19話 「フリーダムすぎるユリエ」
18話 「反省会―が始まらない」のユリエsideです
――ユリエside
今回の探検もまた失敗しちゃったー。
そもそも、あのドアの開け方絶対間違ってるよ。精霊さんに頼まず自力でやるのがそもそも無理なのよ。
まだ1歳なんだよ。やっと立てるようになったんだよ!不安定な人の上でまともに立てるはずないじゃん!
あの頭の痛みは忘れない。あっ実際セバスさんが治してくれたから痛くないけどね。何でもできる老練執事さんかっこいい!
それにしてもユーグ絶対分かってたんだよ。私が痛みに転げ回ってる時のユーグのあの顔!絶対わざとしたに違いない!
(※ユリエの思い込みを多分に含みます。実際ユーグは呆れた顔で見ていただけです。ユリエがユーグの踏み台になるのが嫌だと拒否したための役です)
絶対仕返ししてやるぅ………ん?ユーグがなんか顎に手を置いて悩みこんでる。赤ちゃん版考える人?
おーい。
試しに目の前で手を振ってみるが反応がない。というか目の焦点が定まってなくて、目が虚ろになってる。
(ユーグ……怖いんだけど)
ちょっとユーグに引きながら
ユーグの柔らかいほっぺを突付いてみる。
―プニプニ
うわぁ……マシュマロみたいに柔らかーい。
―プニプニ
いつまでも突付いていたい感触~
ユーグこれにも反応しないよ。
これは……いけるかな?
――むにょーん。むにょーん。
すっご~い!餅みたいによく伸びるし肌触りもいい。やばい癖になりそう!
「っへ!ふぉっひかりゃふぉおをひふぁるな!」(って!さっきから頬を引っ張るな!)
あっ。ユーグやっぱ気づいっちゃたか。それでも引っ張ってる時に喋ると勝手にホッペが伸び縮みして面白~い
「キャハハハハ!」
ユーグの僕怒ってます!みたいな顔もホッペを引っ張ってる状態だと全然怖くない
『さっきから何してきてんだよ!いてぇじゃないか!』
そんなに凄んだ声を念話で流してもこの状態じゃ全然怖くない。
私の満足いくまで存分に頬を引っ張らせてもらうんだから!これは……そうお仕置き!前私を嵌めたお仕置きなんだ!
ということでもっと引っ張ろ~♪
―パシ
あ……残念ユーグに払われちゃった。
それにしても………
『あーおもしろかった。ユーグのほっぺたホントにマシュマロみたいで柔らかーい』
この感動は、被害者のユーグにも伝えるべき!ユーグのホッペがどれ程魔性のホッペなのかを!!
『いや、何人の体で遊んでんだよ!お前のほっぺも柔らかいだろうが!』
………え?っちょ、ちょっとユーグ私のホッペなんか掴んでど、どうするの?
――ふにょん。むにょーん。ふにふに。むにょーん。
ユーグが容赦なく私のホッペを引っ張ってくる。引っ張られるだけで痛いのにその上指の力も強めてくる。
ユ、ユーグ?顔が無表情で怖いんだけど……
そんな私の抗議の視線もユーグはピクリとも反応しない。
――ふにふに。ふにふに。むにょーん。むにょーん。
そのまま無表情で私のホッペを苛めてくる
『痛い!痛い!離してー!痛いってホントに!』
『――――……あっ!わりぃわりぃ』
……やっと離してくれた。うぅぅ……ホッペがひりひりするよぉ~。
私は、こんなことをしてきたユーグを睨む
ユーグの罰なのにやり返してくるのは卑怯だ。という目で
『あぁー……うん。なんかごめんやりすぎた。』
そしたら、ユーグが謝った!
フッフッフユーグも私の鋭い眼光にユーグもたじたじ
V!ユーグに勝った!
と心の中でVサインをする。
しかし!私は、謝っただけで許しいてあげるほど寛容じゃないんだよ。
『くっそぅ……ユーグめ。痛がる赤ちゃんを虐めるとは男の風上にも置けないやつだな。』
ユーグをもっと反省させるために許してないですよアピールをします。
『……おい、ちょっと待て。先にやってきたのはお前だろが』
えぇえ……ここはもっと謝るとこでしょ。これはもっと厳しい罰が必要ですね
『うるさい!ユーグ覚悟ぉーー!』
「――っ!!さちぇるかーー!!」
――ペシン。
む。伸ばした手をはたかれた
ユーグの癖に往生際が悪い
「じゃまちゅんなーー!!」(邪魔するなーー!!)
『大人しく抓られなさいよ!』
念話と実際の声で降伏を促すも
「やじゃよ!!」(嫌だよ!!)
ユーグ拒否しました。
これはもう………全面戦争ね!
―ペシン。パシン。ペシン。パシン
むぅ……ユーグ粘りますね。
だが……甘い!
『――っ!?しまった!』
『ユーグとったりーー!!』
隙を突いてユーグのホッペを掴みました。
これでもう勝ったも同然
――むにょーーん。
ユーグのホッペを思いっきり引っ張る
「はなふぇ~~!」
ユーグが振りほどこうと私の腕を掴むけど離さないよ~。
『ハッハッハ!私の痛みを思い知れ~!』
私は念話で勝どきを上げる。ユーグはそれでも気丈に抵抗しようとする。
(やっぱユーグのほっぺ柔らかいなぁ~。むきになってる顔も可愛い)
……ってだめだめ!ちょっと許してあげようかなぁ~って思ってしまった
おのれユーグなかなかやるな……
そんなユーグがついに最後の抵抗をしてきた
『は・な・せ・よ!そっちがそのつもりなら俺だって――!』
――むにょーーん
私の腕を振り解こうとしてきた両手で私のホッペを引っ張ってくる。
痛い!痛い!痛い!容赦なくユーグが引っ張ってくる。
だけど!『私はこんなことで諦めないんだ~!!』
自分の心の中で自分を叱咤し(※念話で漏れてます)
なおもユーグのホッペを掴む指に力を入れる。
ユーグが降参するまで私は諦めない!!
こうしてユーグと私の血で血を洗う壮絶な戦いが幕を開けた……(※血ではなく涙の間違い)
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『――痛!ユーグ離しなさいよ』
『はっ!お前が離したら、離すぞ?』
『そっちが先に離せ。そしたら離す』
『いや、お前が先』
『ユーグが!先に』
『ユリエが先に離せよ!』
「ふにゅにゅにゅにゅ~~……」
「ふんにゅにゅにゅにゅ~~……」
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