて黙ってくれるようにお願いする。


大柄な青年は、こくこくと神妙に頷く。

トウヤは、ホッと胸を撫で下ろす。

しかし、大柄な青年は、そんなトウヤに突然獰猛な笑みに変わると


「ここにトウヤがいたぞーー!!」

と大きく叫んだ。

「なっ!?お前友人を売るのか!?」

信じていた友人のまさかの裏切りにトウヤは驚く。

「悪いな。トウヤ。俺にも事情があってな。まぁ頑張って逃げろ。」


大柄な青年はそう言って親指を立てて下にする。

「いたぞ!!狭間だ!」

「挟み撃ちにしろ!」

「道を塞げ!!」

「各々の武器を持て!」


すぐに近くにいた追手がぞくぞくと駆けつけてくる。

「っちっくしょーーーーー!!お前後で覚えてろよっ!言われなくても逃げ切ってやるわぁーー!」

トウヤは、大柄な青年に文句を言いながら、包囲網が完成する前に全力で逃げた。


「なっ!?狭間の奴、壁を蹴って飛び越えやがった!」

「まだ追いつける!近くにいる仲間に知らせろ!」

「糞!あいつ速すぎるだろっ!」


追手は逃げるトウヤを追いかけていく。


トウヤの鬼ごっこはまだ始まったばかりだった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…やっと逃げ切れた……」

荒い息遣いで座り込むトウヤは、今全焼した自宅にいた。


「ふぅ……逃げている内にここまで来たのか……帰りたいけどアイツ(幼馴染)の家の近くには絶対見張りがいるよな………しばらくここにいるか…」

そう決めるとトウヤは、目の前の自宅を見る。


「ハァー……こんなことってアイツの家にいる限りたびたび起こるよなー、以前でも色々とめんどくささかったのに……親父(トウヤの叔父)が帰ってこないと建設とかもできないし、ハハハいつもなら帰ってこないでほしいのにな………ハァー」

色々と疲れた様子のトウヤは、自宅の瓦礫を弄りながら深いため息をつく。



「あぁー……夕焼け綺麗だな。」

トウヤは、家が立っていた場所から、沈んでいく太陽で赤く染まっている街を見る。

嫌なことを忘れるようにボーっと何も考えずにしばらくトウヤは見ていた。



「あ……もうこんな時間になってら、そろそろ帰ろうかな」

気が付くと、日は完全に沈んでいて、トウヤの周りは真っ暗闇になっていた。


「よっこいしょっと」

トウヤは、立ち上がると、服についた汚れを手で簡単に落とすと、山を下る道に行こうとした。


――ドッガアアッ!!!


が、突然の閃光と轟音共にトウヤの意識は吹き飛んだ。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


その日、速報でトウヤがいた山に直径2メートルほどの隕石の落下があったことが報道された。

この隕石の落下により、多くの被害が出たが、

死傷者は狭間トウヤただ一人だった……

感想楽しみに待ってます。


批判もできるだけ詳しく指摘してもらえれば、今後作品を書くときの参考にしていこうと思ってます。



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