6話 「神様は自由人」
「さぁユリエ、たんと飲むのよ……」
『なぁ……母さん、前よりやつれてないか?』
『んく……んく…プハァッ!そうだよね体調でも悪いのかな?』
念話ができるようになって2日たった。
どうやら念話はユリエとユーグ同士でしかできないようだった。
今ユーグ達が心配していることは、ここ2日、母親と巨乳メイドさんの顔を出す頻度が減ったこと。
顔を出した時も、顔に疲労の色が見える。
ユーグは、最近顔を見せない子供たちに関係するだろうとあたりを付けている
それでも風邪の看病で寝不足なんだろう程度だが
『よくなるといいね』
『……あぁそうだな』
そして最近猫耳メイドさんの姿を現す頻度が増えた
しかも決まって念話でユリエ達が話している時だ。
初めユリエは声が聞こえていると思い話しかけていたが、どうやら違うみたいで感じ取っていると後から気づいた(ユリエはちょっといじけてた)
――ユリエとユーグは知らなかった、
エリナの容体は、もう危険だということに、
オルグがエリナの薬を手に入れるために、王都に竜騎で飛んで行っていることに、
微笑むマリヤは、ネマからキツク休むように言われていることに
全て部屋に籠っていたために知ることができなかった。
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――神界
荘厳な神殿そこに1人の老人が入っていった。
「邪魔するぞ」
中に入ると、そこには空中にユーグ達の世界を映してみている少女が
「最近よく来るわね。老神」
「文句があるのか?」
「まっさか~」
ギロリと睨む老神にロリ神は手をヒラヒラさせながら否定する。
「それで、どうしたの?」
「分かっておろうが。娘の周りの改善じゃ。儂は最高のサービスをすると娘にいった。それを守る」
「えぇ~めんどくさ~い」
「ほぅ……協力せぬのか?」
「老神だけで十分でしょ」
ロリ神は手を胸元でクロスして拒否サインを出す
「そうか……困ったのぅーーむッ?いかんいかん足が痛いのぅ。杖でも近くにないかのぅ」
「あっ!?まさかっ!老神ストップ!?」
ロリ神が老神の行動の意図がわかり、止めに入るが、
「これがちょうど良さそうだな」
――ズボッ!
――ズズズズズッ!
と近くにあった直径2メートルはあろう長さ30メートルの支柱を意図も簡単に抜き取る
掴んでいる手は支柱にめり込んでいる。
「ふむ。ちょうどいいかの?どれ」
老神がそのまま横に振ると
――ブオオオンッ!!
という音と共に
――ガガガガッ!!
――バキャ!
――ズズンッ!!
と老神の振るう支柱に壁や他の支柱に当たり、削れ、折れ飛び、支柱がなくなった天井が崩れ落ちる。
「うむ。ちょうどいい杖じゃ。してお主、協力はしてくれぬのか?」
再び聞かれたロリ神は「はい……」としか言えるわけがなかった。
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瓦礫の近くに老神が畳を創り、ちゃぶ台とお茶、和菓子にこの前頼まれて創ったイチゴクレープを用意し座る
「あぁ……私の神殿が……創るのめんどくさいな。いっそ神殿の形変えようかな」
ロリ神は老神が創ったお茶は飲まず、紅茶を創って飲む。
「して、お主何か案があるか?」
「何で私からなの。老神が先に言ってよ」
「儂は、壊すのは得意でも細かい作業が苦手じゃ」
「それ、最初から私に丸投げしますか」
「ほれ。とにかく言ってみろ」
老神は煎餅を食べながら、催促する
「取り敢えず、放置」
「却下じゃ。お主からかっているのか?」
「別に~。また神殿壊されたくないし」
「真面目に答えろ」
「1番いいのが私たちが、直接言って病自体を治す」
「ほう、それはいいのぅ。」
「ただし、今後似たことが起こらないよう彼女たちの家族や周りに加護を与えて補強する必要があるわ。または、そのようなことが起こるたびにやる。」
「何故気に入ってもいない者に加護を与えねばならん!却下じゃ」
「あっこのクレープおいしいわね。まぁ、私も嫌だけどね。じゃ最後のは、厳しい状況の時にヒントを与えたり、知らせたりとたまに手助けする。でも私は気分でやらせてもらうし、状況によってはあえて危険にさらす必要があるわ。」
「むぅ………しかし」
「可愛い子には旅をさせるというわ。獅子は我が子を千尋の谷に落とすし。困難は必要なことよ。ぬるい環境は魂の格を落とすだけ。見極めが大切」
「分かった。それでいくかのぅ」
「じゃ取り敢えず今回は私が動かさせてもらうわ(やった。楽しむための大義名分ゲット!)」
―――そして、ユリエとユーグの母親、マリヤは双子の目の前で床に崩れ落ちた。
基本、ロリ神はこういう性格です




