22話 「探検中……」
――ユリエside
『よし、あそこのドアノブを回してもらえるか?』
ユーグが念話でオレンジ色の精霊さんに頼むといくつかのオレンジ色の精霊さんが明滅しながらドアノブに纏わりつく
―カチャ……
静かな音とともに勝手にドアノブが回る。精霊さんが見えないとポルターガイストみたいで怖そうだな~
『おい。早く行くぞユリエ!』
『あ、うんわかった』
ドアを緑の精霊さん達が風で開けてくれる。ドアから廊下へと出るユーグに私は慌てて着いて行く。
ボーっとしてたらユーグに置いてかれちゃうな。
『……なら少しは周りを見て動けよ。』
『え!?なんで私の考えが分かったの!?』
『……念話に駄々漏れだ馬鹿野郎……』
しまったな~また思考がもれちゃったか~うん。仕方ない仕方ない。次気をつけよう
ちょっと反省したわけで、
『よ~し。精霊さんたち、私と床の間に薄い膜を作って直接床に着かないようにしてー』
私がそう頼むと、緑の精霊さん達が強く明滅しだす。
微妙にだけど視線がわずかに高くなる。下の感触が、フワフワの絨毯からツルツルした感触のに変わる。
うーん家の中だと、緑の精霊さんばっかりだね~。取りあえず寂しそうにしている。青と赤と黄色と灰色の光の玉達を優しく撫でてあげる。
『よ~しよしよし。』
うん。撫でてあげると嬉しそうに小さく明滅する。ああ~可愛いなぁ~
『……だから早く行くぞっていっただろう』
ユーグは、疲れた表情でこっちを見ていた。
よし、早くいこっか
緑の精霊さんたちによって摩擦ゼロの私は、精霊さんに風で押してもらうと、面白いそうに前に進んだ。
スケート見たいな、丘の上からダンボールですべる様な、ウォータースライダーから滑るようなそんな爽快感がある。
四つん這いの赤ちゃんが手足を動かさずに移動する様子は怖いかもしれないけど、楽しい
『いえ~い。もっともっとー♪』
精霊さんにもっとスピード入れてもらう。
うん久しぶりの速さに興奮するな!先に進んでたユーグもすぐに追い抜く。
「あ……」
とユーグの声が聞こえたけど、抜かされたから驚いてんるんだね。
悔しそうにするユーグが頭の中に浮かぶ。
『ユーグ悔しかったら。私を抜いてみろ~アッハッハッハッハッハ!』
ちょっとからかって見る。
ひとしきり念話で笑った後ちらりと少しだけ後ろにいるユーグを見てみる。
『ユリエ前々』
ユーグはなんか私の方を指してきてる。
前?何が――
――ベシャ
「ん?――ふぎゃ!?」
『痛い!?』
目がちかちかする。頭が割れそう!もしかして壁か何かに物にぶつかちゃった?
普通に痛いです。ユーグを見る為に後ろを向いてたから気づかなかった。
クラクラガンガンする頭を抑えて床を転がる。
痛い、痛い、痛い
おのれ~ユーグめ~私を嵌めたな~
混乱した頭でユーグ悪を叩き出す。もっと早くユーグが言えばぶつからなかったのだ!!
『完全にお前の前方不注意だ』
『また私の考えをよんだ!?』
『思考駄々漏れだっていってんだろ!?』
『いやー!頭の中で怒鳴らないでー。痛む頭に余計に響く~』
ユーグの声が頭の中でワンワンと響くよ~。
がんがんして頭が痛いよ~~。
セバスさ~ん。魔法で治して~
一応方法自体は上手くいってますよ。
ただユリエがはっちゃけすぎてるだけです。w
ユーグがユリエの世話役になってきているのに気づきました。
誤字脱字等の指摘、書き方などの貴重な意見、設定などの質問、読み終えた感想を楽しみに待ってます。
批判もできるだけ詳しく書いてもらえれば今後の参考にしていこうと思ってます。




