9話 「今の幸せ」
日常というより2話の後日談になってます
――ユリエside
お母さんは、元気になっていた!
いつの間にか寝てしまった私を優しく抱いてくれていた!
うぅ……ぐすっ……
あれ以来どうしてもお母さんが倒れてしまう事を思い出すと泣いてしまう
思った以上に親がまたいなくなることは、私にとってトラウマだったんだ………
5歳の頃かな?祖父から聞いた話だと私にクリスマスプレゼントを内緒で両親が買いに行った帰りにスリップしたトラックが追突、トンネルを塞いで炎上、後ろから来る車が何台も玉突き事故を起こし、死傷者を多く出した事故で、両親は比較的外傷が少ない死体として私のいる家に帰ってきた。
私は、余り覚えてないけどずっと母親に抱きついて離れなかったそうで、両親の葬式が終わった後もしばらく塞ぎこんでたみたい
覚えてないけど、トラウマになっていたみたいだ。
今のお母さんが倒れた時、動かなかった時は、言いようのない不安に駆られた。
本当に、本当にお母さんが生きててよかったっ。
「オ、オギャアアアアアア!(お母さーーん!うえええぇぇん!)」
「どうしたの?ユリエ?お母さんはここにいるわよ。大丈夫。大丈夫。お腹でも空いたの?」
また泣いちゃった……この身体になってからどうも感情が高ぶると泣きやすくなってしまう
勿論、お腹空いてます!飲みますよ!飲みますとも!
「ユリエは本当によく飲むわ。フフフッ。」
美味いんだから仕方ないよ!
――ゲップ
ああ、お腹一杯!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
落ち着いた所で、重大発表~~!!
なんと、部屋から出れました~
――パチパチパチ
外は、地球と違ってとても自然で一杯でした!
緑が溢れ、空は澄んだ青!
空気が美味しい~!
そして、部屋も変わりました。
いつもお母さんがいてくれます!
一緒に寝る時はお母さんの大きなオッパイをクッションにします!
とても柔らかくて、温かかくて、いい匂いがします!ミルクの匂いです!お腹が空いてくる匂いです。
ときどき不安になった時もお母さんがいると、安心します。ホントに赤ちゃんみたいです。
私、改めて赤ちゃん生活満喫すると誓います!
新たにお母さんに精一杯甘える事にしました!赤ちゃんだもねっ!当たり前だよっ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
私、今、異世界にいると猛烈に実感しています。
妖精さんが!妖精さんが、空を飛んでます!
青や緑、赤、黄色、水色、いろんな色の玉の中に羽の生えた小さな小さな人がいます!妖精さんです!
又は、精霊さんです!
ファンタジーです!とってもファンタジーですっ!
『うるさい。そのセリフ何度目だよ』
……叱られました。念話でダダ漏れだったみたい。
でも、妖精さんですよ?感動しますよね?興奮しますよね?滅茶苦茶かわいいですよね?
『分かったから、先ずは落ち着け』
『……念話のオン/オフどうしたらいいのかな?』
『知らん』
ユーグが冷たい……
……ふ、ふーんっだ!いいよ。妖精さんに慰めてもらうんだから、
妖精さんカモーン!
周りの光の玉がユリエによって近くを漂い始める
何色もの光が空中に線を描きキラキラと消えていく
空中には次第に舞う光の玉が増えていき、とても幻想的な景色になっている。
『うわああぁ……綺麗、もっと見たいな』
小さな手でぱちぱちと拍手するユリエに気をよくしたのか、より一層、速く、多く、色を強く光らせて
空中に軌跡を残して、絵とする。
ユリエは、もうテンションMaxであらん限りの拍手をしている。
隣では、ユーグも魅入っていた。
『綺麗だな……』
『でしょ!妖精さんはすごいのだ!』
『なぜ、お前がエラそうなんだ…』
『私が頼んだんだもん!エヘン』
『実際やったのは、そこの光の玉だろ』
『妖精さんです、ユーグ』
『……精霊かもしれないだろ?』
『その時は、その時です』
『はぁーお前はいつもいつも――――』
『そんなことないです!ユーグだって―――』
『――!!――――っ!』
『――――!?―――――、―――!!』
――そこから、お互いの言い合いに発展してしまって、結局、決着つかずに寝てしまった。
腹が立つことはあるけど、嫌じゃない
前世のお父さん、お母さん
私の今は、とっても充実しています。
速く自分が書きたいとこまで持っていきたいけど、赤ちゃんの時も書きたい
でも、内政が書けない、チートができない
……しばらくは地盤を固めていきます
感想、指摘等があればお願いします




