前の彼女を忘れるには・・
家に帰った翔・・・
妹の裕子に
「奈々枝から連絡あったわよ」
「そうか・・」
「いい加減に、新しい人見つけたら?」
「何を言ってるんだ。」
翔は、少し声をあげた。
「本当に・・・女の腐ったみたいに・・・」
逆切れする裕子、そこへ近づく翔・・・
だんだん顔が裕子に近づく・・
「なっ・・なによ・・」
「お前に何が分かる?それともお前がなぐさめるとでも?」
「出来るわけないじゃない。」
「そうだろ」
裕子から振り向いて離れようとする翔
「けど・・」
「けど?}
「奈々枝は本気よ」
「だから?」
「奈々枝だったら、きっとお兄ちゃんを助けられるって。」
「それはお前の考えた方だ。」
「でも・・でも・・」
「でも・・・」
「もういないのよ・・」
しばらく、沈黙が続いた。
「うるさい!!」
翔は、部屋に戻ろうと歩き始めた。
「お兄ちゃんのバカ!!! ゆきえさんを忘れるには、新しい恋をするしかないのよ。」
叫ぶ裕子
「・・・・・」
翔はそのまま部屋に入り、ベットに横たわった。
そして、ミサンガをみて・・・
「これ・・私のお守りなの・・・大事なあなたがつけて・・・」
楽しそうに笑顔でミサンガをつけるゆきえの姿を思い出す翔・・・
そして、ため息をついた・・・
「新しい恋をしろ・・・か」
しばらくして・・・
ふと・・・
ミサンガのことを聞いてきたゆりあの顔
そして、イチョウの木の下から見たゆりあを思い出した。
まさか・・・な・・・
そう思った翔は、一人目をつぶった。
一方、家に帰ったゆりあ・・・
自分の部屋で、ミサンガを見ていた。
このミサンガは、彼女のお守りだった。
しかし、いつ、誰が、くれたのか分からなかった。
そして、なぜ樋口さんが、同じものを持っていたのか?
そんな疑問を感じつつ、ゆりあも眠りについた。