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兄貴と僕の行事歴(仮)  作者: pumpkin@
七夕だよ、全員集合!(2012)
4/21

願い事?(妹ver)


「‥‥‥」

 妹は今風呂に入っている。

 先程まで部屋に籠ってずっと願い事を考えていたのに、急に爽快な顔をして出てきたもんだから、きっと願い事を書いたのだろう。

 と、言うことで、どんな願い事を書いたのか見てみようと、俺は今妹の部屋に侵入中である。

 とは言っても早く出ないと妹がきちまう。アイツ風呂はいるのが早いんだよ。って、こんなことしてる間にも時間はくってんだ。さっさと見て自分の部屋に戻ろう。

「‥これか」

 俺は1つだけ字が違うのを見つけ、それを手にとって読む。

 ───だがこの後、読まなければ良かったと後悔した。


『新しい兄貴がほしい』


「‥アイツ。俺の願い事見やがったな。チッ‥やられたぜ」

 そう言って、やはり自分の妹は自分の先を行くなと改めて思った。

 ふと、何気に裏をめくった。

「‥! フッ、アイツ‥」

 そんなとき、トントンと階段を上る音が聞こえた。

 やばい、妹が戻ってきた。

 俺はもう今から出ても意味ないだろうと判断し、適当に漫画をとっていかにも、ずっと漫画を読んでました~な雰囲気を醸し出す。

 数秒してガチャリとドアが開かれた。

「あ? 兄貴いたのか。‥兄貴、漫画反対だけど読めてるの?」

「えっ」

 俺は慌てて漫画の向きを変える。それでハハッと乾いた笑みを妹に向けた。

 すると妹がじっと俺の目を見つめてきた。

 ‥バレた、か‥?

「‥ま、いーけど。風呂入ってこいよ」

「あ、あぁ‥」

 俺は漫画をもとの位置に戻して立ち上がる。

 そしていそいそと部屋を出て行った。

 アイツに見つめられると、何もかもを見透かされているようで怖い。

 特にこんな後ろめたいことをした時とか。

「‥でもまぁ、可愛いところもあったな」

 クスリと笑って俺は風呂の準備を始めた。


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