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民宿で

充電器を受け取ったゆりあ・・・そこへ女将が入ってきて。


「ごめんよ。」


テキパキと布団を敷いて部屋を出て行った。


あっけにとられた二人、ふと目の前の光景に驚いた。


二つの布団がきれいに並べてあったのだ。


「ったく・・」


翔はつぶやいて、布団を離し、間にテーブルをおいた。


「これでいいでしょ。だめだったら、廊下で寝るけど」


ゆりあはしばらく考え、


「これならいいわ・・」


「じゃぁ、俺、風呂行ってくるは、電話するんだろ・・」


翔は風呂に行った。




ゆりあは、携帯に充電器をつけ、雄太に連絡した。


「ゆりあか!?、今どこだ?」


心配する雄太


「ごめんなさい。お寺の近くで、足止されて・・」


「えっ?じゃぁ、野宿してるのか?」


「大丈夫、民宿があったから・・」


「そうか・・明日迎えに行くから・・」


「いいわよ。・・」


「明日行くから」


「こなくでも、大丈夫よ一人で帰れるから」


「いや、行くから待ってろ。」


雄太は、はやる気持ちを押さえ、店をあとにした。




電話が終わった頃、翔が部屋に入ってきた。


「いい湯でしたよ、入ってきたら?」


「そうね・・」


ゆりあは風呂に行った。




風呂につかり一人考え事をするゆりあ・・・


今日のことを思い出す。


樋口翔・・・か・・・?


どっかでみたような?・・と思いつつ


イチョウの下で振り返った瞬間の彼の顔を思い出す。


何考えてんのよ・・・と自問自答しながら。


門の下で「ゆきえ・・」とつぶやいた彼の一言


ゆきえって誰?


彼のことが頭から離れない・・・


それを振り払って、部屋に向かうゆりあ、一体どうしたの?と悩みながら部屋に入ると



??



あれ?


いない・・・?


驚いたゆりあは、部屋の外に出ると


布団をかぶって寝ている翔がそこにいた。


「ちょっと・・・」


翔をゆするゆりあ


「う~ん・・」


布団にくるまり動こうとしない翔


「ねぇ!!」


翔をゆするゆりあ


完全に眠っていた。


動かないと分かったゆりあは「仕方ない・・」と部屋に戻った。




翌朝、朝食の最中、女将さんが


「ニュースよ。橋が渡れるようなったって、」


「本当ですか?」


客達は喜んだ。


「だから、お客様は帰れますのでご安心を・・」



民宿を出た二人。


「ありがとう。」


これがゆりあの一言だった。


「ここでお別れだ。」


翔の言葉にふと足を止めるゆりあ、そして、振り返った。


「婚約者がくるんだろ。」


微笑みかける翔


「なぜ?」


「ごめん、昨日の電話聞こえたんだ・・」


「そう・・・」


「じゃぁ、ここで・・」


「そうね・・じゃぁ・・・」


二人は、民宿を出て別れた。




橋の向うには、雄太が待っていた。


「大丈夫?」


「ええ・・」


雄太の車に乗るゆりあ


車が動き出すと、目の前には、一人歩く翔の姿があった。


彼を追い抜く車・・サイドミラーで彼の姿追いかけるゆりあ


「きのう・・・」


話し掛ける雄太。


「えっ?」


雄太の方をゆりあが振り返ると


「昨日、言うつもりだったんだけど・・・」


「なにを?」


「おっおれと、けっ・・・結婚してくれないか。」


それを聞いて驚くゆりあ


「えっ?」


「だから・・俺と結婚してくれないか?」


言葉が出ないゆりあ、しばらく考えて、


「ちょっと・・考えさせて、すぐにが、返答できないわ」


「なぜだ」


焦る雄太


「あのねぇ~ちょっとは、私のことを考えてよ。」


「そうだな・・ごめん・・また日を改めるから、今の聞かなかったことにしてくれ・・」

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