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ハチャメチャ!!  作者: 神楽 弓楽
1章 赤ちゃんin異世界(改稿前)
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18話 「反省会―が始まらない」

――ユーグside

『前回は失敗してしまったが、今回こそ成功してみせる!!』

『頑張ろー!!』

ユリエも俺に答えてくれる。

前回挑戦した第4回家の探検は残念ながら一つ目の部屋で失敗してしまった。

そもそも、今までまともに部屋探検していない

家で行ったことあるのは、俺とユリエの部屋、大きなテーブルがあるダイニングルーム、ふわふわのソファがある客室、父さんの仕事場の執務室、両親の部屋(俺とユリエの部屋の真正面の部屋)、ライルとエリナの遊び部屋ぐらいだ。

他にも部屋はあるだろうし、今一番行きたいとこは書庫だ。

いい加減この世界の常識が知りたい。

父さんの強さが普通なのか、異常なのかぐらいは知りたい。

前世のような勘違い(主に幼少期)はしたくない


あと外の小屋にいるドラゴンまじかで見たい。触りたい。一緒に空飛びたい。

『やばい。興奮してきた』

『何に興奮してんの……』

思わず、念話に漏れ出してしまった。

なんかユリエが若干引いてるんだけど……

『いや、なんでもない。それより、あのドアの開け方はやめよう。主にお前が危ない』

『うん。あれすっごく痛い。』

首を熱心にふって賛成するユリエ

………そもそもお前のアイディアなんだが

『まぁドア開ける方法も重要だけど、中に人がいるか確認する方法も考えないといけないな』

まぁドアの方は奥の手として、空中に浮いて開ければいいわけだし、中に人がいるかを確認する方法があれば可能だからな………でもどうやって確認すればいいんだ?

――プニプニ

ドアに耳をあてて聞き耳を立てる。……確実性にかけるな

わざと廊下の方で大きな音を立てて反応するか見る。……他の所からも人が来る

――プニプニ

うーん……もういっそのこと大人の誰かに案内を頼むか?……いや、絶対俺だったら赤ちゃんをドラゴンに近づけないし、絵本はともかくそれなりの本を渡してくれない

うーん……いいアイディアがぜんぜん思いつかばない。

――むにょーん。むにょーん。

「っへ!ふぉっひかりゃふぉおをひふぁるな!」(って!さっきから頬を引っ張るな!)

「キャハハハハ!」

面白がるように俺のほっぺを小さな指で引っ張ってくる。

普通に痛い。

『さっきから何してきてんだよ!いてぇじゃないか!』

そう俺が言っても止めずに笑いながら左右に引っ張ってくる。

俺は、両手で頬を引っ張る指を払う

『あーおもしろかった。ユーグのほっぺたホントにマシュマロみたいで柔らかーい』

『いや、何人の体で遊んでんだよ!お前のほっぺも柔らかいだろうが!』

俺はお返しとばかりにユリエのほっぺを思いっきり引っ張ってやる。

――ふにょん。むにょーん。ふにふに。むにょーん。

思ったより柔らかくてよく伸びるな。

――ふにふに。ふにふに。むにょーん。むにょーん。

これは案外面白いかも

『痛い!痛い!離してー!痛いってホントに!』

『…ふむ、確かに柔らかいな……あっ!わりぃわりぃ』

ちょっとやり過ぎたかな…ユリエが若干赤くなったほっぺを摩りながら潤んだ瞳で見てきている。

『あぁー……うん。なんかごめんやりすぎた。』

こういうときは謝っとくのが一番だな

『くっそぅ……ユーグめ。痛がる赤ちゃんを虐めるとは男の風上にも置けないやつだな。』

どこの時代劇の真似してんだよ

『……おい、ちょっと待て。先にやってきたのはお前だろが』

『うるさい!ユーグ覚悟ぉーー!』

ユリエがこちらにもたれかかってくる。子供特有の甘いミルクの匂いとユリエに当たる部分がじんわりとあったかくなる。

潤んだ瞳で睨んできながら(つか実際何粒か涙が零れ落ちてる)、小さな両手で再び俺のほっぺに触ろうとしてくる

「――っ!!さちぇるかーー!!」

――ペシン。

何度も引っ張られてたまるかよ

ユリエの伸ばしてきた腕を自分の手で払う

「じゃまちゅんなーー!!」(邪魔するなーー!!)

『大人しく抓られなさいよ!』

「やじゃよ!!」(嫌だよ!!)

―ペシン。パシン。ペシン。パシン

しつこく続く攻防戦

『――っ!?しまった!』

しかし、払い損ねたユリエの片手が片方のほっぺを掴む

それと同時に固まった俺の手をすり抜けてもう片方もほっぺを掴む

『ユーグとったりーー!!』

――むにょーーん。

思いっきり引っ張るユリエ

「はなふぇ~~!」

ユリエの手を掴んで離そうとするが、離れないむしろ離さまいとユリエが手に力を入れるので痛い


『ハッハッハ!私の痛みを思い知れ~!――やっぱユーグのほっぺ柔らかいなぁ~。むきになってる顔も可愛い……』

念話で勝ち誇ったような笑いをあげるユリエ、しかし、実際は今もポロポロと涙を流している姿なので違和感がある。

……自分の精神のためにも最後のはあえて突っ込まない

『は・な・せ・よ!そっちがそのつもりなら俺だって――!』

俺は、自分の手でユリエのほっぺを掴んで引っ張る。

――むにょーーん。

……いや、これホントにおもしろいな。出来立ての餅みたいによく伸びる。弾力はそこそこでマシュマロみたいに柔らかい。肌もすべすべしていてしっとりと手につく。これが赤ちゃんかすごいな

って!、思わず一瞬思考がそれてしまうがユリエのようにいろいろとほっぺを引っ張ってやる。

自分で言うのもなんだが、ずいぶん子供っぽいことをしているぐらいの認識はあるが、たまにはありだろ。だって俺も一応赤ちゃんだし

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『――痛!ユーグ離しなさいよ』

『はっ!お前が離したら、離すぞ?』

『そっちが先に離せ。そしたら離す』

『いや、お前が先』

『ユーグが!先に』

『ユリエが先に離せよ!』

「ふにゅにゅにゅにゅ~~……」

「ふんにゅにゅにゅにゅ~~……」

お互い一歩も譲らずに互いのほっぺを引っ張り合う

ベッドの上をゴロゴロと転がりあいながら自分が優位に立とうと攻めあう


ユーグの頭からは先ほどの悩みも探検のこともすっかり抜け落ちてしまっていた。


どしどし感想よろしくお願いします。


ユリエは念話の扱いがかなり未熟なので未だに思考が駄々漏れになる時があります。


『自由にVRMMORPG!』も更新しました。

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