願い事?(兄貴ver)
翌日。
今日は待ちに待った七夕、七月七日だ。
僕は何とか笹を手に入れ、今自分の部屋にある。
少し着飾ってあるけど‥。星やらキラキラやら‥‥。
「‥何かクリスマスっぽくね?」
「言うなっ!」
「‥‥‥」
僕もちょっと思ってたんだ。
飾り付けしながら、アレ、何かこれ違くね?みたいな。
僕はそんなことに目をそむけながらも、自分で用意した短冊を出した。
「おっ、俺も書く書く♪」
「ん」
兄貴に一枚渡して、僕も一枚取る。
机からシャーペンを取って、どんな願いを書こうかと頭で考える。
「今思ったが、願いとかねぇなぁ」
「えっ、お前ないのかよっ! ここまで用意して」
お前はあるのか、兄貴。
「だよなぁ。‥つか兄貴はあるのか」
「おおっ、山のようにあるぞ!」
何て幸せなやつなんだ‥。
兄貴はそれから、無言で書き続けた。そのせいかせっかく用意した短冊はなくなっている。
「‥‥‥」
僕はあれから書くことがなく、ずっと悩んでいる。
ふと、兄貴がどんな願いを書いたのか気になった。ので、笹の葉に飾られている短冊に手をかけた。
でも、見なければよかったなぁと後悔した。
『新しい妹がほしい』
‥‥‥。
「どういう意味だ、こりゃあ。チッ‥じゃあ僕もそう書いてやる」
兄貴のお陰で、僕の願いは決まった。
僕はサラサラと短冊に書き込み、笹の葉に提げた。
「‥うん、よしっと。さぁて、今日の夕飯何にするかなぁ~」
僕はそう言って、部屋から出て行った。